【ロンジン】飛行時間を計るための回転式フルーテッドベゼル搭載の伝説的パイロットウオッチが蘇る
190年を超える歴史を持つスイスウオッチブランド【ロンジン(LONGINES)】が、新作「ロンジン パイロット マジェテック」を2023年2月23日(公式オンラインサイトは前日2月22日)にリリースした。伝説的な航空時計を再解釈して現代に蘇らせたモデルで、初回ぶんに限りスペシャルボックス付きとなっている。価格は55万円(税込)。
パイロットウオッチブランドとしての伝統や技術を紡ぐ由緒正しきリバイバルモデル
パイロットウオッチのパイオニアであるロンジンは、世界で初めて大西洋無着陸横断飛行を達成したチャールズ・A・リンドバーグと協力し、1931年に空のナビゲーションシステムといえるアワーアングルウォッチを開発するなど、卓越した技術で航空界を支えてきた。そのメルクマールのひとつに1935年発表のパイロットウオッチがある。クッション型ケースに双方向に回転する目印付きフルーテッドベゼルを備えるこのアーカイブピースは、当時の空軍パイロットにも愛用されたという逸話を持つ。これに現代的な解釈を加え、復刻させたのが新作「ロンジン パイロット マジェテック」である。
初回スペシャルボックスセットは、リサイクル素材のポリエステルファイバーを使ったNATOタイプストラップのほかに、ベージュのステッチ付きブランレザーストラップも付属。交換ツールも同梱されており、シーズンやファッションに合わせて使い分けができる
「ロンジン パイロット マジェテック」はまず、そのユニークなフォルムに注目が集まる。1935年のオリジナルモデルに倣ってカーブさせたクッションケースを採用。直径は43mmでややボリュームのある一方、厚みを13.3mmという常識的な範囲に収めている。リューズガードが大きく、操作性の良い大径のリューズを保護する安心感がある。ケースはサテン仕上げを多用してツール感を出し、これにスリップ防止のためのフルーテッド加工を施した回転ベゼルを備える。ベゼルはトライアングルマーカーと連動してダイアル外周上を左右どちらにも動く仕組みになっており、スタート時間の針に合わせることによって経過タイムを把握できるようになっている。
オリジナルモデルのクッションケースは、1935年4月1日にスイス・ベルンの国際工業所有権機関に登録された
反射を抑えるブラックダイアルもオリジナルモデル由来のデザインで、瞬時に読み取れるエンボス加工のアラビア数字、外周のレイルウェイトラック、そしてクラシカルな雰囲気のスモールセコンドも本機で再現。各インデックスとバトン型の時分針、回転ベゼル連動型トライアルインディケーターは明所でエイジングしたようなオールドラジウムカラーに見えて、暗所ではライトグリーンまたはライトブルーに光って視認性を高めるスーパールミノバ夜光のコーティングがなされている。まさに夜間飛行にも対応した本格仕様だ。
アラビア数字の外側、レイルウェイトラックのポイントにも蓄光型スーパールミノバが塗布されている。航空時計で重要な判読性を追求した機能だ
また本機はコックピット内の強い磁場環境に対応するため、精度のキーパーツであるヒゲゼンマイをシリコン製とすることで高耐磁性を獲得した、ロンジンのエクスクルーシブキャリバー「L893.6」を搭載。最大3日間の駆動を実現するロングパワーリザーブを有し、独立管理機関であるスイス公式クロノメーター検定機関COSCの認証を受けた高精度仕様となっている。これらは航空時計に求められるスペックであるとともに現代では一般的なニーズにもなっており、3針式実用時計の理想形といえる。
復刻に定評のあるロンジンにとって2023年最初のリバイバルモデルとなる「ロンジン パイロット マジェテック」は、昨年発表されたロンジン スピリット Zulu Timeに続く“空”の新作であり、ロンジンの伝統や哲学、そして最新技術を反映させた要注目の一本となりそうだ。
「ロンジン パイロット マジェテック」 Ref.L2.838.4.53.9 55万円/自動巻き(Cal.L893.6)、毎時2万5200振動、約72時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、レザーストラップ(交換用NATOタイプストラップが付属)、両面無反射多層コーティングサファイアクリスタル風防。直径43mm、厚さ13.3mm。10気圧防水。
問い合わせ先:ロンジン/スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7350 https://www.longines.com/jp/ ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。
Text/WATCHNAVI編集部