趣味嗜好や気になったことなど5つのワードから選出! 時計のプロが選ぶ“私的”ベストウオッチ――時計ジャーナリスト・大野高広氏が選んだ2023年の5本

時計専門誌『ウオッチナビ』に寄稿いただいている評論家やジャーナリストに、2023年に発表された新作時計で特に気に入ったモデルを5本セレクトしてもらった。トレンドを追い続けている彼らの意見からは、新たな発見や深い知識が得られるはずである。本稿では、大野高広氏が選んだベストウオッチを紹介。

【時計ジャーナリスト・大野高広氏】


編集制作会社を設立後、時計専門誌や一般誌で執筆。20年間スイス時計フェアを取材してきたが直近4年は渡欧ゼロ、国内で新作をチェックする日々を送る。

 

「インポートモデルの円安値上げが継続中 2024年、円高還元の価格改定を期待してます」

●BEST5の選出基準
「自分の趣味趣向や最近気になったことなど“文字盤、センス、金無垢、押し心地、衝動買い”という5つのワードのそれぞれNo.1を選びました」

●1年間の総括
「一部の信じがたいプレミアム価格は少し落ち着きましたが、円安で輸入時計は軒並み高騰。特にスイスフランはドル以上に強く、コロナ前の2019年3月は1スイスフランが110円でしたが、2023年10月に168円に到達してしまった。つまり、為替相場の影響だけで、スイス時計は国内価格が53%上昇しても当然なわけです。2024年、少しは円高に向かいそうなので、“円高還元ブランド特集”などやれたらいいなぁ」

 

<私的ベストウオッチ No.5> スウォッチ「バイオセラミック スクーバ フィフティ ファゾムス」


スウォッチ「バイオセラミック スクーバ フィフティ ファゾムス」 Ref.SO35S100 6万500円

「2023年の衝動買い候補No.1は、まさかのグループ内コラボ第2弾。5型のうち、結露や湿気の検出を知らせるモイスチャーインジケーターが6時位置に配置されているのは、このANTARCTIC OCEANだけ。アイスホワイトのカラーも好み」

スペック:自動巻き(自社製SISTEM51)、2万1600振動、90時間パワーリザーブ。バイオセラミックケース(シースルーバック)、NATOストラップ。直径42.3mm、厚さ14.4mm。91m防水。

問い合わせ先:スウォッチコール TEL.0570-004-007 https://www.swatch.com/ja-jp/home

 

<私的ベストウオッチ No.4> ゼニス「パイロット ビッグデイト フライバック」


ゼニス「パイロット ビッグデイト フライバック」 Ref.49.4000.3652/21.I001 172万7000円

「クロノグラフを手に取ると、何はともあれプッシュしたくなる。2023年に許される限り押しまくったなかで、押し心地No.1がこれ。過度に軽すぎない瀬戸際の繊細&軽快な操作感は、いつまでも押し続けたくなる心地よさ。一度お試しあれ」

スペック:自動巻き(自社製エル・プリメロCal.3652)、毎時3万6000振動、約60時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)、コーデュラ・エフェクトラバーストラップ(ブラックとカーキの2本が付属)。直径42.5mm。10気圧防水。

問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL.03-3575-5861 https://www.zenith-watches.com/ja_jp

 

<私的ベストウオッチ No.3> タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」 Ref.CBS2240.FC8319 269万5000円

「還暦前に1本欲しいと思っていた金無垢で今年一番惹かれたモデル。60周年の締めくくりにふさわしい存在感で、ニキ・ラウダ時代のレースの華やかさを彷彿とさせる。数十年経ってヴィンテージになったときのゴールドの経年変化も楽しみ」

スペック:自動巻き(自社製Cal.TH20-00)、毎時2万8800振動、約80時間パワーリザーブ。18Kイエローゴールドケース(シースルーバック)、カーフストラップ。直径39mm、厚さ13.9mm。10気圧防水。

問い合わせ先:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7054 https://www.tagheuer.com/jp/ja/

 

<私的ベストウオッチ No.2> IWC「インヂュニア・オートマティック 40」


IWC「インヂュニア・オートマティック 40」 Ref.IW328904 211万2000円

希少なチタン製のジェンタ・インヂュニア

「“なんかセンス良いなぁと思われる時計を教えて”と毎年聞いてくるゴル友(小さい商社の社長)にお薦めしたモデル。マットな質感にポリッシュの面取りが映える。流通量は少ないけど、頑張って手に入れて!」

スペック:自動巻き(自社製Cal.32111)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。チタンケース&ブレスレット。直径40mm、厚さ10.8mm。10気圧防水。

問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/

 

<私的ベストウオッチ No.1> オメガ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」


オメガ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」 Ref.215.30.46.21.03.002 200万2000円

深度1万935mの世界記録をユーモアたっぷりに表現

「ニュアンスのある文字盤が増えた時計界ですが、最近の一番はサマーブルー コレクション。大量のラッカーを流し込んで奥行き感を出し、UVライトを当てると“OMEGA WAS HERE!”の文字。この遊び心、最高です」

スペック:自動巻き(自社製Cal.8912)、毎時2万5200振動、約60時間パワーリザーブ。O-MEGAスティールケース&ブレスレット。直径45.5mm、厚さ18.1mm。600気圧防水。

問い合わせ先:オメガお客様センター TEL.03-5952-4400 https://www.omegawatches.jp/ja/

構成・文/WATCHNAVI編集部 ※価格は記事公開時点の税込価格です。本記事は『ウオッチナビ Vol.92』より抜粋・編集しています。