有名時計店のスタッフが愛用するIWCやブライトリングに込めた想い。そこに機械式時計の魅力があった
全国津々浦々に時計店は存在しており、国産から舶来製まであらゆる時計の魅力を発信している。本サイトでは、国内でも有数のショップを取材し、流行ウオッチや話題の新作、ときには自慢の逸品について“現場の声”を届けている。今回は岡山市民なら誰もが知っている老舗のトミヤで、本格派の機械式時計を中心に扱うメカミュージアムのセールス リーダー、春名さんに愛用時計について語ってもらった。
<トミヤ メカミュージアム>春名さん
「時計は購入した当時の想い出や自分を奮い立たせてくれる存在」
取材当日、春名さんはポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフを着用していた。まずはこのIWCを購入した経緯について尋ねた。
「第一子が生まれたときに購入したものです。トミヤのスタッフにはIWCユーザーが多いこともあり、その魅力や信頼性は前もって聞いていたので憧れのブランドのひとつでしたね」
特別な記念となる年に手に入れたIWC。その想い入れは強い。
「大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、時刻を確認しようと腕元に目を落とす度に家族の顔が浮かんで、このあとの時間も仕事を頑張ろうという気持ちになれます。だから仕事中はほぼポルトギーゼを着けており、もう身体の一部みたいなものですね(笑)。タイムレスでシックなシリーズですが、この時計はクロノグラフ秒針の赤がアクセントになっていて、スポーティなラバーストラップとの組み合わせも絶妙です。そんな遊び心あるデザインが気に入っています」
「次に買う機械式時計は、妻も着用できるモデルを選びたい」
「今日は着けていませんが、もう一本愛用しているのがクロノマット 44のブルーローマンダイアルです。トミヤ入社後すぐに買った時計で、“この仕事を頑張っていこう!”という決意を込めました。防水性能もしっかりしていてアクティブに使えるため、主に休日に着けています。IWCとはデザインも機能も異なるので、使い分けを楽しんでいます」
IWCとブライトリングのクロノグラフをオンとオフで“担当分け”をしている春名さんだが、多くの時計に触れるなかで最近魅力に感じている時計もあるそうだ。
「以前からパネライに興味があり、いつかは手に入れたいと思っています。しかしその反面、ポルトギーゼもクロノマットもサイズが大きいため、次はスマートな時計の方が使い分けしやすく、現実的な選択かなと考えていました。何しろパネライも2本に引けを取らないくらい大型ですからね。ですが、近年はパネライも小振りなモデルをリリースしており、興味を惹かれているところです」
パネライの選択の理由にはシェアウオッチの発想もあるようで、スリムで美しい一本を購入候補として挙げてくれた。
「ルミノール ドゥエはパネライのなかでもっとも薄いコレクションで、デカ厚ブームを牽引してきた同社が新たなファン層の獲得を目指して発表した新時代のモデルです。ピュアで優しい印象のホワイトダイアルは、女性の着用も想定しているもの。男性的な王道のデザインが多いブランドなので、ある意味で“攻めたデザイン”といえます。これならば妻と共用できると思い、いま一番欲しい時計となっています」
取材の最後に、時計に込めた想いを語ってもらった。
「機械式時計は“一生モノ”とよくいわれますが、大切に扱い、定期的にメンテナンスすることで本当に使い続けることができます。いつかこのポルトギーゼを子供に継がせ、自分と同じ年月を刻んできた時計として使ってもらいたい。そういった想いも込めて購入しました。お客様も記念日や特別な年に時計をご購入される方が多く、私と同じように受け継がれる宝物とされる方もいらっしゃいます。そういった方々にとっての最高の時計との出会いを、これからもお手伝いしていきたいです」
本格時計はそのステータス性が注目されがちだが、その一方で末永く愛用できるメリットもある。想いをのせたタイムピースが、世代を越えてストーリーを紡ぐ。そんな逸品に巡り会える場として、時計店に足を運んでみてはいかがだろう。
<取材・撮影協力>
トミヤ メカミュージアム
取り扱いブランド:ブライトリング、クストス、IWC、モンブラン、パネライ、ゼニス、ロジェ・デュブイなど