レジェンド5大メゾン 俺の一択!――ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ ピゲ、A.ランゲ&ゾーネ(後編)
時計界の大ベテランたち。そんな目利きでも憧れるモデルが存在します。いずれも予算に余裕がある人がターゲットにしており、店頭ではなかなか出会えない至高の逸品です。賢人の声に耳を傾けつつ、その世界観を想像してみてください。
「時計王」の異名を持つ時計ジャーナリスト・松山猛さんが選んだ1本
松山猛さんのコメント:「ヴァシュロン・コンスタンタンの現行品からどれか1本を選ぶなら、僕はトラディショナル・ワールドタイムを手にしてみたい。この時計の凄いところは、ネパールとインドの15分という時差も表示している点。誰もが認めるジュネーブの筆頭ブランドではあるけれど、機能の面で実際に使って役立つ時計というのが、その理由です。
世界とつながる仕事をしている人にとっては、自分の現在地の時間を知るだけではとても足らないでしょう。僕自身も旅が多い暮らしなので、世界を見渡しているような意匠が凝らされたこの時計があれば、いつでも、どこでも楽しく時間を知ることができそうだと思います。」
理系の時計ジャーナリスト・高木教雄さんが選んだ1本
高木教雄さんのコメント:「何をして「アガリ」とするのか――その先の生涯、これ1本で過ごすという観点においていえば、オーデマ ピゲのロイヤル オーク・〝ジャンボ〞エクストラシンは、まさに相応しい。元祖高級スポーツウォッチとして時計史にその名を残す傑作は、薄型ケースでエレガントさも併せ持ち、カジュアルにもスーツにも合わせやすいから。
搭載ムーブメントのCal̇2 121は、時計好きなら手に入れたいと願う薄型自動巻きの名機。その組み立てには時間を擁するため、特に人気が高いSSモデルのブルーダイアルは数年待ちだとか。そのような状況の ため手に入れられた時の大きな喜びも、アガリ0感が高い」
業界人からも信頼の厚い大ベテラン・柴田 充さんが選んだ1本
柴田充さんのコメント:「誕生50周年を迎え、今年は自動巻きクロノグラフが盛り上がっていますが、ストップウォッチからの系譜を思うとやはり手巻きに惹かれてしまいます。となると現行のマスター ピースとして挙がるのが、パテック フィリップ5170とȦランゲ&ゾーネのダトグラフですが、二択となれば後者にロックオンしています。
四角と丸が三角を形成するという摩訶不思議な幾何学顔に、シースルーバックから望む眺めはまさにクロノグラフの解体新書。意外とカジュアルな着けこなしにも合い、ブランドにおけるアガリ時計として虎視眈々と手に入れる機会を狙っている次第です」