「G-SHOCK フロッグマン」最新形態はデジタルダイバーズウオッチの最高峰だ
G-SHOCKのフロッグマンが2016年に最新形態へと進化を果たしました。このモデルの開発に際し、関わった多くのスタッフが潜水士の資格を取得したというだけでも、カシオの思い入れの強さが感じられるでしょう。レスキューの現場で使うことを想定して開発され、新たに水深計を備えたダイバーズウオッチの最高峰。このモデルの魅力に改めて迫ります。
23年目にして待望の「トリプルセンサー」を装備
最新フロッグマンは、1993年の初号機から数えて第6世代となります。開発には、実際に過酷な現場で活躍するプロレスキューの方に協力を仰ぎ、助言や要望をすべて盛り込んだそう。そうした話を理解するためにも、やはり潜水士の資格は欠かせなかったとのことです。
↑左の旧モデルに対し、右の新型はサイズが大きくなった。液晶も複数の情報を三段で同時表示する方式に変更
最も大きな進化点は、シリーズで初めてトリプルセンサーを備えたことにあります。これで方位と水温、そして水深を測ることができるようになりました。
ちなみに方位計には自動水平補正機能があり、計測時の傾斜を最大80度まで補正。完全に水平を保たなくても、信頼性高くスムーズにコンパスの表示を確認できます。
水深計は80mまで10cm単位で計測が可能。法で決められている作業潜水の最大深度は60mですが、あえて必要以上のスペックが与えられるのは、最高峰ダイバーズウオッチの宿命です。
電池交換の手間がないのも実用面では重要
1分1秒を争う現場で、時計がいきなり電池切れでは話になりません。最新フロッグマンは、当然ソーラー駆動。マルチバンド6で、世界6局の標準電波の受信にも対応するので精度も非常に高いです。
同じく潜水中にバンドが突然切れて時計が腕から脱落しては、もう見つけることはできません。そのため、カーボンファイバーをバンドに織り込むことで耐久性を高め、いきなりちぎれないようになっています。
ケースは液晶表示の視認性を確保するために大型設計ですが、手首に干渉しにくい特有の非対称デザインで装着性を向上。ボタンの形状も押し間違いを防ぐために変化をつけています。
潜水士にとって腕時計は、マスク、シュノーケル、フィンの3点セットに次ぐ必要不可欠なアイテムだと言われています。もちろん極限状態では時計を丁寧に扱っている余裕はないので、G-SHOCKのタフさは極めて頼りになるでしょう。
さらに、潜水開始時刻・潜水時間・最低水温・最大水深という潜水記録に必要なデータをオートメモリー(ダイビングログメモリー20本)、 分速10m以上のスピードで浮上するとアラームで報知する浮上速度警告機能、 タイドグラフ/ムーンデータなど、作業潜水に特化した様々な機能も備えたフロッグマンは、まさにデジタルダイバーズウオッチの最高峰だと言えるでしょう。
【SPEC】
ムーブメント:クオーツ(ソーラー電波)
サイズ/質量:縦59.2×横53.3mm、厚さ18mm/141g
素材:SS+樹脂ケース、カーボンファイバーインサートバンド
防水性:ISO200m潜水用防水