連載【腕時計2.0】WATCHNAVI×BEAMS 第3回「カジュアルなコーディネーション」

多彩なミックスファッションが主流の現代に
マッチする腕時計と洋服の合わせ術【腕時計2.0】

文/小暮昌弘 撮影/鈴木泰之

時計は腕に身に着けて初めて成立するもの。ならば時計選びだけでなく、全体のコーディネートにも十分注意を払いたいものだ。セレクトショップの雄、ビームスと組んで時計の着こなしを考える本特集の3回目のテーマは「カジュアルなコーディネーション」。ビームスの販売促進本部プレスの田中 遥さんと本誌編集長の関口 優がカジュアルスタイルと時計の着こなしの極意を語り合う。

関口優(以下関口):メンズファッションでは相変わらずカジュアルスタイルの話題が多いと思いますが、これが3回目のテーマ。田中さんに選んでいただいたカジュアルな着こなしにどんな時計を合わせたらいいかを考えたいと思います。1本目に選んでいただいたのがベルロスの「BR03-02」です。

ジャケット:ビームス プラス 3万4560円、ベスト:ビームス プラス 1万4040円、カットソー:ビームス プラス 8424円、パンツ:ビームス プラス 1万9440円/問ビームス プラス 原宿 03-3746-5851、時計:ベル&ロス BR03-92 48万6000円/問ベル&ロス(オールブルー) 03-5977-7759

田中遥さん(以下田中):時計を選ぶとき、いろいろな選び方があると思います。スタイルに馴染むものにしたり、もしくはギャップを生むものにしたり。

関口:今回のベルロスに組み合わせたのがビームスさんらしいジャケットですね。

田中:そうです。少し土っぽさが残るジャケットですので、これに合わせる時計としては普通、クラシックなデザインの時計に行きがちじゃないですか。でもそこに主張する四角いものを合わせると、アクセサリーとしての印象が強まると思います。

関口:ベルロスの時計って、特徴的な角型デザインが有名なブランドです。長らくパイロットウオッチが軸となっていましたが、これはダイバーズウオッチとして2017年に発表されて、話題になったモデルです。

田中:着こなしは、ビームス プラスを中心にしたもので、根底に流れるのはアメリカントラッドです。それを私なりに“着崩し”感覚で組んでいます。インナーに合わせたシャツもボタンダウンではなく、オープンカラーのものを。色の組み合わせもアメトラの王道からは少し外したものです。私がアメリカントラッドを作るときはどこかに違ったものや、モダンな印象を組み入れたりするのが好きな組み合わせです。

関口:そういう意味でこのベルロスを選ばれているわけですね。

田中:服については、モノのルーツをたどれば、どれもベーシックなものです。それを配色、柄、襟のあしらいを変えることで、コーディネーションの印象が変わるかと思います。

関口:ということは個々のアイテムはみなさん、お持ちのアイテムということもできますね。でも色の組み合わせやワンポイントアイテムを加えることでコーディネーションに差が作れるというわけですね。新たに付け加えるアイテムが着こなしではオープンカラーのシャツであり、ベルロスの時計というわけですね。

田中:アメトラではシャツはボタンダウンが一般的です。オープンカラーのシャツはジャケットにはあまり合わせませんね。さらにシャツにネックの高いカットソーを重ね着しています。パンツも見た目はベーシックですが、かなり太目で、ドカーンとしたシルエットが特徴です。どれも少しだけひねりを効かせているわけです。

関口:ジャケットの素材がコーデュロイなのでボリュームがあって、時計のボリューム感に負けないかもしれませんね。ベルロスの時計って、夏用の印象がありますから、秋冬に身に着けるときにはこのようにボリューム感のあるアイテムと組み合わせるといいですね。

田中:個人的には普段は主張し過ぎる時計はあまり選ばないんですよ。だから逆にこれくらい主張する時計だと、着ているモノが多い冬の方が合わせやすいのではと思っていますね。

関口:次はラドーの新作「トゥルーオートマティック」に合わせたスタイルですね。

ニット:ビームス 1万1880円、パンツ:ビームス 1万5120円、シューズ:サロモン 1万9440円/問ビームス 原宿 03-3470-3947、キャップ:田中さん私物、時計:ラドー トゥルー オープンハート 22万6800円/問ラドー/スウォッチ グループ ジャパン 03-6254-7330

田中:こちらはモダンなカジュアルスタイルにしたいと思い組みました。最近、スポーティなスニーカー、ハイテクなスニーカーがストリートシーンでは人気です。そこに合う時計としてラドーを選んでいます。

関口:時計の輝き、靴に入ったラインの輝きが絶妙に合っている感じがしますね。

田中:全体の印象としては、ストリートと、モードと、スポーツの間くらいのコーディネートだと思います。

関口:大人のストリートと言える着こなしですね。

田中:今はストリートもいろいろあると思います。アメリカの90年代調のストリートスタイルも人気ですが、私としてはもう少し落ち着いたストリートというイメージで作りました。若者だけでなく、大人が着ても格好が良いかと思います。

関口:ストリートウエアでもネオンカラーなどを取り入れた着こなしも流行っていますが、それよりシックです。

田中:90年代調のストリートスタイルに合う時計って、意外に少ないと思います。それでみんなGショックに行ってしまう(笑)。

関口:そうですね。カジュアルというとみんなGショックを合わせておけばいいというのも、どこか縛られ過ぎということですね。

田中:こういうスタイルならば、ラドーのこのモデルはとても馴染むと思います。

関口:このモデルはケースとベルトがセラミック素材。ラドーは老舗というイメージがあったかと思います。

田中:アンティークショップなどで僕も、ラドーの古いモデルを見たことがありますよ。

関口:団塊の世代の人などに圧倒的な人気があるブランドですが、今回のモデルでは新しい世代にアプローチできるモデルだと思います。セラミックは硬い素材で加工技術が難しい。しかしこの素材の質感は素晴らしく、表情はとてもモダンだと思います。

田中:それは今回の着こなしにも通じるかもしれませんね。この黒のニットの質感って、この編みにしては光沢感が出ていると思います。キャップ、レザー素材のもので独特の光沢があります。これがオールコットンでまとめるとセラミックの時計だけが浮くでしょうね。

関口:セラミックの時計って、コーディネーションが難しいと私は思っていましたが、こんな着こなしに合わせればいいんですね。

田中:セラミックの感じに抵抗感を覚える人もいらっしゃると思いますが、逆に現代的な雰囲気を持つセラミックの素材感を上手く生かすようにすれば、普段のコーディネーションがワンランク格上げされる気がします。

関口:ラドーはファッションブランドとのコラボレーションでも知られています。最近はアンリアレイジとのスケルトンのコラボモデルも出ています。

田中:そういった前衛的なブランドとコラボレーションしていることからも、よりファッションとして身に着けたい時計だと思います。

関口:まさにそうですね。

 

TAG