連載【腕時計2.0】WATCHNAVI×BEAMS 第2回「カジュアルなニットと腕時計とのコーディネーション」

多様化する腕時計と洋服の合わせ方を
再定義する連載【腕時計2.0】

文/小暮昌弘 撮影/鈴木泰之

時計は腕に身に着けて初めて成立するもの。ならば時計選びだけでなく、全体のコーディネートにも十分注意を払いたいものだ。セレクトショップの雄、ビームスと組んで時計の着こなしを考える本特集の2回目のテーマは「カジュアルなニットとのコーディネーション」。ビームスの販売促進本部プレスの安武俊宏さんと本誌編集長の関口優がニットと時計の関係について語る。

元々、本連載はこの2人で企画を練ったもの。数年前から友人でありつつも仕事をするのは今回が初めて。共通の趣味はBBQ

関口優(以下関口):今回、2回目のテーマは、ニットと腕時計。そろそろ冬本番という時期で、ニットを多用できるシーズンだと思います。そんなとき、どういうスタイルで時計を合わせていいかということを安武さんと話し合えればと思っています。まずは安武さんに選んでいただいたニットを中心にしたスタイルの解説をお願いします。

安武俊宏さん(以下安武):基本的には、(時計の)ベルトや文字盤のフェイスの色からコーディネートを組んでいます。前回が割と王道的な組み方でしたから、私の場合はそこから“ハズシ”の要素を入れつつ考えています。クラシックな要素も入れつつ、スポーティ。ドレッシーな要素も意識しています。

ニット:レンコントラント 4万9680円、パンツ:ベルナール ザンス 3万1320円、シューズ:ボードイン & ランジ 19万9800円、ストール:アルテア 2万1600円/問ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623、時計:IWC 81万5400円/問IWC 0120-05-1868

関口:安武さんに選んでいただいたのが、IWCの「ポルトギーゼ・クロノグラフ」ですね。

安武:そうです。ベルトもフェイスも黒なので、着こなしに黒の要素を入れたいとパンツに黒を選びました。ニットは表面が若干起毛しているもので、袖口からこの時計のキラッとした部分が見えると、ニットと時計のコントラストが効くと考え、「ポルトギーゼ」を選んでいます。IWCは懐中時計から始まったブランドなので、わりとクラシックな要素もあると思います。それでコーディネートも昔からあるようなアイテムを使って組んでいます。

関口:確かにアイテムのデザイン、ひとつひとつはクラシックな雰囲気ですね。

安武:ニットは懐かしいスキッパータイプですし、パンツはプリーツが入っています。靴も「ベルジャンシューズ」と呼ばれるスリッポンです。靴と時計の革ベルトの色を合わせるというクラシックなルールに基づいて揃えています。ニットはセーブルという素材で、カシミアに近いタッチ。スキッパータイプのデザインは、昔のアルマーニなどが作っていたニットのイメージじゃないですか。色もグレーがかったベージュ、アルマーニが得意とするグレージュみたいな色です。

関口:「ポルトギーゼ・クロノグラフ」の革ベルトはリアルクロコダイルを用いています。靴のレザーも同じですか?

安武:まさにクロコダイルです。ちょっと合わせ過ぎかもしれませんが、ニットで半分くらい時計が隠れるのでそんなに艶感を強調することにはならないかと。靴は黒の表革でもスエードでも色合わせをしていればいいと思いますが……。

関口:「ポルトギーゼ」というモデルは、王道的なモデルなので、合わせる服ではスーツやジャケットで選ぶことが多いのですが、ニットで、しかもカジュアルでこの時計を選ぶところが安武さんらしい。

安武:カジュアルにドレスウォッチというのが今の私の気分です。ニット、パンツの色合いが抑え気味なので、マフラーを巻いて色を足すというのもポイントでしょう。

関口:まさに時計がポイントとなるコーディネーションですね。

安武:全体にマットな素材感のアイテムばかりなので、時計が袖口から見えたとき、キラっと目立つかなと思います。

関口:秋冬でタートルネックのニットなどを着たときに、時計だけ悪目立ちすることもあるでしょう。これはそんなことがない。素敵です。

安武:私が考えたのは、ニットで時計が隠れていることが前提です。動いているときに時計がチラッと見える、これがエレガントに見えるということです。「ポルトギーゼ」は本体径が大きいので、それに合わせて服のシルエットも少しユルめにしています。それも悪目立ちしない理由かもしれません。カジュアルでもクラシックテイストのものを選べば、こうした時計も大丈夫だと思います。

袖口からキラリと光ると評された、IWCのポルトギーゼ・クロノグラフ。王道かつ人気の高いブラックフェイスだ

関口:次に安武さんに選んでいただいたのがミッシェル・エルブランの「ニューポート」ですね。この時計は、ヨーロッパの人たちの価値観を存分に反映したもので、ヨット遊びをする風景をモチーフに作られています。ヨーロッパの皆さんの夢のひとつに、バカンスに出かけてヨットに乗ることがありますから。

安武:その話を聞いて、ちょっとスポーティな印象に仕上げてみました。ケースがブラックなので、モダンな感じを生かして、服はデザイナーズと合わせてもモダンなテイストを醸し出せるかと思います。時計ベルトもラバーなので、足元をスニーカーにしてみました。スニーカーを履くときには時計のベルトはラバー、もしくはNATOベルトなどがいいと個人的には思っています。

ニット:ナマチェコ 7万8840円、カットソー:クアトロッキ 1万6200円、シューズ:ジャーマントレーナー 2万304円/問インターナショナルギャラリー ビームス 03-3470-3948、パンツ:ベルナール ザンス 4万2120円/問ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623、時計:ミッシェル・エルブラン 21万3840円/問オールージュ 03-6452-8802

関口:ニットが鮮やかなストライプ入りでインパクトがありますね。

安武:スウェーデンのナマチェコというブランドで、今、ビームス インターナショナルギャラリーでも人気のブランドです。

関口:ネクスト・ラフ・シモンズと呼ばれているブランドですね。

安武:鮮やかなニットのインナーにファインコットン素材のタートルネックを合わせています。

関口:コントラストが効いた組み合わせですね。

安武:ニットを重ね着するときに同じ素材のアイテムを用いることもありますが、ここではわざと素材を合わせず組んでいます。男性のファッションにおいて、あまり考え過ぎて見えるのも“やり過ぎ感”が出てしまうので。本当は考えているんですが、考えていない風に見せるのがメンズファッションの肝だと私は思っているので……。

関口:あえて合わせ過ぎないようにしているのですね。

安武:それでも全体的には色のトーンはあっているので、馴染んでくるかと思います。

関口:ウールパンツのグレーの薄さもポイントでしょうね。

安武:この時計にはスニーカーを合わせようと思いましたので、パンツもこの色にしました。色が濃いと靴だけが浮いてしまうと思いまして。

関口:この時計はブランド創業30周年を記念したデザインです。ミシェル・エルブランは、普段はもっとクラシック寄りのデザインが多い。このモデルはデザインにあまり変化はありませんが、ベルトがラバーですし、素材に変化を出している記念の一本。だからこのようなモダンなテイストの着こなしにはピッタリですね。

安武:そういう意味では今回、提案させていただいたビームス流のニットの着こなしに通じるものがあると思います。

関口:モダンなテイストの時計を選んだときのコーディネーションのヒントになると思います。

安武さんも非常に気に入っていたミッシェル・エルブランのニューポート。マットブラックで仕上げられたダイアルのモダンさに、クラシカルな時計以外にも興味が出てきたと話した
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