【ブライトリング】【フランク ミュラー】【ブレゲ】など一流ブランドを揃える老舗時計店のスタッフが考える失敗のないウオッチの買い方

岡山を拠点に、倉敷や広島など西日本の複数エリアに正規時計店を展開している「トミヤ」は、生涯にわたって使えるような本格時計を数多く取り揃えている。同店のスタッフである河井さんは、20代後半〜40代の男性に向けたライフスタイルアイテムを扱う「トミヤ メカミュージアム」のセールスリーダーとして活躍中だ。今回、あらゆる時計に精通する彼に正しい“ステップアップ時計”(=順を追って時計を購入するスマートな買い方)について質問を投げかけてみた。そこで回答に挙がった3つのタイムピースについて解説する。

<トミヤ メカミュージアム>セールスリーダー 河井さん

「ライフステージにあった時計こそ、最高のパートナーになります」

本格的な時計を初めて購入しようと計画している人から、トミヤに初めて訪れる人、時計を趣味としている造詣が深い人まで、河井さんはトミヤ随一の時計知識と真摯な接客で日々応対されている。その丁寧さの原点には人と話すことが好きという姿勢があるようで、同時に時計やファッションといったライフスタイルを豊かにするアイテムに興味があり、流行は常にチェックしているようだ。

「時計は時間を確認する道具である他方、人生に楽しみを与えてくれる存在でもあります。それゆえ、時計はしばしば“パートナー”と表現されることがあります。そして経験や年齢を重ねていく過程で最適な時計をお選びいただくことも、幸せやモチベーションを得られる大きなきっかけとなります。例えばお仕事のステップアップに合わせて、時計のランクを徐々に上げていく方法もあります。これによって時計の魅力をよりご堪能いただけるのではないでしょうか」

―― 順序を経ることで時計への理解が深まり、ぴったりな一本を選ぶ力もつきそうです。では、河井さんがイメージされるファーストウオッチはどんな時計でしょうか?

「ブライトリングが真っ先に思い浮かびました。航空時計作りで発展してきたブランドですから、ラインナップを通して信頼性や実用性は申し分ありません。正規店でご購入された方にはメンテナンスの優待価格が用意されているなど、アフターサービスの体制も充実しています。そのため初めての機械式時計としてご案内しやすいブランドといえます。とりわけプレミエは、1940年代にブライトリングが製作したエレガントな時計をモダンに再解釈した美しいコレクションです。都会的なスタイルのためスーツとも相性が良く、オンオフ問わずに着用できる汎用性も魅力となっています」

―― 万能さが求められる初めての機械式時計として、プレミエはその候補にぴったりといえそうです。

「プレミエのオリジナルモデルは、第二次世界大戦下の鬱屈した世の中で、人々が求めていた華やさや優雅さを表現した時計でした。そうしたルーツを反映した現行の3針モデルは、40mm径の扱いやすいサイズやスモールセコンド式のクラシックデザインがポイントです。見た目はヴィンテージ風であるものの、風防は両面無反射コーティングを施したドーム形状のサファイアクリスタル製であることや、日常使用に不自由ない100m防水であること、フィット感も剛性も高い7連メタルブレスレットの優秀さなど、長期使えそうな実用派としてご案内できます。このクオリティでアンダー60万円という設定も実に魅力的です」

ブライトリング「プレミエ オートマチック 40」Ref.A37340351B1A1 55万円/自動巻き(Cal.ブライトリング37)。毎時2万8800振動。約38時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。直径40mm(厚さ11.3mm)。10気圧防水

 

「ダイナミックな曲線美で魅せる、天才時計師の代表作」

―― 次のステージに相応しいセカンドモデルについて、どういった時計がイメージされますか?

「より深く、時計の魅力を知っていただけるようなモデルをご紹介したいです。一本目とはコンセプトが異なる時計をお選びいただくことで、コレクションの幅を広げることにも繋がります」

―― プレミエはオーソドックスな万能ウオッチという印象です。そこからステップアップするとしたら?

「ウオッチメイキングの神髄や創造性を感じさせるブランドとして、フランク ミュラーはいかがでしょうか。天才時計師と呼ばれるフランク・ミュラー氏のこだわりが投影されたトノウ カーベックスは、アーティスティックなタイムピースのシンボルといえます。極めてコレクション性の高いモデルです」

―― その見どころは?

