日本が世界に誇る“壊れない時計”G-SHOCKの歴史秘話 2003-2007年/生誕20周年を迎えて究極の「The G」誕生。進化は止まらない

腕時計界で革命を巻き起こし続ける「G-SHOCK」のウンチク集! 今回は、カシオ独自のテクノロジーによって大きな飛躍を遂げた2000年代中頃を振り返ります。

壊れない、止まらない
狂わない、究極の“G”

いま振り返れば、1990年代後半は異様なまでのブームでしたが、市場が落ち着きを取り戻すにつれて、G-SHOCKも本来の輝きを取り戻しました。そして初代モデル誕生から20年を迎えた2003年、“何かあるぞ”という予感は誰もが持っていたに違いないでしょう。その期待以上にファンを驚かせたのが、直前の2002年11月に発表された「壊れない」「止まらない」「狂わない」という究極G-SHOCK「The G」の誕生でした。

考え方としては、1998年に初めてレイズマンが搭載したタフソーラーと、2000年にアントマンで実現した電波受信機能を統合したわけだったのですが、電波ソーラー「The G」を完成させるためには、ソーラーセルの面積と消費電力の問題をクリアしなければなりません。通常のタフソーラーに比べ電波受信モデルは電力がかかります。そのため、ソーラー面積を大きくする必要があります。ですが、それではデザイン的に大きなデメリットになってしまうのです。

CPUの消費電力を押さえた新しいLSIの開発や、新たな半導体技術によってLSIの中のリーク電流を抑えるなど、膨大な努力の結果に完成したGW-300Jは、それ以外にも、たとえばベルトに初めての試みがなされています。それまではウレタン加水分解といって何年か経つと汗を吸って表面がモロくなっていましたが、ベルト内部にメッシュ素材を入れることで切れない処理が施されたのです。


耐衝撃構造にタフソーラーと電波受信機能を初めて同時搭載した、「The G」シリーズのGW-300J。


マルチバンド6を初搭載したマッドマンと、アナログGの復活を訴求した2006年の広告。「原点は、進化する」というスタイリッシュなコピーが印象的でした。

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