有名時計店のスタッフが「IWC」随一の手巻きクラシックウオッチを選んだ理由とは?

本格的な時計は高価なイメージが強く、興味はあっても購入に二の足を踏んでいる人もいることだろう。しかし、そんな時計を一生モノとして捉えた場合、“高過ぎる”とひと言で表現してしまうのは実に惜しい。本格時計こそ、壊れてしまっても修理すれば大半のケースで復旧するため、長く使うことができるし、愛着も湧くというものだ。そんな魅力を教えてくれるのが、時計店のスタッフたちである。今回は、広島市の繁華街に店を構えるトミヤ 広島店の店長・鳴戸さんに、自身の経験から知った時計の魅力について話しをうかがった。

IWCの所有者として、今後もその魅力を伝えていきたい

「30歳という年齢の節目に、初めて50万円以上の時計として購入したのがこのポートフィノ・ハンドワインド・エイトデイズでした。もともと作り込みにこだわりを持つIWCに興味があり、憧れでしたね。クラシックスタイル、45mmの大振りなサイズ、古典的な手巻きムーブメントなど、自分が求めていた条件を満たしている。それがこの時計を選んだ理由です」

鳴戸さんはそう語りながら、愛用するポートフィノを見せてくれた。勤務時のスーツにも似合うレザーストラップも決め手だったという。

「販売スタッフとして経験を積むなかで、時計知識が豊富になっていきました。そこでより深くその本質を知るためには、手巻き式とクラシックデザインが条件だったのです。ベゼルが薄いためダイアル面が広く、時刻の読み取りはもちろんのこと、パワーリザーブ表示の残り駆動時間も確認しやすい。意外だったのが、ボックス型のサファイアガラスのためにベゼルが傷つきにくいところ。使い込むことで気づきました。考え抜かれた設計の技のひとつですね」

IWC「ポートフィノ・ハンドワインド・エイトデイズ」Ref.IW510102 109万4500円/手巻き(自社製Cal.59210)、8日間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)。サントーニ製アリゲーターストラップ。直径45mm。3気圧防水

腕元に目を落としながら、ポートフィノを購入した経緯と魅力を説明してくれる鳴戸さん。自身が所有することで感じた優れた点について、店に訪れるIWCユーザーや時計愛好家との会話も楽しみとなっているという。そこで持ち上がる話題が、次にターゲットとしているモデルについて。

「IWCを使っていると、お客様への時計の説明にも説得力が増す印象です。それはIWCが、時計をご存知の方々の間で本格ブランドと認められているからだと思います。いちユーザーとして実際にとても満足しています。
ですから、次に欲しいと思う時計も必然とIWCになります(笑) ポートフィノがドレス系ウオッチなので、次はダイバーズのアクアタイマーのクロノグラフが気になっているところです」

 

正反対のスポーツウオッチにもIWCの製品哲学が生かされている

ポートフィノと比べると、機能もデザインも異なるアクアタイマー・クロノグラフ。だが、IWCの特徴である質実剛健さがこのモデルにもしっかり反映されていると、鳴戸さんは語る。

「たとえばこのストラップを見てください。IWC特許のクイック交換システムが使われていることで、容易にラバーストラップを取り外しできます。別売りでブレスレットも用意されており、その日のファッションや気分に合わせてバンドを選択することも提案できます。1本で2本ぶんの活躍が期待できるこのアクアタイマーなら、オン・オフ問わずに着用できますね」

IWC「アクアタイマー・クロノグラフ “エクスペディション・ジャック=イヴ・クストー”」Ref.IW376805 81万9500円/自動巻き。ステンレススチールケース。ラバーストラップ。直径44mm。30気圧防水

その他、セーフダイブ・システム付きの機械式回転式アウター/インナーベゼルがシリーズを通して搭載されており、写真のクストーモデルには特別にエングレービングを施した裏蓋がセットされている。あくまでも実用性を追求するIWCらしいディテールが、アクアタイマーにもポートフィノにも如実に現れている。そこが時計コレクターにIWCファンが多い理由でもある。

「私共の店舗では、IWCのような本格派を中心に、初めて機械式時計をご購入される方にもご紹介できるエントリーモデル、さらにはウブロのようにアーティスティックなコレクションも取り揃えております。時計に限らずですが、人生の節目や記念日は、末永くお使いいただく製品を選ぶ絶好の機会となりますし、その想い出はきっと深いものとなります。良い時計をお探しの方はもちろん、時計好きの方はぜひ一度お立ち寄りいただきたいと思います」

高額な時計だからこそ購入の失敗は許されないし、実際に使っている人の本音も聞きたくなる。トミヤの店頭に立つスタッフは、自腹で時計を買っている“根っからの時計好き”が多いと聞くので、相談もしやすいだろう。
そんな彼らの接客スタイルは、まずは時計の魅力を知ってもらいたいが前提。セールストークというよりも、ユーザー目線からの談笑といった印象である。だから店の扉を開けるのに何も気構える必要はない。

 

<取材・撮影協力>
トミヤ 広島店

TEL:082-236-6690
住所:広島県広島市中区袋町1-15-1
営業:11:00~18:00(※時短営業中)
定休日:水曜
https://www.tomiya.co.jp/

取扱ブランド:ブライトリング、IWC、ウブロ、シャネル、ロジェ・デュブイ、エドックス、ベル&ロス、ボーム&メルシエなど