「自分が使っている時計は接客しやすい」岡山TOMIYAの名物スタッフに聞く時計の魅力
時計の名店を巡り、スタッフに好きな時計や地元に対する想いをざっくばらんに話してもらうインタビュー連載2回目。今回は日本有数の取り扱い規模を誇る岡山トミヤの中で、こだわりの機械式時計を揃えるメカミュージアムのセールスリーダー、河井卓也さんに取材した。時代に合わせて成長し続けるトミヤが、名店とされる理由をこのインタビューからひも解く。
時計は自分のモチベーションを最大に上げてくれるアイテム
「人と話すこと」が大好きで、それが時計業界に入ったきっかけだと笑う河井さん。人懐っこく快活な雰囲気に、自然と緊張が解かれる人も多いだろう。「人と接する職業ということに加え、ファッションや時計に興味があったんです」(河井さん)
時計は、勉強していくうちに好きになっていったという。それがいまでは、ジュネーブ屈指のハイブランドである「ロジェ・デュブイ」の持つ技術力を語りたくてたまらないほど、知識を成熟させている。「エクスカリバー ウラカンは、ロジェ・デュブイの技術力とデザインセンスが詰まった一本。メカミュージアムには、このような機械に興味を持った人が多く訪れるため、よく時計を知っておく必要があるんですよね。この時計はテンプが斜めに設置されており、着用時に美しく見えるようになっているのが特徴のひとつです」
エクスカリバー ウラカンを前に盛り上がる河井さんは、腕時計を「自分のモチベーションを最大まで引き上げてくれるアイテム」だという。決して安い買い物ではないからこそ、購入を決断した瞬間から奮い立つ自分を感じることができるのだろう。「いつもそばにあるものだからこそ、こだわりを持ってセレクトしたいですよね」
河井さん自身は、トミヤに勤めて最初の1本としてパネライ「ルミノール サブマーシブル」を選んだそう。「自分がブランドの担当だったことが大きな理由ですね。いまもシュノーケリングをするときには愛用しています。新しいモデルもカッコいいのですが、私のお気に入りは自分の愛機。ドットと針のバランスがいいんですよ」
そんな河井さんに、いま注目のモデルを聞いてみた。「難しいですね(笑)。ブライトリングはショップを代表するブランドのひとつなので外せません。いまだとクロノマット 44のビコロ復刻モデルが好評です。このモデルは防水性能も高く、5年保証で信頼性が高い。ブランドをよくご存知の方なら共感いただけると思いますが、コストパフォーマンスが高いんですよ。控え目にローズゴールドパーツを取り入れ、エレガントな雰囲気に仕上げられています」
「あとは個人的に狙っているのがクストス。このポルトフィーノは、スケルトンなのに防水性が100mもあるという、繊細なようでスポーティな設計が特徴。フランク ミュラー譲りのクストスが持つ高度な技術のなせる技ですね。また、絶妙な配色に加えてラバーストラップの交換が可能。こうしたバリエーションが楽しめるのと、まだ若いブランドなので周囲ともカブりにくいというところで、ファッションに精通した方にご提案したい一本です」
日々、語りどころの多い時計と、時計を熟知した人々に囲まれて過ごす河井さん。高級時計という商材を扱う緊張感を解きほぐすときは、果たしてあるのだろうか。「岡山市の人なら知らない人が居ないと思いますが、先輩が勤めていることもあって『餃子世界』にはよく行きます。でも、それも連れ立って行くのはメカミュージアムのメンバーであることが多いので、結局は時計と仕事の話が中心になってますね(笑)」
すべてはお客様の大切な時計選びをサポートするため。自分の得意とする「人と話すこと」を時計販売の現場で生かすべく必要な知識を身につけ、スタッフからも厚い信頼を得ている河井さんになら、一生モノの買い物を任せても安心。そんなスタッフを多く抱えるトミヤだからこそ、地元に愛され続け、日本有数の名店として知られる存在になったといえる。
<取材・撮影協力>
トミヤ メカミュージアム
TEL:086-226-1038
住所:岡山県岡山市北区表町2-1-39
営業:11:00~19:30
定休日:無休
https://www.tomiya.co.jp/
取扱ブランド:ブライトリング、クストス、ガランテ、IWC、モンブラン、パネライ、ゼニス、ロジェ・デュブイなど
<河合さんお気に入りの地元店>
餃子世界