世界にひとつしかない自分だけの時計 バースデー・ヴィンテージウオッチを愉しむ【R40世代編ー1966年~1975年製】
個体ごとによって経年変化の状態が異なるヴィンテージ時計は、世界に二つとして同じモデルは存在しません。なかでも誕生年が自分と同じモデルであれば、特別感は倍増。今回はそんなバースデー・ヴィンテージウオッチからR40世代に向けた逸品を紹介します。
レトロなデザインと
使い込まれた風合いを楽しむ
昨今の時計界では、1960年~1970年代のモデルに着想を得た現行ウオッチが人気。それだけ、R40世代の時計にはレトロ感あふれる素晴らしいタイムピースがあふれています。また、経年変化した文字盤や退色した夜光など絶妙な風合いも存分に楽しめるのがR40世代のヴィンテージ時計です。
R40世代(1966年~1975年製)の特徴は?
多くのブランドがクロノグラフやダイバーズ、GMTなど多機能化を推進。多彩な色遣いによるカラフルなデザインや、ユニークな樽型ケースを採用するなどオリジナリティあふれるモデルが数多く出回った時代です。
生産本数が極めて少ない
激レア仕様のスピードマスター
1971年製
オメガ
スピードマスター5th
参考相場62万6400円
ケース裏側の中央にシーホースのメダリオン装飾のみが入った、歴代スピードマスターの中でも希少なタイプです。エクステンション用のバネが組み込まれた1969年製のキャタピラブレスレットを装備。ケース径42㎜。
マットな黒文字盤にクリーム色に退色した指針&インデックスがヴィンテージ感抜群。使い込まれた風合いのタキメーターベゼルも◎
1年も経たないうちに仕様が変更されたシーホースのメダリオン刻印。マニア垂涎の希少ディテールとして高い人気を博しています。
回転計算尺付き文字盤の
経年変化が味わい深い
1967年製
ブライトリング
ナビタイマー
参考相場49万8000円
現在も同社の代表モデルに君臨するパイロットウオッチの2ndモデル。ブラック文字盤に反転色のインダイアルを採用して1stから進化を遂げ、ムーブメントにはスムーステンプ仕様のヴィーナス社製Cal.178を搭載しています。
1968年製
ジャガー・ルクルト
マスターマリーナー“ドルフィン”
参考相場55万800円
名作ダイバーズ「マスターマリーナー」の中でも、生産本数約550本という希少な「ドルフィン」モデル。直径31㎜のコンパクトなケースに両方向回転ベゼルを装備したフォルムは、小振りながら強烈な存在感を放ちます。
1970年製
ハミルトン
クロノグラフ
参考相場38万8800円
1970年代にオーストラリア海軍に制式採用されたミリタリークロノ。ケース右側がやや膨んでいるのは、軍事作戦の失敗要因となりうる衝撃などを原因とした誤操作を防ぐため。バルジュー製Cal.7733を搭載しています。
1970年代前期製造
ブライトリング
クロノマット
参考相場38万8000円
独特の存在感を放つ八角形ケースに、マイクロローターを備えるクロノグラフCal.12を搭載。横2つ目の積算計と回転計算尺の緻密な目盛りで、クラシカルな雰囲気をたっぷり堪能できる一本です。ケース縦横48㎜。
1970年代前期製造
ホイヤー
オータビア
参考相場36万8000円
世界初の自動巻きクロノグラフCal.11を搭載するレーシングウオッチ。左リューズを配した大型クッションケースと、随所にあしらったビビッドなオレンジカラーが腕元で存在感を発揮します。ケース縦44.5㎜×横38㎜
1960年代後半製造
ジャガー・ルクルト
ジオマチック
参考相場97万2000円
手巻き「ジオフィジック」の後継として誕生した自動巻きクロノメーター。ゴールドが主流だった高級機においてSSを使用した希少な個体です。立体的なドーム文字盤や足の長いラグなどシンプルながら上品さを感じさせます。
ゴールドのドレスウオッチが
アンダー20万円!
1966年製造
ロンジン
ラウンドケース スモールセコンド
参考相場19万4400円
イギリス時計市場で主流だった9Kイエローゴールドケースを採用。黄金色を控えめにした色味や約8㎜厚の薄型サイズ、スモールセコンド仕様など、時代を問わないタイムレスな美しさが秀逸です。ケース径33㎜。
1973年製造
CWC
クロノグラフ
参考相場45万3600円
CWCは1972年の創業以来30年以上に渡り、英国防総省に軍用時計を納品してきた名門。本機は海軍用に製造されたクロノグラフで、横2つ目文字盤と、退色したアラビア数字インデックスがヴィンテージ感満点です。
R40世代のバースデー・ヴィンテージ時計購入時のワンポイントアドバイス
オリジナルパーツを
使用しているか要チェック!
ヴィンテージ時計はオリジナルに近いコンディションを維持しているかが、その価値に大きく影響します。特に文字盤の交換とケースの研磨具合をチェックすることが重要です。なお、パッキン、風防、ゼンマイなどのパーツは、消耗品のため交換しても価値は下がりません。
上/痩せずにオリジナルに近い形状を保ったケースが理想とされます。下/文字盤を交換していないことが、ヴィンテージ時計の大前提です。