日常に溶け込むプレミアムな腕時計「IWC ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」―― TOKYOタイムピース
珠玉の腕時計を、ドラマティックなシーンに重ねて紹介する時計専門誌・ウオッチナビの連載「TOKYO タイムピース」。
今回は、1985年当時、IWCシャフハウゼンの技術陣リーダーを務めていたクルト・クラウスが時代に反して開発を推し進め、見事に完成させた傑作永久カレンダーウオッチの末裔を語る。
万能の天才の名に相応しい現代複雑タイムピースの金字塔
以前、ウィンザー公やフレッド・アステアが通ったロンドンのテーラーで話を聞く機会を得た。生地の裁断から縫製までひと通り説明してくれた後、ここでスーツを仕立てるには、まずこの店のスーツのデザイン、仕立て方法を説明して、それを受け入れた人からのみ注文を受けると聞いた。注文服だからどんなものでも仕立てるというのではなく、店の流儀を理解した人だけが顧客になれる。ひと針、ひと針に職人の魂が込められているとも聞いた。これが名店の伝統と矜恃だ。
高級複雑時計にもロンドンの名テーラーと同じ佇まい、いやそれ以上の息吹を感じる。「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」は、その名の通り、永久カレンダーが搭載されたモデル。その精度は非常に高く、実際の月の満ち欠けと表示のズレなら、577.5年間にたった1日分という精緻さ。日付は2599年まで正確に表示し続ける。
この永久カレンダーを設計したのは、IWCシャフハウゼンを象徴する天才時計師、クルト・クラウス。腕時計のために、変則性のあるグレゴリオ暦を機械的なプログラムに変換するという挑戦を、わずか80個の部品でなし得たと聞く。ロンドンのスーツ職人同様、複雑時計を仕立てた名職人だと断言できる。
IWCシャフハウゼン「ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ」Ref.IW392103 371万8000円
高精度ムーンフェイズや4桁西暦表示などの独創機構を備え、かつフライバック機能付きクロノグラフまで搭載した、自動巻きキャリバー89630を搭載する永久カレンダーモデル。1985年に現代コンプリケーションの先駆者として発表されたファーストモデルから、さらに洗練さを増したデザインが個性を主張。直径43mmのステンレススチールケースは、15.7mmという厚みながら、可動式のラグにより心地よく腕にフィットする。シースルーバック。サントーニ社製アリゲーターストラップ。3気圧防水。
問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/ja/