ウオッチナビ編集部が選ぶパイロットウオッチ3選
大きな文字盤に、はっきりと見やすいインデックスや指針を持ち、飛行中でも時刻を正確に把握できるように設計されているパイロットウオッチ。パイロットが使用することを想定して作られており、高い視認性が特徴だ。往年のパイロットウオッチの要素を加えながら、現代的に仕上げたモデルをウオッチナビ編集部が3本セレクトして紹介する。
偉大な航空機4機へのオマージュ
「クラシック アヴィ クロノグラフ」は「スーパー アヴィ」と同じく、航空史に輝く偉大な4機の航空機へのオマージュとなる配色とデザインが特徴である。
パイロットウオッチの王道といえるブラック文字盤とゴールドブラウンのレザーストラップの組み合わせは、ノースアメリカン社のP-51 マスタングをイメージ。深海を想起させるディープなブルー文字盤とブラックのレザーストラップのコンビネーションのモデルは、ヴォート社の海軍機F4U コルセアへのオマージュだ。カーキ文字盤&ブラウンレザーストラップのミリタリー調の一本は、カーチス社のP-40 ウォーホークを表現。そしてブラック文字盤とブラウンレザーストラップのモデルは、「木造機の奇跡」として知られるデ・ハビランド社のモスキートにインスパイアされている。
4モデルともにステンレススチールケースを採用しているが、P-51 マスタングモデルのみ18Kレッドゴールド製もラインナップ。ケースバックにそれぞれモチーフとする機体のシルエットをエングレービングしている。バンドはステッチ入りのカーフスキンレザーストラップまたは5連のステンレススチールブレスレットから選択できる。
ブライトリング「クラシック アヴィ クロノグラフ 42 P-51 マスタング」 Ref.A233803A1B1A1 73万1500円/自動巻き(Cal.B23)、毎時2万8800振動、48時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット。直径42mm、厚さ14.7mm。10気圧防水。
問い合わせ先:ブライトリング・ジャパン TEL.0120-105-707 https://www.breitling.com/jp-ja/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
1948年に英国空軍の要請で開発した「マーク」の伝統を受け継ぐ
1948年、IWCは英国空軍の要請を受けて、高い精度と耐磁性を備え、視認性にも優れるコックピット計器スタイルの「マーク Ⅺ」を開発した。その後「マーク」はシリーズ化され、航空時計のシンボルとして世界中に愛用者を持つまでに成長。2022年には6年ぶりのモデルチェンジを行い、新ムーブメントの搭載や防水性能を強化した「パイロット・ウォッチ・マーク XX」が登場した。本機はこれまでにブラック、ブルー、グリーンの文字盤をラインナップしてきたが、今回、シリーズ誕生75周年を記念してシルバーメッキバージョンが加わることとなった。
新作IW328208のシルバーメッキ文字盤はホワイトの色味に近く、ブラックの針やインデックスとのコントラストも効果的なうえ、シンプルな3針との相性が良く、読み取りやすいデザインとなっている。また、要所に蓄光型の夜光機能を備えており、暗闇における視認性も優れている。
直径40mmのラウンドケースはステンレススチール製で、従来よりもスリムなうえ、ラグの適度な湾曲によって手首へのフィット感が増して装着性が高まっている。このケースに収まるのが、IWCのマニュファクチュールムーブメントである「キャリバー32111」。耐磁性や耐久性においてメリットがあるシリコン製の脱進機のほか、双方向巻き上げ機構の採用、パワーリザーブを大幅に延長して120時間駆動を実現するなど、精度はもちろん実用面も現在のニーズに合わせたムーブメントである。
また、ねじ込み式のリューズと裏蓋を用いて10気圧防水を確保している点やカレンダー表示、IWC独自の「EasX-CHANGE」による工具不要のバンド交換システムなど、利便性を追求した一本といえる。
IWCシャフハウゼン「パイロット・ウォッチ・マーク XX」 Ref.IW328208 95万1500円/自動巻き(自社製Cal.32111)、毎時2万8800振動、120時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース&ブレスレット、ドーム型サファイアクリスタル風防(両面反射防止加工)。直径40mm、厚さ10.8mm。10気圧防水。
問い合わせ先:IWCシャフハウゼン TEL.0120-05-1868 https://www.iwc.com/jp/ja/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
現代的なスタイルを纏う「パイロット オートマティック」
「パイロット」の新作は、過去と現在の航空界全体からインスピレーションを得て、ゼロから設計された全く新しいモデルとなっている。3針の「パイロット オートマティック」は、40mm径のラウンドケースにフラットトップラウンド型ベゼルを採用することで、モダンなスタイルを実現。横方向の溝がデザインされたブラックオパラインの文字盤は古い航空機の機体を構成する波型のメタルシートを模したもので、本機の特徴である。ホワイトのスーパールミノバでコーティングしたオーバーサイズの読み取りやすいアラビア数字インデックス、操作性に優れる角張った大型のリューズといった航空時計特有のスペックをしっかり押さえつつ、ムーブメントには60時間のパワーリザーブを誇るマニュファクチュールキャリバー、エル・プリメロ 3620を搭載している。
「パイロット オートマティック」は、ステンレススチールとブラックセラミックの2種類のケースがラインナップされており、各々ストラップの仕様が異なる。
マイクロブラスト加工によるマットな表面のブラックセラミックケースのモデルには、ブラックコーデュラ・エフェクト ラバーストラップが標準でセットされており、こちらも交換用としてミリタリーテイストが個性を主張するカーキカラーのコーデュラ・エフェクト ラバーストラップが付属している。いずれのモデルもシンプルであるため、ストラップのセレクトによってはビジネスシーンでも活躍が見込めるなど、汎用性の高い実用的なモデルとなっている。
ゼニス「パイロット オートマティック」 Ref.49.4000.3620/21.I001 121万円/自動巻き(自社製Cal.エル・プリメロ 3620)、毎時3万6000振動、60時間パワーリザーブ。セラミックケース(シースルーバック)、ブラックコーデュラ・エフェクト ラバーストラップ(交換用カーキコーデュラ・エフェクト ストラップが付属)。直径40mm。10気圧防水。
問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス TEL.03-3575-5861 https://www.zenith-watches.com/ja_jp ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/三宅裕丈、平野翔太(WN編集部)