G-SHOCKに続け!まったく新しい腕時計を小学生が考えるoomiya × CASIO「発明アイディア ワークショップ」体験レポート!
カシオ計算機の創立60周年を記念し、樫尾俊雄発明記念館の主催で2017年から全国各地で行っている「発明アイディア ワークショップ」が、oomiya 和歌山本店で開催された。普段は小学校で行われることの多いこの催しが時計店で行われるということで、ワークショップの内容を取材した。
Text/Daisuke Suito (WATCHNAVI) Photo/Atsuyuki Shimada
みんなで一緒に“目指せ 未来の発明家!”
oomiya 和歌山本店(和歌山県和歌山市栗栖755-1)は、総売場面積250坪を誇る国内最大級の専門店。その店内の1角には、全国でも選ばれしショップでのみ展開されるG-SHOCKコンセプトコーナー“EDGE”がある。こうしたカシオとショップの関係もあることから、「発明アイディア ワークショップ」が開催されることとなったわけだ。
当日は90分間のワークショップが13時〜と16時〜の2回行われ、筆者は13時の回を取材した。一般財団法人 樫尾俊雄記念財団の渡邉さんが挨拶を述べたあとは、カシオ計算機の商品企画部・相原さんが進行役となり、子どもたちにカシオ計算機という会社の成り立ちからG-SHOCKの誕生秘話などの概略を説明するという流れ。約30分間の学びの時間は途中にクイズを設けるなどの子どもを飽きさせない内容で、2017年から積み重ねてきた工夫が読み取れる。
そして、いよいよ子どもたちが活躍する時間に。このワークショップは、世界初の小型純電気式計算機を発明したほか、300以上もの画期的な特許を取得。自動カレンダー機能付デジタル腕時計も開発した樫尾俊雄さんや、落としても壊れない腕時計G-SHOCKを発明した伊部菊雄さんのように、子どもたちにも新しい時計を発明してもらうことがメインである。それを考えるにあたり相原さんから2つのお題が出された。ひとつは「自分が楽しくなる時計」、もうひとつは「困った時に助けてくれる時計」である。
筆者も子どもたちに混じって一緒に考えたのだが、一生懸命に色鉛筆を走らせる子どもたちとは対照的に40代のおじさんはまったく思いつかず、あっという間に約50分間のシンキングタイムが終了してしまった。次は、それぞれが描いた腕時計について、前に貼り出された順番で発表することに。自分の描いた時計の絵を持ち、「とにかくカッコいい時計」「好きなジュースが出てくる時計」「ママを助ける時計」など、ユニークなアイデアが続々と発表された。
特別課外授業「発明アイディア ワークショップ」は、2017年度から今年度(2024年5月現在)まで日本各地の小学校や学習塾、学童クラブなど26校で実施され、総勢1,201名の発明家のタマゴを生み出してきた。今回oomiya 和歌山本店にて新しく発明家のタマゴとなった参加者たちに話を聞くと、「新しい時計を考えることの楽しさ、難しさがわかった」とのこと。イベントに参加した子どもにとって、今回のイベントが時間と時計について考えを巡らす有意義な時間となったに違いない。
取材後記
カシオ計算機は50年前に世界初のオートカレンダー付デジタル腕時計のカシオトロンで市場に参入し、1983年に発売したG-SHOCKがのちに大ヒットを記録。一大ブームを巻き起こした。いずれも、これまでにない腕時計の“発明”である。それが、今回のワークショップで時計を発明する際のテーマ、「自分が楽しくなる時計」「困った時に助けてくれる時計」という視点にも通じていることは言うまでもない。
そのようなことを考える一方、筆者は子どもたちと一緒に参加しながら、ずいぶん前に株式会社オオミヤの出水社長とG-SHOCKについて話をしたことも思い出していた。EDGEを展開するに至った経緯について、「G-SHOCKは、oomiya 和歌山本店にまったく新しいお客様を引き寄せてくれる魅力がある」ことが決め手となったと出水氏は言った。名だたる世界のトップブランドの時計が並ぶショップでありながら、G-SHOCKを幅広く扱うことで「制服姿の学生が自分や恋人のための時計を買いにくることだってありえるだろう」と。
今回のワークショップに参加した子どもたちもそう遠くない将来、自分のお金でG-SHOCKを求めてoomiya 和歌山本店を訪れるようになるかもしれない。このようなG-SHOCKと正規専門店のパートナーシップを通じて時計文化を次世代に伝える取り組みが、これからますます活発になっていってほしいと願うばかりである。
なお、今回のワークショップの内容はコンテストとして募集もされているので、身近な小学生に応募を提案をしてみてはいかがだろう(2024年は9月20日まで※必着/詳細→https://hatsumeicontest.jp/contest/entry.html)