日本が世界に誇る腕時計「G-SHOCK」列伝【1995年編】
腕時計界で革命を巻き起こし続ける「G-SHOCK」は、初代モデルが誕生した1983年から現在まで幾多の傑作が生まれています。今回はその中から歴史的モデルが集中する95年の名作をまとめて紹介!
① タフなフォルムにブラック&ゴールド! 誇り高きプレミアムG-SHOCKの頂点を決めた伝説のフロッグマン
歴代G-SHOCKでも一番のパワフルなフォルムと存在感単に20気圧の水圧に耐えられる「20BAR」のG-SHOCK共通スペックを越えて、実際に200mまで潜れるISO(国際標準化機構)規格準拠の「200M」潜水用防水を備え、真のダイバーズウオッチとして初代フロッグマンが誕生したのは、1993年8月でした。さらに、金属アレルギーを起こしにくいチタンをケースに採用することで、軽量化と堅牢性、防錆性も飛躍的に向上させたのが、1995年6月発売のチタンフロッグマンDW-8200です。
ケースのメタル素材をむき出しにしたパワフルなデザインは、究極のタフモデルとして一躍ストリートのメインストリームに踊り出ます。その完成度と人気の高さから、数々の限定モデルも派生しました。特に人気を決定づけたのが、同年9月に発売されたゴールドチタンフロッグマン。当時のG-SHOCK最高価格となる2万3000円の価格設定でしたが、即完売となり、G-SHOCKブームの中、50万円を超えるプレミア価格で流通しはじめます。その圧倒的な存在感は語り継がれ、伝説となったのです。
② G-SHOCKの液晶画面でスロットが回る!? 遊び心にあふれたELバックライトの先進性
液晶アニメーションのコイントスとスロットで遊ぶ1994年6月発売のDW-6600に初めて搭載されたELバックライトとは、交流電流で発光するエレクトロルミネッサンス(EL)素子を利用して文字盤を明るくする照明装置のこと。それ以前の豆電球を利用したマイクロライトより大光量なうえに、消費電力は同レベルという画期的な技術でした。
そのELバックライトに浮かび上がるユニークな絵柄には、カシオ技術陣の“遊び心”が表れていたと言えるでしょう。その中でも傑作なのが、1995年5月に登場したコイントスとスロットです。
どちらもELバックライトに浮かぶ液晶アニメーションで、コイントスには最終的に「G」(表)、「Gの鏡文字」(裏)、「Lost!」(はずれ)という3種類の絵柄に行き着きます。一方のスロットは、文字通りスロットマシンのように3列のマークが回転し、「G」が3つ揃うと、大きなGマークに変わって祝福してくれます。
DW-8010G-1
DW-8120-1
③ 有名アパレル関係やアーティストから引っ張りだこ! ボーダー系G-SHOCKの元祖・スラッシャーモデル
永遠に色褪せない、定番中の定番デザインG-SHOCKは30年を超える進化の過程で、時代ごとのファッション・トレンドを柔軟に取り入れてきました。そもそも1990年代初頭に日本でブレイクしたのも、ミュージシャンや業界人がいち早くG-SHOCKのスタイリッシュさに気づいたからにほかなりません。
膨大なバリエーションが生まれてきた中で、“大定番”と呼べるフォルムが存在します。その代表格ともいえるのが、3つ並んだ液晶グラフィックが特徴的なDW-6900ライン。スケーターやサーファーなどストリート系バッドボーイズ=スラッシャー向けG-SHOCKとして、1995年3月に誕生しました。当初からELバックライトを搭載していたため、シンプルな機能性と基本デザインがそのまま受け継がれ、現行DW-6900B-9でもその輝きはまったく色褪せていません。
DW-6900H-9JF
④1995年オリックス初優勝のインタビュー時、若きイチローが腕にしていたG-SHOCK
DW-6000D-1は1/1000秒計測が可能な超高速クロノグラフをベースに、1992年に発売された冬季限定モデルです。グリーンのカモフラージュ柄が入ったスペシャルなストラップが特徴で、ベゼルのロゴもグリーンでコーディネートされていました。1995年にオリックスが初優勝したとき、インタビューを受けた若きイチローの腕にあったのが、このモデルです。
発売当時はまだG-SHOCKが大ブレイクする前で、イチローはトレンドを先取りしていたことになります。スポーツ新聞に“G-SHOCKフリーク”であることがスクープされてから、イチローはG-SHOCK関連の特集記事には欠かせない存在となったのです。
DW-6000D-1
1995年といえば阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件など衝撃な出来事が多かった年。そんな中でもG-SHOCKの勢いは留まることを知らず、斬新な機構や屈強なスタイルをさらにブラッシュアップ。カジュアル・タフネスウオッチとしての地位を築き上げたのでした。
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