時計のコンシェルジュがリストアップ!! コストパフォーマンス抜群の腕時計 vol.2 ――タグ・ホイヤー編

最近、「サスティナブル」という言葉をよく耳にする。“持続可能な”という意味で、とくに自然環境に配慮した事業やモノに対して使われている。そういった面で機械式時計は最高にサスティナブルなプロダクトといえるだろう。この記事では、数多くのブランドウオッチを取り扱うoomiya 京都店で、スタッフの苗村さんに末永く使える腕時計を紹介してもらった。

<oomiya 京都店>苗村 元さん

「自分にとってルミノールは、最良なコストパフォーマンスモデルです」

取材の日、ネイビーのスーツをスマートに着こなしていた苗村さんの腕には、スーツに負けない存在感を放つパネライがあった。聞いたところ、この京都店で購入したものだという。

「このルミノールはoomiyaに入社する以前、この店で買ったものです。当時、友人がIWCを見たいということで来店し、私は購入するつもりがなかったもののこの時計にひと目惚れ。その日に決断しましたね(笑)」

まさかの高額な買い物になったが、ルミノールとの出会いによって苗村さんは時計に対する印象がガラリと変わったそうだ。

「それまで使ってきた時計とはまったくの別モノという感想を持ちましたね。もちろん高級感は格別ですが、末長く使える安心感も気に入っています。接客してくれたスタッフがチタン製のメリットに加えて、耐用年数の長いブレスレットを薦めてくれました。生涯の愛機とする予定なので、結果的にはコストパフォーマンスの良い買い物だったと思います」

パネライ「ルミノール 1950 3デイズ オートマティック チタニオ-44mm」Ref.PAM00352 生産終了済み

 

「ブレスレットに見られる美しいディテールにこだわりを感じる」

では、いま薦めたいハイコストパフォーマンスモデルはどれだろう?

「オータヴィア ホイヤー02 クロノグラフを挙げます。歴史あるタグ・ホイヤーでも最も古いコレクションを復刻したモデルで、美しいデザインも魅力です。注目していただきたいのがブレスレットのクオリティ!! 細かいパーツから構成されており、それが腕への滑らかなフィット感を生みます。ぜひ、店頭でご試着いただきたい一本ですね」

3カウンターを横に配列した文字盤、ソリッドなステンレススチールケース、アルミニウムベゼル、そして7連のブレスレットといったレトロなスタイルは、最新の技術で甦った最良の設計。それは搭載ムーブメントにもいえる。

「キャリバー ホイヤー02には、コラムホイールと垂直クラッチといった高性能パーツが使われていて、約80時間のパワーリザーブも備えています。実用的なスペックを持ち、しかも自社製ムーブメントの時計は高額になりやすいのですが、このオータヴィアはファーストウオッチとしてもターゲットにしていただきやすい価格を実現しています」

タグ・ホイヤー「オータヴィア ホイヤー02 クロノグラフ」Ref.CBE2110.BA0687 63万8000円/自動巻き(自社製Cal.ホイヤー02)、毎時2万8800振動、約80時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)&ブレスレット。直径42mm。100m防水

 

「最高峰の機能と素材を現実的な価格にまとめたクロノグラフ」

そしてもう一本、同じくタグ・ホイヤーから選んでくれたのが同社きってのハイエンドモデルだ。

「耐久性の高いチタンとカーボンのパーツを組み合わせたユニークなケースに、先程紹介したキャリバー ホイヤー02のトゥールビヨン仕様を搭載しています。こちらも手に取って近くでご覧いただきたいのですが、とくにベゼルやラグに使われているカーボンの模様が個性を主張します。また、未来的なスケルトンダイアルを採用しており、オータヴィアとは打って変わったモダンさが魅力です」

「このカレラ トゥールビヨンシリーズの誕生によって、これまで超高額モデルだけの特権機能だったトゥールビヨンが、200万円前後からお求めできるようになりました。しかも伝統も人気もあるタグ・ホイヤーが実現したことは、時計界に良い影響を与え、トゥールビヨンに興味を持たれる方も増えています。機械式時計の奥深さを知っていただくうえでも、今回のテーマの候補に入れたいモデルです」

タグ・ホイヤー「カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン カーボン&チタニウム」Ref.CAR5A8W.FT6071 211万2000円/自動巻き(自社製Cal.ホイヤー02T COSC)、毎時2万8800振動、約65時間パワーリザーブ。チタン(ブラックPVD加工)+カーボンケース(シースルーバック)。ラバーストラップ。直径45mm。100m防水

「oomiyaでは、タグ・ホイヤーやパネライといったライフスタイルに寄り添うラグジュアリーウオッチを豊富に扱っております。これらは定期的なメンテナンスと修理を受けていただくことで、“一生モノ”にもなる機械式時計です。そのような大切な逸品を、お客様のご希望に合わせて提案いたします」

大量消費が通例になった社会に疑問を呈するように、サスティナブルな発想が盛んになっている。生涯にわたって使える道具が少なくなっているからこそ、機械式時計が再び注目を集めており、コストパフォーマンスの良い製品が選ばれている。苗村さんがリストアップしてくれた2本は、その指標となる存在といえる。

 

<取材・撮影協力>

oomiya 京都店
TEL:075-229-6689
住所:京都府京都市中京区七観音町623
営業:11:00~19:00(※時短営業中)
定休日:水曜

※取り扱いブランドは、オフィシャルサイト(https://www.jw-oomiya.co.jp/)に掲載。