身長190cmの超絶イケメン! ブライトリングチームのエアレースパイロット【ミカエル・ブラジョー】インタビュー
ブライトリング・レーシング・チームの一員として、その技術の高さと端正なルックスから“次世代のパイロット”として注目を集めているミカエル・ブラジョー選手。この程、「レッドブル・エアレース千葉2017」を終えたミカ選手へのインタビュー取材が実現。ブライトリングに憧れた幼少期のエピソードや、フライトに懸ける熱い思いなどが明かされました。
残すは5試合、1回は表彰台に登りたい
―ミカさんは2017年からマスタークラスに参戦されていますが、チャレンジャークラスとの違いを教えてもらえますか?
基本的に決められたコースを早く正確に走る、というところは一緒ですね。
チャレンジャークラスの場合は、パイロットの活動、宿泊の手配、マシンの整備など、全ての管理をレッドブル・エアレースの運営事務局がサポートしてくれます。
対してマスタークラスでは、自分がチームを管理しなければなりません。なので、レースに参戦するパイロットとしてだけではなく、チームのマネジメントにも深く関わるんです。
チームを運営するうえでスポンサーとの関わり合いだったり、飛ぶこと以外の活動が大きな部分を占めてくる。これは大きな違いですね。
マスタークラスでは、チームマネジメントをしながら100%のパフォーマンスを求められますし、レースの開催が発表になった瞬間からこの一週間をどういうふうにするか、この1年をどうするかというプランニングも、自分が中心になって動かなければならない。
こうしたことを先達に学ぶため、昨年はレッドブル・エアレースの“マスター・メンタリング・プログラム”に参加していました。このプログラムは、マスタークラスの流儀を1年間かけて習得していく内容となります。僕が師事したのは、2014年のレッドブル・エアレース世界チャンピオンで、ブライトリングチームの前パイロットでもあったナイジェル・ラム選手です。
―今もナイジェル選手から何かアドバイスを受けることはありますか?
ナイジェルとは未だにコンタクトをとっていて、直近だと1、2ヶ月前に彼の住むイギリスを訪ねてプロジェクトの話をしたりもしました。去年1年間マスター・メンタリング・プログラムで彼と一緒にツアーを周って、一緒に飛んだりするというそのことが経験になりましたし、頭からも体からも学ぶことが多かったです。もちろん、その関係は今も続いています。
ただ、これまでチームブライトリングは黄色と黒のマシンでしたが、自分がパイロットになったことでカラーリングを一新し、イメージチェンジしました。
マシンのイメージは、ミリタリータイプの“ニュー・ビンテージ”。より過去の歴史を大事に、敬意を払いつつという形ですね。ビンテージスタイルって今も新しいファッションのトレンドでもあるので、それも含め若い人の世代にアピールできればと思っています。
最新の航空機でレースに勝てるような機材が出てこない限り、現在のMXS-Rから変えるつもりはありません。
このマシンは非常に力強く、パフォーマンスも高い。僕の感覚としても、機体が自分の体のように、翼が自分の腕のように感じています。コックピットでは、まるで自分が飛んでいると錯覚するほどのフィット感があるんです。
このマシンは、確実にレースに勝てる航空機だと思いますので、現在のところは変える予定はないですね。
Mikael Brageot of France performs during the qualifying day at the third stage of the Red Bull Air Race World Championship in Chiba, Japan on June 3, 2017. //Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool
―2月のアブダビ戦から今年は3戦を終えました。ミカさんの今後の目標を推測すると、まずはラウンド14の突破かと思うんですが、ご自身の今シーズンの目標を教えてください。
具体的な数字というよりも、常にベストなパフォーマンスをレーストラック上で発揮するというのが目標にあります。ただ、エアレースは、ランキングという結果が残るものでもあるので。残り5試合のうち、1回は表彰台に登りたいと思っています。
2017年の年間成績では、だいたい真ん中のあたりになると見立てています。その通りに終えられれば、来年への目標も具体的に立てられるのではないかなと。
―千葉大会で優勝された室屋義秀選手についてどう思いますか?
