天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲの偉業を称える最新作「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」は優美なケースに複雑メカを搭載
1775年創業のスイスの名門時計ブランド【ブレゲ(BREGUET)】が、2023年ニューモデルを発表した。ローズゴールドまたはホワイトゴールドのケースに、永久カレンダーを搭載する新作「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」の価格は各1157万2000円(税込)。
永久カレンダーの各種表示を古典的で美しいダイアルに配する
ブランドの創設者、アブラアン-ルイ・ブレゲは1780年代、腕の動きに応じてローターが回転し、主ゼンマイを自動的に巻き上げるペルペチュエル機構を搭載する時計を開発した。この時計には初めてギヨシェ彫りのシルバーダイアルがセットされ、カレンダー表示が配されていた。
新作「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」は、このマスターピースを称える“クラシック”の最新コレクション。細いラグを備えるピュアなラウンドケースは、39mm径の扱いやすいサイズで、18Kローズゴールドと18Kホワイトゴールドのバリエーションを揃える。ダイアルは共通の仕様で、ルーツとなった時計と同じくシルバーギヨシェ。ここにパーペチュアルカレンダー、ムーンフェイズ、レトログラード、ブレゲ針といった、アブラアン-ルイ・ブレゲに所縁の深い機能やディテールを採用している。
ブレゲの中でもっとも薄いカテゴリーに入るキャリバー502.3.Pを搭載
本機の特徴である永久カレンダーは、閏年の2月29日を含め、月末日が異なる月を計算して自動的に調整する特殊な暦表示機能である。ムーブメントに4年周期の機械的なメモリーを組み込む必要があり、高度な技術力を持つブランドしか製造できない。その経緯から、時計における三大複雑機構のひとつに数えられる。
さらに今回、ブレゲは軽くて着け心地が快適な腕時計とするために、厚さを4.5mmに抑えたパーペチュアルカレンダー搭載の「キャリバー502.3.P」を採用。あえて香箱の蓋を設けないなどの薄い設計とするための工夫を凝らしつつ、安定した動力や45時間パワーリザーブを確保している。さらに、ゴールド製ローターをオフセンターに配置してメインプレートのスペースを広く設け、厚みを低減させるメカニズムを追求している。なお、平ヒゲゼンマイとインバーテッド・ストレートライン脱進機のホーンにはシリコン素材が使われており、腐食や損耗への耐性に加え、磁気の影響も受けにくく、精度の向上も図られている。
「キャリバー502.3.P」は性能面だけでなく、仕上げや装飾も秀逸といえる。ゴールド製ローターに手作業のギヨシェ彫りを施したサーキュラー・バーリーコーン(グレンドルジュ)模様、ブリッジを飾るコート・ド・ジュネーブ模様、各パーツに施された面取りなど、ジュウ渓谷の中心地に構えるブレゲ・マニュファクチュールの職人による超一流の技を随所に見ることができる。そしてサファイアクリスタルバックとなっていることで、この精緻で美しいムーブメントを心ゆくまで鑑賞できるのも魅力である。
クル・ド・パリ模様が施されたエレガントなダイアル
鋲(びょう)が規則的に並んだようなクル・ド・パリのホブネイル模様が施されたシルバーダイアルには、センターから伸びる時分針のほかに、サブダイアルのポインター式で日付と曜日と4年周期の閏年を、1-2時間にムーンフェイズ、10-12時間に月をレトログラードで表示。その卓越したデザインバランスも見物だ。なおムーンフェイズは、表面をハンマーで叩く手作業によってリアルな質感を出し、夜空を彩るブルーのラッカーにはスパンコールを混ぜ、光の加減や見る角度によって夜空の煌めきを演出している。いずれの針も青焼きのブルースチール針で、ユニークな形状の時分針は同社伝統のブレゲ針である。また、本物のブレゲ・ウオッチを証明するシークレットサインが刻印されている。
時計の進化を2世紀早めたとされる、伝説の天才時計師が生み出したメカニズムやデザインを備える「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」。本機はまさに、その類稀な伝統と最新技術が融合したハイエンドドレスウオッチという風格がある。
ブレゲ「クラシック パーペチュアルカレンダー 7327」 Ref.7327BR/11/9VU 1157万2000円/自動巻き(自社製Cal.502.3.P)、毎時2万1600振動、45時間パワーリザーブ。18Kローズゴールドケース(シースルーバック)、アリゲーターストラップ。直径39mm、厚さ9.13mm。3気圧防水。
問い合わせ先:ブレゲ ブティック銀座 TEL.03-6254-7211 https://www.breguet.com/jp ※価格はすべて記事公開時点の税込価格です。
Text/三宅裕丈