黒田博樹モデルもあるロマン・ジェロームって何だ!? 独創的な時計作りを続けるCEOを直撃
豪華客船タイタニック号のパーツを取り入れた時計や伝説的なゲーム『スーパーマリオブラザーズ』の世界観を表現したモデルなど、独創的な時計作りでファンを魅了するロマン・ジェローム。しかし、唯一無二といえるウオッチメイキングの源泉はどこから湧いてくるのでしょうか。CEOマニュエル・エムシュ氏に接触し、インタビューを敢行しました。
―快進撃を続けるロマン・ジェ ロームの独創的な時計作りは、どこにルーツがあるのか。来日したマニュエル・エムシュCEOにそのオリジンを聞きました。
「私のデザインルーツは、1970年代〜 80 年代。宇宙開発とか、当時の様々なものにインスピレーションを受けてきました。例えば 14、15歳のときはスケートボードと、その周辺にあったサブカルチャーが好きでしたね。スケボーの車輪(ウィール)の横にスカルを付けるのが流行していて、新作のスカイラブ 48 スピードメタルスカルSLNのルーツは、言わばココ。時計にもウィール(歯車)がたくさんあるし、スカルは個人的にとても大切なモチーフ。単にファッション的な要素ではなく、スカルは死生観につながるもの。一回限りの人生を大切に生きる、といった人生哲学を象徴しています。かつてはパテックも使った、歴史的に重要なモチーフです」
―若い世代や初めて機械式を買うような人にも人気がある点は、どう捉えているのでしょうか。
「ロマン・ジェロームには、様々なドアがあります。アポロ計画や月の砂といったストーリーに興味を持って入ってくる人がいれば、マリオや複雑な機構に惹かれる人、現代アートとして注目する人、中には十代でそのドアを開ける人もいます。それは我々にとって大きな武器。ただ、国によって差があり、成熟したマーケットでないと受けが良くない。80 年代にマリオを楽しんでいた国でないと、受け入れられないのも当然でしょう。どのドアから入って頂いても構いません。時計はエモーショ ナルなアートであり、先人が築いた歴史や哲学などを感じられる、素晴らしいものです」
RECOMEEND MODELS
ロマン・ジェローム ムーンオービターGMT
Ref.RI.M.TO.MO.011.01
1674万円
アポロ11号のパーツを含有するSSケースに可動式ピストンラグをセット。ラ・ジュー・ペレが特別に開発した自動巻きフライングトゥールビヨンはジャンピングアワー&レトログラードGMT、パワーリザーブ表示も備えます。世界限定25本。
ロマン・ジェローム
スカイラブ48 スピードメタル スカル SLN
Ref.RJ.M.AU.030.24
324万円
生”を讃える象徴のスカルを大胆にあしらった、3 層のスケルトンモデル。12時位置に香箱、6 時位置にテンプを表向きに配した独創的な構造が際立ちます。ケースはアポロ11号のパーツを含有します。世界限定25本。
スカルモチーフ全体にホワイトのスーパールミノバを施しています。暗所ではスカルが青白く浮かび上がり、昼とはまた違った表情に。
PROFILE
マニュエル・エムシュ
1972年スイス生まれ。ジャケ・ドローのブランド再構築を成功させるなど、高級時計ビジネスで長年活躍。2010年、ロマン・ジェロームのCEOに就任。コンセプト作りやデザインも手掛ける。