「やはり3次元フォルムの曲線美に集約されます。絶妙なカーブを描いたケースは美しさを追求している一方で、手首に沿うように巧みに計算された設計が採られています。初めて見たとき、初めて試着した際に、ひと目惚れされるお客様が多数いらっしゃるのも納得できることでしょう。直近では、華やかなイメージのビザン数字インデックスとビッグデイト表示、さらにスモールセコンドをバランスよくレイアウトしたトノウ カーベックス グランギシェが好評です」

フランク ミュラー「トノウ カーベックス グランギシェ」各170万5000円/自動巻き。ステンレススチールケース。クロコダイルストラップ。縦45×横30mm。日常生活防水

 

「簡潔なデザインに秘められた格式高き名門の技術」

―― フランク ミュラーのようなユニークな時計を愛でることで、時計の奥深さを学ぶことができそうですね。その後、さらなるステップアップとなると、どんなブランドがターゲットになりますか?

「時計をよくご存じのお客様が最終的に所有したいと仰られるのが、いわゆる“雲上ブランド”です。パテック フィリップに代表されるハイブランドには、絶対的なステータス性という特別な魅力があります。“時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ”と称えられている19世紀に活躍したアブラアン-ルイ・ブレゲを始祖とする、ブレゲもそのような最高峰ブランドのひとつに数えられます。複雑なトゥールビヨンやミニッツリピーターを発明したのがブレゲだったことだけでも、名門中の名門であることを証明しています」

18Kホワイトゴールドケースのギヨシェダイアルモデル / Ref.7147BB/29/9WU 256万3000円

 

―― そんなブレゲから一本を選ぶとしたら、どのモデルを“ステップアップ時計”に挙げますか?

「ルイ16世やナポレオン・ボナパルトがブレゲの時計を愛用していた時代の息吹を感じさせる、もっともシンプルな部類のクラシックを推したいです。クラシック Ref.7147は、側面に精美なコインエッジ装飾を施したラウンドケースであるほか、懐中時計から腕時計への過渡期に見られるラグの形状の再現、クラシカルな書体の数字インデックス、焼き入れたブルースチール針など、どれも一流の時計職人が手掛けた至高の逸品となっています。また、脱進機やヒゲゼンマイにシリコン素材を使っているなど、自社キャリバーに現代のスペックを与えている点も見逃せません。伝統を重んじつつ最新技術が投入された、“ステップアップ時計”のゴールに相応しい一本といえます」

ブレゲ「クラシック」Ref.7147BR/29/9WU 250万8000円/自動巻き(自社製Cal.502.3SD)。毎時2万1600振動。45時間パワーリザーブ。18Kローズゴールドケース(シースルーバック)。アリゲーターストラップ。直径40mm(厚さ6.47mm)。3気圧防水

 

「憧れの時計は仕事を頑張るための原動力になり、“ステップアップ時計”はご自身の成長を実感できる良きパートナーになるはずです。トミヤはお客様の多様なニーズにお応えできるよう、あらゆるブランドの時計を揃え、万全のアフターサービスもご用意しております。新規ブランドの積極的な取り扱いのほか、毎年7月に開催する創業祭などのイベントもございます。ご満足いただける時計とのめぐり合わせをお手伝いいたしますので、どうぞお気軽にご利用ください」

 

<取材・撮影協力>
トミヤ メカミュージアム

TEL:086-226-1038
住所:岡山県岡山市北区表町2-1-39
営業:11:00~19:30
定休日:無休
https://www.tomiya.co.jp/

取り扱いブランド:パネライ、ゼニス、ブライトリング、クストス、IWC、モンブラン、ロジェ・デュブイなど。フランク ミュラーはフランク ミュラー by TOMIYAとトミヤ 倉敷店にて、ブレゲはトミヤ ユーロサロンにて取り扱い。

 

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、休業日や営業時間の変更、一時休業などを行っている可能性があります。

※スタッフは接客時、感染症予防のためマスクを着用しています。

 

Text/WATCHNAVI編集部