人気ブランドの理解が10倍深まる最新&主力ムーブメント徹底ガイド【パテック フィリップ】
ケースやダイアルのデザイン・素材など、時計の魅力を決定する要素は数多く存在するが、時計ファンならその心臓部であるムーブメントに注目したいもの。そこで、本特集では人気ブランドについて、[ムーブメント概要=全体像][基幹=主力ムーブメント][最新&注目のムーブメント]について詳細を解説。時計内部の知識が深まれば時計の真価もさらに理解できるはず。今回はパテック フィリップをピックアップ!
パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)
精度や機能、審美性などで世界最高峰の成果を達成
ケースや文字盤などの外装部品も含め、ムーブメントにも精度や最高品質の素材、仕上げや装飾などが厳格に定められたパテック フィリップ・シールに基づき、手巻き18種、自動巻き33種、クロノグラフ3種の基幹マニュファクチュールムーブメントを製造。精緻を極めた複雑時計の名手としても知られ、ミニッツリピーターのコレクションを世界で最も数多く展開している。
基幹ムーブメント
22K製マイクロローターの採用などにより超薄型化を実現し(薄型の手巻きムーブメントに匹敵する薄さ)、1977年に誕生したエレガントな造形が魅力の自社製自動巻きムーブ。同社の自動巻き主力機種として45年間にわたり改良と熟成を続け、永久カレンダー付きのCal.240 Q、ワールドタイム搭載のCal.240 HU、スケルトン仕様のCal.240SQ Uなど多くの後継機種を輩出。2011年には同社の耐磁・耐摩耗性・耐久性テクノロジーの結晶であるOscillomax®を搭載したCal.240 Q Siも登場している。
主な派生ムーブメント
Cal.240 Q、Cal.240 HUなど
2005年にコラムホイール搭載の世界最薄スプリットセコンドムーブCal.CH R 27-525 PSを自社開発して注目を集めた同社が、5年の歳月をかけて世に送り出した薄型(厚さ5.35㎜)手巻きクロノムーブ。30分積算系の針を瞬時にステップ運針させる独自機構や、輪列に施された美しい歯型曲線(歯と歯のあがきを最小限にして摩耗やタイムラグを防ぐ)など、操作性や信頼性を向上させる多くの特許技術を搭載。永久カレンダーを追加したCal.CHR 29-535 PS Qなど、多くの派生機種が存在する。
主な派生ムーブメント
Cal.CHR 29-535、PS Qなど
注目の最新ムーブメント
日付けや曜日、月、ムーンフェイズなどを表示し、年に一度だけ調整が必要な年次カレンダーと、現在地と出発地2つの時刻を簡単操作で同時に表示可能なトラベルタイム機構を統合した自社製自動巻きムーブメント。薄型キャリバーの傑作として知られるCal.31-260をベースに開発され、3つのポジションを持つリューズ機構(ゼンマイの巻き上げ・現地時間の調整・時刻合わせ)など、8件の特許機構が採用されている。パワーリザーブ約48時間。
搭載モデル「年次カレンダー・トラベルタイム」
問い合わせ先:パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター TEL.03-3255-8109
https://www.patek.com/
◎本記事は『ウオッチナビ 2022 Summer Vol.86』より抜粋・編集しています。