時計愛好家が認めるスイスウオッチブランド「IWC」の〝精緻な技〟を実際にショップで見た
歯車やゼンマイなど、機械式時計は細かいパーツから構成されており、複雑なクロノグラフとなると部品点数は300を超える個体もある。時計職人がこれらを組み立てるわけだが、本場スイスの「IWC(アイ・ダブリュー・シー)」はこの作業を自社でまかなえる数少ないブランドだ。そんなIWCについてトミヤ 広島店のスタッフ、早川さんに魅力と注目時計を尋ねた。
安心感のあるロングセラーモデルが自社製ムーブメントにアップデート
屈指の技術力を持つIWCが、ついにポルトギーゼ・クロノグラフのマニュファクチュールキャリバー化に踏み切った。早川さんもこのモデルを高く評価している。
「歴史あるポルトギーゼを代表するのが、間違いなくこのクロノグラフです。正面からでは先代との違いが識別しにくいですが、逆に大きく変わっていないということが優れたデザインを裏付けています。職種に関わらず着用しやすいですし、もちろんカジュアルな装いにも似合います。しかも見た目もサイズも年齢を問わないものですので、“一生モノ”にもふさわしい逸品ですね」
そう言って早川さんがショーケースから新型ポルトギーゼ・クロノグラフを取り出し、先代から大きく進化した箇所を説明してくれた。裏側とバックルである。
「仕上げも美しい自社製ムーブメントの搭載によって、サファイアガラスのケースバックへと変更されました。精緻なメカニズムやテンプが駆動している姿など、機械式時計の醍醐味を目で楽しむことができます。そしてもうひとつ大きく進化した点があります。それがバックルで、以前は片側開きだったものが観音開きタイプになりました。これによって着脱がしやすくなり、誤って腕から時計を落としてしまう事故を予防しやすくなり、レザーストラップの消耗を抑えることにも繋がります」
ブラックでも素材の選定や質感の高さでIWCは群を抜いている
アパレル職の経歴がある早川さんだけに、トータルスタイリングの視点も踏まえてクラシカルなポルトギーゼを代表例に挙げてくれた。しかしIWCには、対極ともいえるハイテクモデルにも“精緻な技”が生かされていると話す。
「トップガンモデルは傷に強く、耐アレルギーで肌への負担も少ないセラミックのケースが使われています。この先進的な素材によって時計デザインの幅は広がり、スポーティながらにフォーマルにも似合うブラックを可能にしました。とくにこのクロノグラフはスモールセコンドの赤針がオシャレですよね」
伝統的な航空時計のパイロット・ウォッチをベースに、モダンに一新させるテクニックもIWCならでは。関連はないものの今年は同名の傑作映画の続編も公開予定なので、トップガンに注目が集まりそうだ!!
「IWCのブラックにはこだわりを感じます。このトップガンモデルひとつとっても、セラミックの表面をマット調にすることで落ち着いた印象を与え、チタン製のボタンとリューズ、裏蓋、バックルも光の反射を抑えるサテン仕上げにすることで、大人のクロノグラフといったデザインに仕立てています。カジュアルになりがちな布製ストラップもシックで上質なため、スーツとの相性もすごくいいです」
「紹介した2本のIWCは、実はどちらも同じムーブメント(Cal.69000シリーズ)をベースとしているのでスペックは同一。ですがこんなにも外観に差があります。ポルトギーゼは美しさを際立たせる技を効かせたドレスウオッチ、一方のトップガンは硬質なセラミックケースに耐磁性軟鉄製インナーケースを備えた最先端の技を用いたスポーツウオッチです。どちらもIWCの芸の細かさを象徴するクロノグラフといえるでしょう」
IWCが誇る“精緻な技”については、インターネットや雑誌を通してではまだまだ伝えきれない部分がある。ぜひともトミヤ 広島店に足を運び、店頭で実機に触れて魅力を感じ取っていただきたい。
<取材・撮影協力>
トミヤ 広島店
TEL:082-236-6690
住所:広島県広島市中区袋町1-15-1
営業:11:00~18:30(※時短営業中)
定休日:水曜
https://www.tomiya.co.jp/
取扱ブランド:ブライトリング、IWC、ウブロ、シャネル、ロジェ・デュブイ、エドックス、ベル&ロス、ボーム&メルシエなど