時が経つことが待ち遠しくなる腕時計<HYT>
HYTは、機械式時計の弱点である液体を使って時刻を表示する前代未聞の腕時計を開発したジュネーブ発の新興ブランドです。腕時計の概念を変えたイノベーター。その最新作に迫りました。
時間を俯瞰し、受け入れる
選ばれし人のための腕時計
日々の仕事に追われ続ける人にとって、腕時計は実用的であるほどいいのは間違いありません。ですが、他者が自分に時間を合わせてくれるような“成功者”に対したとき、腕時計はどんな役割を果たせるのでしょうか。
HYTは、世界初の“液体表示”ウオッチを手がけるブランドです。時計の見どころは、時間が経つにつれてガラス管内部の液体の割合が変わっていく点。とくに1日に6時と18時の2回だけ訪れる液体のレトログラード移動は、必見です。
このような製品の開発に際して、HYTではオーデマ ピゲ ルノー・エ・パピやクロノードという複雑時計開発のエキスパートたる会社と協力。彼らが得意とする高級時計製造技術に、化学や医療、宇宙開発など様々な分野の知恵を集結させた独自開発のマイクロ流体モジュールを組み込んで、革新的でも信頼の置ける腕時計を完成させたのです。
世界唯一の機構の全貌が遂に明らかになる
HYTが開発した特殊構造を明らかにしたH2をベースにした発展型。新しいドーム型サファイアガラスにより、オーデマ ピゲ ルノー・エ・パピ社と共同開発した美しい手巻きムーブメントの動きと、液体を用いた時間の表示があらゆる角度から鑑賞できます。ケースはステンレス製で直径51㎜、厚さ19.95㎜と大型。30m防水。世界限定25本。同仕様でグリーンの液体×ブラックケースのバージョンもあります。
H0初の赤い液体“オールージュ”を採用
時計上面を覆うドーム型サファイアガラスと、一見バネのように見える多層構造の金属ベローズ(ふいご)が強調されたデザインを特徴とする「H0」の限定仕様。内側にナノコーティングを施したガラスキャピラリーチューブ内を行き来する2つの不混和液体をはじめ、随所にレッドを配色。シルバーとガンメタルの文字盤があり、各限定8本。ケースはSS製で直径48.8㎜、厚さ18.7㎜。手巻き。30m防水
時間が経つにつれて蓄積される液体に心が躍る
忘れかけていた時計を愛でる喜びを、いま再び
HYTの時計は、機構の緻密さ・複雑さゆえに大量生産はできず、価格も高額。もはや現代アートとして捉えるべき一本であり、腕時計に実用性を求める人には全く不向きです。しかし、もし時の流れを俯瞰し、喜んで受け入れられる人ならば、この時計が示す時間の蓄積を心から愉しめることでしょう。
HYT(本国サイト) http://www.hytwatches.com
HYT(日本語版) http://eaurouge.tokyo/brand/hyt/
問い合わせ先/オールージュ TEL:03-6452-8802