「ゴリラが日本にやってきた!!」ってなんの話?←腕時計の話です

ゴリラが日本に初上陸しました。といってもこれは腕時計の話。このブランドは、スイス老舗ブランドの元チーフ・アーティスティック・オフィサーとして活躍したオクタヴィオ・ガルシア及びシニアデザイナーのルーカス・ゴップの二人によって2016年に設立された時計ブランドです。その特徴を、6月から国内の時計専門店などで販売される前にチェックしました。

 

特別な素材を使った独創的なデザインが魅力

ブランド名のゴリラは、その力強さや強烈な個性になぞらえてつけられたもの。コレクションは、ハイエンドのマテリアルを絶妙にミックスさせながらエッジの効いたデザインを特徴としています。

日本での第1弾は、2017年発表のコレクション [THE FASTBACK] の3アイテムでスタート。長方形ケースは、セラミックのベゼル、アルミのライニング、カーボンのミドルケース、チタンの裏蓋&ボタンという素材の組み合わせ。これだけの素材を1本の時計に集約するのでも相当な手間がかかりそうなものですが、これでお値段13万8240円(税込)という、驚異のプライスを実現しています。

この価格の理由は、日本製ムーブメントを搭載しているから。スイスは近頃、自国での製造比率が60%を超えないと「スイスメイド」と製品に銘打つことができなくなりました(以前は50%)。これを新興ブランドが達成するには、非常にコストがかかります。おそらく、ゴリラのFASTBACKも「スイスメイド」の道を選択していたら、かなり高額になったことでしょう。

 

とはいえデザインを手がけたのは、かのオーデマ ピゲで働いていた二人。スイス伝統の時計作りのノウハウも高級時計のセオリーも熟知しており、きっと時計関係の人脈も豊かなのでしょう。だからこそ、抑えるべきコストは抑えつつ、かける手間は惜しまずFASTBACKを作り上げることができたに違いありません。

カーボンケースはレイヤー模様とマーブル模様の2種類をモデルで使い分け
クルマのハンドルを想起させるディスクの一部に配色し、時針の代わりに。刻一刻と変わる表情が、時計の特別感を高めます

ひと目見たら忘れられないインパクトを放つゴリラウオッチは、本気で遊びを楽しむ大人のための一本。FASTBACKはコストパフォーマンスを重視したモデルですが、今後はスイスムーブメントを搭載したモデルも出てくるそう。

すでに優秀な創業者に多彩な素材使いという武器があるわけですから、「コスト重視」一辺倒ではないこだわり抜いた製品作りにも期待がかかります。

毎日の生活に刺激が欲しい人は、ぜひ1本手に入れてみてはいかがでしょう?