ドイツ時計ブランド【ジン(SINN)】のキーマンに日本限定モデルの魅力を尋ねた
正式名を「ジン特殊時計会社」と名乗るドイツウオッチブランド【ジン(SINN)】は、1961年から続く時計製造技術に、異分野のテクノロジーを取り入れる独自の手法でプロユースの腕時計を輩出している。今回、本拠地フランクフルトから久しぶりとなる経営陣の来日がかなったため、ジン・デポ渋谷(東京都渋谷区神南1-20-10 B1F)にて取材が実現。直近の動向や最新の日本限定モデルについて直撃した。
ジン インターナショナルセールスディレクター ヨルグ・ダンドル氏
2016年より現職。手にしているのは定番356.フリーガーと、それをベースに製作された歴代2作を含む日本限定モデル。最新作は、特に文字盤と針の色を合わせることに気を配ったという
「日本からのリクエストには毎回とても苦労します(笑)」
(ヨルグ・ダンドル氏)「私たちにとって、2020年からの2年間は有益なものになったとポジティブに捉えています。フランクフルトは他の都市のようなロックダウンがなかったので在宅勤務やシフト制を上手く使うことで、製造本数を減らすことはなく、ニューモデルのローンチも計画通りに進んでいます。また、休業を余儀なくされた各国の取り扱い店に向け、改めてオンラインで詳細なレクチャーができました。そうした知識の基盤作りも功を奏し、直近の業績はとても好調に推移しています」
―― 最近のジンの新作は、カラーダイアルからジン・テクノロジー搭載の本格派までバラエティに富んでいる。何か明確な戦略はあるのだろうか?
「バランスには気を使っていますね。プロユースのダイバーズウオッチであるUシリーズに41mmモデルを加えたり、ハイスペックなEZMを出したら、今度はエントリーにも最適な556の新色を発表したり。ファンのコミュニティをはじめとするユーザーの意見も取り入れながら、適宜必要なニューモデルを揃えています」
―― では、日本の代理店からのリクエストで作られる日本限定についてはどう考えている?
「ドイツを除いてエリア限定が多い国が北米と日本。とくに日本は特別なカラーを使うなど、オリジナリティがあります。新作の356・ユーロ フリーガー・Ⅲも文字盤と針でサプライヤーが違ううえ、使っている蓄光と蛍光という違いもあり、イエローの色味の調整にはとても苦労しました。本来の356には12、3、6、9の数字を飛ばすインデックス配列というルールがあるのですが、本機はユーロコプターのオンボードクロックに着想を得た背景から特別扱いとなっています」
―― すでに数あるジン・テクノロジーに、新たな技術が追加される日は来るのか?
「もちろん研究開発は日々行っています。2023年には皆さんが驚くような発表ができると思いますので、どうぞ期待してください」
SINNファンが待ち望んだスペシャルクロノグラフ第3弾
ユーロコプターのオンボードクロックに着想を得た鮮烈なイエローを特徴とする日本限定仕様の第3弾。初めてスモールセコンド(蛍光イエローを塗布)を配し、クロノグラフ用の30分積算計&12時間積算計に加えてインダイアルは“縦3つ目”を形成。4800A/m耐磁(DIN8309準拠)を備える。
スペック:自動巻き(Cal.SW500)、毎時2万8800振動、46時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、リベット付きカウレザーストラップ、強化アクリル風防。直径38.5mm、厚さ15.5mm。10気圧防水。日本限定100本。
問い合わせ先:ホッタ TEL:03-5148-2174 https://sinn-japan.jp/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。