日本が世界に誇る腕時計「G-SHOCK」列伝【1980年代編】

腕時計界で革命を巻き起こし続ける「G-SHOCK」は、初代モデルが誕生した1983年から現在まで幾多の傑作が生まれています。今回はその中から初代に関するうんちくと80年代の歴史的名作をまとめて紹介!

①G-SHOCKの凄さを最初に見抜いたのはアメリカ人だった

1983年に世界で同時に発売された初代G-SHOCK。当時、日本国内の雑誌はバイクにG-SHOCKを取り付けたり、ソフトボールを割って中に埋め込み、バットで打つ耐久テストなどを掲載。ですが、一部で話題になったものの、ユーザーの反応は少ないものでした。その実用性を最初に認めたのは、実は日本人ではなくアメリカ人でした。タフでリーズナブルな設定が、彼の合理性にマッチし、徐々に認知度を高めていったのです。決定的だったのは、1984年に全米で放映されたテレビCM。アイスホッケー選手がバックの代わりにDW-5200Cを強烈にシュートする映像です。


ゴール前のキーパーに向けてプレーヤーがシュートを放ったのは、パックではなくG-SHOCK。キーパーが見事にキャッチしたグローブの中で、Gは平然と時を刻む……という内容。しかし、アメリカの現地販売会社が製作したこのCMに、誇大広告ではないかと消費団体が噛みつきました。その騒動を聞きつけた全米ネットのニュース番組がCMシーンを再現する実験を生放送。結果、やはりG-SHOCKは映像どおりにビクともしませんでした。この偶然の騒動が、逆に信頼性を高め、全米でG-SHOCK旋風を巻き起こすこととなったのです。

日本が世界に誇る“壊れない時計”G-SHOCKの歴史秘話  1983-1991年/大ヒットしたのはアメリカのCMがきっかけだった!?

②1985年、ライブエイドのステージに立ったスティングの腕には、G-SHOCKがあった!

エチオピア難民の救済を目的に、1985年、ボブ・ゲルドフの呼びかけに賛同した世界のミュージシャンたち。彼らは“ライブエイド”という形で社会に強烈なメッセージを送ることに成功しました。そのステージで、スティングの腕にあったのがDW-5200C。ファッションとしてG-SHOCKがブレイクする以前から、彼は熱烈な愛用者だったのです。

その2年後に登場したDW-5700C-1Vが、スティングモデルと呼ばれるようになったのは、彼がG-SHOCKをいち早く認めた先見性への敬意も込められていたに違いありません。

ただし、このモデルは輸出専用モデル。日本では逆輸入でしか手に入りませんでしたが、2001年にELバックライト付きで国内仕様として復刻されました。2003年にはタフソーラーを搭載したG-5700へと進化し、ロングセラーとして長らくファンの心をわしづかみにしたのです。

スティングモデルDW-5700C-1V

スティングモデルは、初代丸型DW-5400のケースに新モジュール(内部機構)を搭載して、1987年7月に誕生しました。初期角型デザインのDW-5200と好対照を成す、シンプルな丸型デザインが魅力です。ちなみに品番の最後に付く「V」は、海外仕様であることを意味しています。

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③アナログG-SHOCK史上に燦然と輝く、ユナイテッドアローズとの完璧コラボ

「絶対に針が落ちない」とカシオ技術陣が断言した史上最強のアナログモデル、それが1989年に発売されたAW-500。当初はデジタル液晶に限られていたG-SHOCKですが、ネックになっていた時分針の耐衝撃技術に、絶対的な自信を持っていました。デザイン的にもシンプルなラウンド形状がユーザーに高く評価され、後に角型アナログのAW-550、丸型アナログ第2弾のAW-560誕生を促しました。

しかし、シンプルな曲線美が特徴のAW-500に比べて、AW-550、AW-560は人気面で劣りました。ユナイテッドアローズをはじめ、数々のオフィシャルコラボで話題になったモデルも、そのほとんどはAW-500がベース。特にさり気ないオレンジが効いているユナイテッドアローズ1stは、アナログG-SHOCKの中でもズバ抜けた人気と高相場を維持しました。

ケースからベルトへ続く一体感が美しいAW-500のフォルムを活かしながら、さり気なくロゴとボタン、時針にオレンジを配した抜群のセンス。ユナイテッドアローズらしいスタイリッシュな控えめデザインをまとった、AW史上に輝く傑作です。


アパレルショップの別注コラボG-SHOCKは数多くありますが、コラボ黎明期にあたる1996年からアナログモデルを採用したのがユナイテッドアローズ。アナログ人気の立役者と表現しても過言ではありません。

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初めは海外でヒットを飛ばしたG-SHOCK。初期モデルのなかでもユナイテッドアローズとのコラボウオッチやスティングが使用した逸話は有名なので、40代や50代のファンにとっては懐かしく感じられたのではないでしょうか。これらのモデルはG-SHOCK人気の地盤を作り、社会現象にもなったあの1990年代の爆発的ブームにつながっていきます。