ウオッチナビ編集部が選ぶ個性派トノーケースウオッチ3選

フランス語で「樽」を意味するトノーケースは、クラシックでレトロな形状が特徴だ。各ブランドからスケルトン文字盤やケース素材に拘るなど、様々なトノーケースのモデルが登場している。そこで今回は、個性的なデザインを持ったトノーケースの時計をウオッチナビ編集部が3本セレクトして紹介する。

ブラック&ホワイトで統一された遊び心のあるコラボモデル

スイス高級機械式腕時計ブランド【フランク ミュラー(FRANK MULLER)】は、東京を拠点とするストリートウェアブランド#FR2とコラボレートした「#FR2NCK MULLER VANGUARD」を発売。2つのブランドの独自性あふれる精神が共鳴し、初のコラボレーションとなる。「#FR2NCK MULLER VANGUARD」は、フランク ミュラーのアイコニックなヴァンガードウォッチに、#FR2の独特のデザインを採用した。直線と曲線が織りなす物体のもつ美しさを究極に追求したトノウ型ケースと立体的なインデックスのなかに、#FR2の自由な発想で生まれたうさぎのモチーフが配され、ストリート ファッションのエッセンスを取り込んだエッジの効いたデザインに仕上がっている。

「#FR2NCK MULLER VANGUARD」は、マットホワイトの文字盤をベースにブラックのスケルトン化された針やアワーマーカー、立体的なアプライドインデックスを備えている。文字盤の7 時位置には、#FR2の挑発的なFxxking Rabbitsモチーフをインデックスの代わりに配置し、ウサギの赤い目がアクセントになっている。さらに針、アワーマーカー、グラフィックモチーフにはスーパールミノバが部分的に塗布され、暗闇の中で文字盤から飛び出すようにデザインされている。

ケースには、カーボンとグラスファイバーを組み合わせた素材を採用している。軽く強い素材を作るために、炭素粉末とガラス繊維を組み合わせ、そこに結合樹脂を含浸し、摂氏150度で3時間焼き、200トンの圧力をかけ生成している。異素材をランダムに混ぜ合わせプレスすることで、個体ごとに異なる独自の縞模様が現れる点も魅力だ。個性的なケースと文字盤のデザインに合わせ、装着されるナイロンストラップはストリートファッションの愛好家になじみのあるタイポグラフィスタイルのテキストがデザインされている。

フランク ミュラー「#FR2NCK MULLER VANGUARD」 192万5000円/自動巻き、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。カーボンケース、ファブリックストラップ。縦50×横41mm。

問い合わせ先:フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL.03-3549-1949 https://franckmuller-japan.com ※価格は記事公開時点の税込価格です。

 

幾何学モチーフの独自デザインでケースから刷新

 

「スピリット オブ ビッグ・バン サンブルー」は、ビッグ・バンシリーズのデザインを引き継ぎながらも、強い個性を発揮。ラインナップは、チタニウム製(200本限定)、オールブラックセラミック製(200本限定)、18Kキングゴールド製(100本限定)の3種類。さらに、チタニウム製と18Kキングゴールド製の2モデルには、180個のダイヤモンドが施されたモデルもある。

ケースからベゼルにかけては、幾何学モチーフのタトゥーが交互に重なり合うように配置。サファイアクリスタルのダイアルには、サンブルーとのコラボレーションの特徴である幾何学モチーフのディスク針と自動巻きムーブメントHUB4700を見ることができる。

ファセット加工を施し、構造化された42mm径のケースは、立体的で人間工学に基づいてデザインされており、あらゆる手首のサイズにフィット。「ビッグ・バン サンブルー II」の幾何学的なデザインはそのままに、トノー型ケースで表現している。手首のカーブに完璧にフィットするように、ケースバックとサファイアクリスタルが数カ所でアーチ状になっている点が特徴だ。

ウブロ「スピリット オブ ビッグ・バン サンブルー チタニウム」 Ref.648.NX.0107.RX.MXM23 363万円/自動巻き(Cal.HUB4700)、毎時3万6000振動、50時間パワーリザーブ。チタンケース(シースルーバック)、ラバーストラップ、サファイアクリスタル風防(反射防止加工)。直径42mm、厚さ15.7mm。10気圧防水。世界限定200本。

問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL.03-5635-7055 https://www.hublot.com/ja-jp ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

 

“好奇心”や“少年心”がデザインテーマ

 

クストスが開発した「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック サファイア」は、航海から生まれた美学に着想を得たスポーツコレクション「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック」がベースとなる。同モデルは透明の文字盤とシースルーバックを特徴とするが、本機はさらにケース素材に無色透明のサファイアクリスタルを用いることで、360度どこからでも機械式ムーブメントの構造を鑑賞可能とした。この大胆なデザインは、商品の開発テーマとなる“好奇心”や“少年心”を表現したもので、高級機械式時計の新たな楽しみ方を提案している。オープンワークやシースルーバックの腕時計は数多く存在するが、どの角度からもムーブメントを確認できるのは、本機ならではの特別な魅力となる。

「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック サファイア」は、トレンドカラーのターコイズブルーと、エネルギッシュなオレンジの2モデルが用意され、このキーカラーでラバーストラップ、リューズ、インナーベゼル、スモールセコンドなどを鮮やかにデザインする。縦53.7mm×横41mmのトノーケース、50m防水、約42時間パワーリザーブなど基本スペックに加え、独創性あふれる文字盤の意匠は2モデル共通だ。この文字盤には見どころが多く、6時位置のスモールセコンドは、舟艇に取り付けられたスクリューの動きと機械式時計のメカニズムをリンクさせるため、特殊設計を採用。通常、秒針はムーブメント中央部分にあり、エスケープメント横のセコンドホイール(4番車)に取り付けられる。しかし、11時側にエスケープメントがあり、6時側にスモールセコンドを設置するために、動力源をガンギ車から取って6時位置まで輪列を作成した。

また、スモールセコンドでスクリューの動きを再現するために、機械式ムーブメントにとっての弱点となる“磁力”をムーブメント内部に採用。アディショナルセコンドホイールの裏側から微弱な永久磁石で安定させる新技術を登載し、駆動中の違和感ある動きを事前に防いでいる。さらにムーブメントのブリッジには、実際の船艇でも使われる美しい木目に、強靭な耐久性を備えるチーク材がストライプ状に接合され、見た目と耐久性の向上を両立している。

クストス「チャレンジ シーライナー P-S オートマティック サファイア」 Ref.CVT-SEA-PS-CP5N-TUR SAPH 709万5000円/自動巻き、42時間パワーリザーブ。サファイアクリスタルケース(シースルーバック)、ラバーストラップ。縦53.7mm×横41mm。5気圧防水。世界限定25本。

問い合わせ先:フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL.03-3549-1949 https://cvstos.jp ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

 

Text/WATCHNAVI編集部