MY TIME〜私の時間術〜 Vol.14 こんなに合コンを主宰するなら、これを事業にしてしまおうと思った――杉本香織(10th storyオーナー/合コンマスター)

時間は誰にでも平等。だからこそ1日24時間、その限られた時間をどう使うかが「人生を楽しむ」ための鍵となります。様々な業界で活躍する人物から「時間術」を聞く本連載。第14回は飲食店「10th story」のオーナーであり、合コンマスターの杉本香織さんにお話を聞きました。

撮影/高橋敬大 文/赤坂匡介

 

高校生のときから、将来の人脈づくりのために合コン生活をスタートし、現在までに1500回以上の合コンを経験してきた杉本香織さん。現在は飲食店「10th story」のオーナーとして、多忙な日々を送っています。

そんな杉本さんに、日々どんな時間の使い方をしているのか聞いてみると、そこには「Apple WatchでこっそりLINEを確認する」という杉本流の仕事術がありました。

――飲食店の経営者であり、“合コンマスター”でもあるとのことですが、そもそも「合コンマスター」とは何ですか?

日本合コン協会という一般社団法人があるんですが、その協会の講座を受講することで得られる資格のことです。ちなみに、合コンマスターには使命があります。それは「未婚化・少子化問題の改善」「飲食業界の活性化」「合コン文化のグローバル化」の3つです。

合コンマスターが在籍する飲食店は「合コンマスターがいるお店」として、認定証書とステッカーをもらうことができます。もちろん「10th story」の店内にも掲示してありますよ。

――杉本さんにとって合コンとは?

昔は人脈づくりのためでしたが、いまは完全にビジネスですね。

高校生のときから、合コンをするようになりました。その頃は、多くの人に出会うことで、未来が拓けるような気がしていたんです。それは大学生、社会人になってからも続きました。とはいえ当時は、あくまで合コンは趣味としか考えていませんでした。

大学卒業後、ABC cooking studioに就職し、料理教室の講師を経て、数年後に独立しました。当時は料理教室を終えると、夜に無償で合コンの幹事をする。そんな生活を送っていました。

ですが、料理教室は採算が取れないんです。どうしようかと考えていたときに、「どうせこんなに飲み会を主宰するなら事業にしてしまおう」と思い付きました。

現在は合コンの依頼があると、自分の店「10th story」でセッティングしています。だから合コンはいまや、私にとってビジネスという感覚なんです。

――合コンと料理、自分が好きなもの2つを上手く事業に落とし込んだわけですね。

そうです。「合コン」と聞くと、恋人探しのイメージが強いのですが、私の主宰している合コンはビジネスマッチング的な側面もあるんです。これまでも、合コンで出会ってビジネスパートナーに発展したケースが多くあります。

個人的には、既婚者の方の参加もOKです。飲んでリフレッシュして、「やっぱり自分の奥さんいいな」と再確認してもらう機会になってくれたらと思います。もちろん、一線を超えては駄目です(笑)。

成人式のお祝いにもらったロレックスは、いまもお気に入り

――今日はロレックスの腕時計とAppleWatchをお持ちいただきました。

ロレックスのデイトジャストは、成人のお祝いで親からプレゼントしてもらったもので、いまでもお気に入りの1本です。私は親が医者だったこともあり、すごく恵まれた環境で育ったんです。こう言っては何ですが、欲しいものはだいたい買ってもらえました(苦笑)。

しかし経営者になってからは、意識を変えました。最近は自転車通勤しているのですが、それも健康のためではなく、“自分の甘さ”を自分がいちばんよく知っているからです。飲食店は、地道な努力の積み重ねですから、少しでも節約できるところは節約したいと考えています。

そんな私が生まれて初めて自分で買った時計がApple Watchです。仕事のときは必ず着けていますね。すごく便利です。

↑成人のお祝いに親からもらったという「ロレックス デイトジャスト」(左)。仕事中はいつも着けている「AppleWatch」(右)

――Apple Watchのどんな点が便利だと感じますか?

たとえば接客中にLINEが来たとして、スマホを見るのは抵抗があるじゃないですか。やっぱり失礼ですし。

そんなときApple Watchなら、スマホを見ずとも、こっそりLINEを読むことができるんです(笑)。もしかするとLINEの相手はお客様かもしれませんし、急用かもしれません。Apple Watchなら失礼にあたらず、内容が確認できるので、とても助かっていますね。

ですが、楽しい席で時計ばかり見ている人がいたら、気分が悪いですよね。だから腕の内側に着けて、周囲にバレないように確認しています(笑)。

――今後の目標は何ですか?

合コンを通じて、出会いの場を提供することで、「何かをやりたい」と考えている人たちの応援や手助けができたらいいなと思っています。

ただ、私はこれまでたくさんの人に会ってきて、「知り合いは多ければいいわけでもない」ことを知っています。

自分が信頼できる人と深い付き合いをして、仕事をする。それがいちばん大切なことだと感じています。私が主宰する合コンでそんな出会いが生まれたら、こんなにうれしいことはないですね。

杉本香織(すぎもと・かおり)

10th storyオーナー/合コンマスター(一般社団法人日本合コン協会会員)

1985年生まれ、新宿育ち。大学卒業後、ABC cooking studioに就職し、料理教室講師・法人営業部で活躍。その後独立し、目黒に「10th story」をオープン。隠れ家BBQが人気となり、2012年夏にぐるなびで目黒の検索ランキング1位を獲得。現在は渋谷と西麻布に店舗を構えている。また、高校生から将来の人脈づくりを目的に合コン生活をスタート。現在は、1500回以上の自身の合コン経験を活かして合コンマスターの資格を取得。年間150回以上の合コンを主宰し、合コンにより飲食業界全体を盛り上げようと奮闘中。