ブルガリ・グループCEOのババン氏に直撃! ブルガリが世界最薄ウオッチを立て続けに開発し続ける理由とは?
数年のうちに数々の薄型ウオッチで世界記録を樹立し、2017年のジュネーブウオッチグランプリでは2冠に輝くなど、快進撃を続けるブルガリ。この勢いを生み出した立役者といえば、2013年にブルガリのCEOに就任したジャン-クリストフ・ババン氏でしょう。2017年11月末に行われたブルガリ主催の「アウローラ アワード」授賞式と、12月25日まで六本木ヒルズで行われている「セルペンティ フォーム」の開幕に合わせて来日したババン氏に、時計ブランドとしてのブルガリの展望を聞きました。
ブルガリの芸術性をもって日本の女性に最大限の敬意を払う
−−まずは、今回の来日目的である「アウローラ アワード」と「セルペンティ フォーム」展について、同時開催にした理由を聞かせてください。
−−アウローラアワードは今回で2度目ですが、どのような経緯でこのアワードを設立されたのですか。
ブルガリはいつの時代にもジュエリーを通じて女性を讃えてきました。そうした背景から、世界各国でそれぞれの地域に合わせたイベントを行っています。
そのなかでも日本に関しては、ブルガリにとって非常に特別な国です。グローバル展開でいち早く足場を固められた国でもありますし、私たちの価値や哲学を深く理解していただいているお客様やメディア関係者も多い。
すでにブルガリの製品に対する知識が成熟しているから日本では、このように大勢の方々が関わって盛り上がるイベントが相応しいと考えてアウローラ アワードを設立したのです。
アウローラアワードは、まさにジュエリーのような輝きを持った女性を讃えるためのアワードであると同時に、これまでブルガリを支えてきていただいた女性への敬意を表するものでもあります。そういう点では、チャリティの一環ということもできるでしょう。
時計開発では権威あるGPHGに「美意識」という新風を吹き込んだ
−−そして、ジュネーブウオッチグランプリでの2冠達成、おめでとうございます。いまの率直なご感想をお聞かせください。
ありがとうございます。
オクトというコレクションだけで「トゥールビヨン&エスケープメント部門」「メンズウオッチ部門」の2つを受賞できたことを、非常に喜ばしく思っています。
これまでのジュネーブウオッチグランプリは、技術面に目を向けられることが多かったように思います。そこに、ブルガリが培ってきた「美意識」を表現したコレクションが選ばれたことで、権威ある賞にひとつ大きな変化をもたらすことができたのではないでしょうか。
オクト フィニッシモ トゥールビヨン スケルトンとオクト フィニッシモ オートマティックは、今回の受賞でレジェンダリーウオッチの仲間入りを果たしたのと同時に、私たちにとっても大きなマイルストーンになりました。
−−オクト フィニッシモ オートマティックはチタンの素材感が非常にユニークでした。
私たちには薄さを追求できるだけのバックグラウンドがあります。加えて、新しいことに挑戦する研究開発も惜しみません。そして、いま力を入れているのがチタンという素材の可能性を広げることです。
この素材は軽量で丈夫なだけでなく、ミニッツリピーターの音を豊かにする特性も持っています。前年に発表して、世界最薄記録を樹立したオクト フィニッシモ ミニッツリピーターの開発にも欠かせない素材でした。
この素材はデザインとしても多くの可能性を秘めています。私たちには垂直統合体制があるので、ムーブメントからケース、文字盤にいたるまで、完全に調和のとれた製品を作ることができます。だからこそ、オクト フィニッシモ オートマティックのように、ケースやブレスレットの色と文字盤の色を揃えて唯一無二のデザインができたわけです。
これまでも、これからも、ブルガリは「究極のエレガンス」をテーマにジュエリーを手がけてきました。この真髄を男性とも共有していけるよう、腕時計開発では薄さを追求し続けていくつもりです。
「ブルガリ セルペンティ フォーム アート ジュエリー デザイン」
会期:2017年11月25日(土)〜12月25日(月)
会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー
住所:東京都港区六本木6-10-1
展望台入場料: 一般 1,800円 / 高校・大学生 1,200円 / 4歳~中学生 600円 / シニア(65歳以上) 1,500円
開館時間:10:00〜23:00 (最終入館22:30) ※金・土・休前日は25:00(最終入館24:00)まで
セルペンティ フォーム展 https://www.serpentiform.bulgari.com/
ブルガリ公式サイト https://www.bulgari.com/