彼は非常にフレンドリーな人柄なので、いい友人でもあります。エアロバティックスとしての飛行経験もありますし、エアレースでの経験も何年も積まれている非常にスキルの高いパイロットですよね。今回も非常に調子のいい状態で千葉大会も優勝されました。彼の働き方、飛び方、エアレースに対する取り組み方、そして強いチームを作る中で結束を強め、テクニックを磨いていくというエアレースの戦い方は、非常に参考にできる部分が多い。
彼の成功、千葉大会で2勝されたのは非常に喜ばしいことですし、日本のたくさん見ていらっしゃるオーディエンスや若い世代の人たちが、彼を通じて空を飛ぶことに対する憧れを持ってもらえればいいなと思います。
また、僕はフランスで11歳から飛んでいますが、フランスと日本という遠く離れた場所でパイロットという経歴をシェアする二人が、ブライトリングというスポンサーを通して知り合えたことも非常に誇りに思います。
―ミカさんにとってブライトリングはどのようなブランドでしたか?
幼い頃から憧れていたブランドですね。11歳のときに初フライトを経験してから航空に夢中になり、パイロットになろうと決めたわけですが、航空の世界では常にブライトリングの時計をしている人や広告など、ブランドのロゴを目にしないことはありませんでした。
だから僕も、時計は無理でもとりあえずキャップが欲しい! と思っていて。でも今のようにインターネットが発達していないし、どこで調べればいいかも分からず……。
ブライトリングの時計を手に入れたのは、プロのパイロットになったことがきっかけでした。プロならばそれに相応しい時計を身に着けなければと。当然、選択肢はブライトリングしかありえませんでしたね。
エアロバティックのパイロットになってスポンサーを探す時も、ほとんど自然な流れでブライトリングと話がまとまっていきました。航空への熱い思いをブライトリングの方に話をしたとき、すごく自分自身とリンクして、一緒に働かない選択肢がないくらい息が合ったんです。
彼らにはこれまで航空と共に発展してきた中で、さらに未来を見据えて今後より多くの人を取り込んでいきたいというマインドがあり、僕が思っていることとマッチしたんです。2012年からは、いろいろなエアロバティックやエアショーでコラボレーションをするようになりましたね。
僕はブライトリングの名前を航空機やスーツに入れて一緒に飛ぶことができることを非常に誇りに思っていますし、ブランド代表としてエアレースを飛ぶことができて光栄です。
ブライトリングは4本所有。身に着けてないと裸になったようです(笑)
―初めて買ったブライトリングはどんなモデルだったんですか?
最初はクロノスペース・ブラックエディションでした。単純にフライトスーツに合っていたからというのが理由です。
―今身に着けられているコルト スカイレーサーに通ずるものがあるのかと思いますが……
スカイレーサーという名前は、僕が乗っているMXS-Rのスカイレーサーからきているのですが、軽量で正確、効率の良い時計で、まさに自分のためのモデルだと思っています。素材はブライトライトという非常に軽い素材になっていて、実際にレースに出るときもこれを使っています。
重さというのがレースでは非常に重要になってきますが、この時計だからレースに挑めるというくらい。ストラップを外せるのが便利で、実際にツールとしても使うことができる実用性の高い時計なんです。エアレースのためにもベストと言える時計ではないでしょうか。
―そんな中で、何かひとつ時計に機能をつけていいとしたら?
エアレースに最適なウオッチなので、もしまた別の機能をつけるとすると重さという壁が出てくると思うんですよね。なので、レースをする上ではもうこれで完全に満足しています。もしほかの機能をつけたければ別の時計をするんだろうと思います。
―ミカさんはプライベートでも毎日時計を着けているんですか?
そうですね。時計をしないと裸になったような気持ちです(笑)。コルト スカイレーサーは非常に軽いので袖が長い服を着ていると一瞬、着けていないんじゃないかと思ってしまいます。
―いま現在、ブライトリングの時計は何本かお持ちですか?
スカイレーサーにクロノスペース、エマージェンシー2とナビタイマーの4本を持っています。
―どういうときに着け替えるんですか?
ナビタイマーはちょっとおしゃれをして出かけたいときですね。パーティーだったりシックな装いのときに着けます。
クロノスペース・ブラックエディションに関してはちょっとスポーティーな雰囲気があるので、よりカジュアルなときとかスポーツをするときに着けているかな。
エマージェンシー2はパイロットウオッチとして非常に機能性に優れたウオッチなので実用性が高く、フェリーフライト、つまり航空機を運ぶときなんかは基本的にいつも着けています。
そしてエアレースではコルト スカイレーサー。9Gとか10Gがかかる中でも着けている感覚がないくらいの時計なので、重さの心配をしなくていいときにはぴったり。
改めて振り返ると、僕のライフスタイルに非常にマッチした4本ですね(笑)。