有名時計ショップの店長がイメージする定番ウオッチとは!? パネライのダイバーズとゼニスのクロノグラフを語る
“定番”。それは流行に左右されずに安定した人気を誇ることを意味する。腕時計においても絶大な支持を得ており、とりわけトップブランドのそれとなると、世代を超えて意匠や機能が継続され、ロングセラー化している例が散見される。今回は時計界の“定番”が持つ魅力について、トミヤ メカミュージアムの店長・木村さんに語ってもらった。
<トミヤ メカミュージアム>木村さん
「安心感のある定番にも個性を放つ、またとない逸品があります」
西日本を代表する正規時計店のトミヤグループでも、メカミュージアム店は20代後半から40代の男性に厚く支持される、こだわりのタイムピースを揃えている。木村さんはその豪華なラインアップの中でも、定番としてパネライのルミノール マリーナ 44mmを挙げた。
「ひと目でパネライとわかる伝統的なスタイルと、ダイバーズウオッチの先駆者という価値からこの時計を選びました。なにより、パネライの不動の人気ナンバーワンモデルです。機能においても30気圧防水や3日間のロングパワーリザーブを備えるなど、実用性は申し分ありません」
2020年、このモデルはマイナーチェンジされた。
「大きな仕様変更が夜光です。これまでヴィンテージウオッチのようなアンバーカラーだったのに対して、新型はパネライらしいグリーンへと戻りました。定番感があり、個人的にはこちらの方が好きですね。強く光るスーパールミノバを塗布した下層と、ユニークなアラビア数字とバーを組み合わせたインデックスの部分をくり抜いた上層より構成されるサンドイッチダイアルは、パネライがルーツの特殊機能です。暗い水中でも視認性を失わないことを追求した結果、唯一無二のデザインが生まれました」
「深い信頼を築いてきたからこそ、定番機の別注バージョンが実現しました」
ダイバーズの大定番を選んでもらったため、次は人気を二分するクロノグラフのジャンルから注目の一本を教えてもらった。
「クロノグラフですと、やはりゼニスのエル・プリメロムーブメントは外せない存在です。1969年に開発され、一時は製造技術が失われてしまうような歴史をたどりながらも現存する、2o世紀を代表するキャリバーといえます。最高峰の毎秒10振動で正確な計時を行う機能は同業他社にも高く評価され、名だたるブランドにも供給されていました。この超定番ムーブメントを搭載しているのがクロノマスター エル・プリメロ オープンで、ゼニスの“顔”といえるコレクションとなっています」
文字盤の8時から12時位置にかけて開かれた窓より、忙しなく動くエル・プリメロの調速機構などを眺められる定番時計には、とっておきの一本があるのだとか。
「2020年、トミヤはゼニスとの信頼関係もあって特別なコラボレーションウオッチの製作が実現しました。定番のクロノマスター エル・プリメロ オープンをベースに、文字盤をレギュラーモデルとは異なる単色(グレーまたはブルー)に仕上げています。もちろんエル・プリメロの“鼓動”をシースルーバックからだけではなく、表からでも楽しめるデザインはそのままです。堅実ながら個性の光るモデルをお探し中の方に、ぜひともご提案したいです」
「グレーとブルーの2色で展開するクロノマスター エル・プリメロ オープン TOMIYA Editionは、25本ずつ生産される希少な限定モデルとなっています。デザインは代表取締役社長から販売スタッフまで、トミヤ全体の声を反映したものです。そのうえでスイスにあるゼニス本社と協議を重ね、ついに完成へと至りました。コアなファンの方にもきっと喜んでいただける、ほかにないクロノマスターになっています」
こうしたショップ発信のオーダーモデルは、メーカーからの信頼の厚さを裏付ける製品と言っても過言ではない。しかも売れ筋の定番を使ってとなると、デザインに対するゼニス側のこだわりもあるだろう。であるからして、多大な労力と時間を要するコラボレーションウオッチの製作は避けられる傾向にあるが、これを具現化したトミヤには賛辞を贈りたい。
トミヤ全店でクリスマスフェアを開催《2020年11月21日~12月25日まで》トミヤ タイムアートを含むトミヤ全店では、毎年恒例のクリスマス フェアを実施。年末らしい雰囲気たっぷりの店内装飾のほか、2020年新作から定番人気モデルまでの店頭在庫の強化、期間限定の特典も用意している。詳しくはトミヤ各店まで問い合わせいただきたい。 |
<取材・撮影協力>
トミヤ メカミュージアム
取り扱いブランド:パネライ、ゼニス、ブライトリング、クストス、IWC、モンブラン、ロジェ・デュブイなど
※接客時、スタッフは感染症予防のためマスクを着用しています。