「時計を着けると日々の世界も変わります」岡山TOMIYAの男性スタッフに聞く時計の魅力
時計の名店を巡り、店頭に立つスタッフに好きな時計や販売でのエピソードなどを語ってもらうインタビュー連載4回目は、正規時計店トミヤのクロノファクトリー表町に勤務する伊丹 涼さんへ取材。カジュアルウオッチから本格的な機械式時計まで扱う同店の魅力も聞きつつ、岡山だけはなく西日本の名店として長年支持されているトミヤの人気の理由について解き明かす。
時計には時刻表示のほかに、個性を主張する役割りもある
家族に時計販売をしている方がいるという環境から、学生時代から時計に興味を持ち、トミヤへ入社した伊丹さんは、自分の提案した時計が気に入ってもらえたときが、この仕事のもっともやりがいを感じる瞬間と話す。「カジュアルウオッチを集めたりしていたこともあるので、それらを数多く取り扱うクロノファクトリー店は私にぴったりな職場です」(伊丹さん)
それでも次第に時計の幅の広さを知っていくうえで、憧れの時計もできたと語る。「ブライトリングのこだわりにとても共感を持ちました。デザイン、質感、そして機能。いずれも高級時計の本質をついているものです。そこで、お客様と一緒にメーカー主催の展示会に行った際、以前から欲しいと思っていたナビタイマーの購入を決断しました」
「46mmのため存在感は大きいですが、シックなブラックダイアルでスーツにも合います。このナビタイマーを着けるようになってから接客に自信を持てるようになったといいますか、日常の風景も変わって見えるようになった印象です。モチベーションアイテムとしても機能してくれています!」
伊丹さんは自身の経験をもとに、時計の価値は時刻表示だけではないとも話す。「時計は着用している方の趣味が表れるものですし、個性も代弁してくれる存在だと思います。だからこそ、こだわっていただきたいです」
ここで伊丹さんがこだわりの強さを感じる時計を選んでもらった。「アクティブな方なら、エドックスのクロノオフショア1 クロノグラフ オートマティックはいかがでしょうか? 50気圧防水のためダイビングにも使えて、見た目通りにタフな作りが特徴です。スタンダードなブラックカラーの選択でも、個性を求めるお客様にはTOMIYA リミテッドエディションをご紹介しています。世界初のエドックス・ブティックを記念した、トミヤでしか売っていないスペシャルモデルで、インデックスの“1”と“8”の位置にダイヤモンドがセッティングされています。30本のみの生産なので大変希少です」
「もうひとつのエドックスは、腕元での存在感をアピールしたいお客様にご紹介しているフルホワイトモデルです。こちらも硬質なセラミックベゼルを搭載しています。傷がほとんどつかず、経年による変色もしにくい。ですから美しい白のまま、長くお使いいただくことが可能です。アウトドアがお好きな方にも打ってつけです!!」
「エドックスのセラミックベゼルの硬さを知っていただくため、ベゼルパーツを尖ったドライバーで傷付けてもらうデモンストレーション機を用意しております。これをご体感いただくと、どの方も皆さん驚かれますね。こういった機能解説ができるエドックスは、私自身が好きですし、接客しやすいブランドだと感じています」
カジュアルファッションに似合うダイバーズを紹介してもらったため、逆にビジネスに適する一本も挙げてもらった。「新作の中でもっとも注目しているのがBR05です。スクエアケースにラウンドフェイスという、ベル&ロスのオリジナリティを生かしつつ、スタイリッシュなデザインに仕上げられています。スタンダードなサイズのため、私のように細身の腕にもマッチしやすい。本気で購入を検討中です(笑)」
伊丹さんが勤務する表町のクロノファクトリーにはエドックスやベル&ロスといった機械式時計も多数ラインナップされており、カジュアルウオッチ目的で来店した人がこういった本格派を購入するケースも少なくない。初めての機械式時計はトミヤで、といった地元の人も多く、その信頼は揺るぎないものがある。「あるお客様の希望された時計がたまたま在庫切れだった際、私が紹介した別の時計をご購入いただいた経験がありました。とても気に入ってもらえて、自分のことのように嬉しかったのを覚えています。当店で初めて高額な時計を買われる方もいらっしゃいます。どのような方にも、後悔のないお買い物をしていただけるように心がけていきたいです」
どんな質問にも真摯に、そして元気よく答えてくれる伊丹さん。その活力のもとになっているものも聞いてみた。「午後の仕事に向かうためにランチはしっかりとるようにしています。ガッツリ食べたいときは宝福ラーメンに行きますね。昔ながらのラーメンも美味しいですが、唐揚げ定食がイチ押しです(笑)」
販売スタッフの中では若手という伊丹さんだが、すっかり“トミヤ・イズム”と呼ぶべき誠実さを備えている。これが老舗が持つ伝統で、脈々と引き継がれているもの。2020年に“米寿”を迎えるトミヤが、地元・岡山で愛されている理由はそこにある。
<取材・撮影協力>
トミヤ クロノファクトリー
Tel:086-223-1038
住所:岡山県岡山市北区表町2-2-61
営業:11:00~19:30
定休日:無休
https://www.tomiya.co.jp/
取扱ブランド:ボーム&メルシエ、ベル&ロス、ブローバ、カシオ、G-SHOCK、セイコー、エドックス、ハミルトン、ラドー、ノモス グラスヒュッテなど
<伊丹さんお気に入りの地元店>
宝福ラーメン
県庁通り駅から天満屋方面に歩いてすぐの場所にある、街中の中華料理店。朝9時から営業しており、地元民から長年親しまれている。