文字盤で“ドラゴン”が躍動。辰年ならではの特別なブラスト トゥールビヨンが誕生
スイスのル・ロックルを拠点とする独立系マニュファクチュールウオッチブランド、【ユリス・ナルダン(ULYSSE NARDIN)】が最新作を発表。ブランドを代表する「ブラスト トゥールビヨン」に2024年の干支、辰(ドラゴン)を大胆にあしらった「ブラスト トゥールビヨン ドラゴン」が発売となり、価格は1486万1000円(税込)。
「ブラスト トゥールビヨン」とドラゴンが見事に融合
2020年のファーストモデル誕生以来、「ブラスト トゥールビヨン」は、その鋭いエッジと破壊的なスタイル、最高水準のムーブメント、アイコニックな“X”の構造によって、ユリス・ナルダンの斬新な技術とデザインのシンボルとしての地位を築いてきた。今回、この革新的なモデルと2024年の干支となる辰(ドラゴン)が見事に融合し、「ブラスト トゥールビヨン ドラゴン」として新たに姿を現した。
18Kローズゴールドから手彫りされたドラゴン
本機を見て、まず目に飛び込んでくるのが、文字盤にあしらわれた躍動感あふれるドラゴンだ。この神話上の生き物が18Kローズゴールドから手彫りされており、スケルトナイズされたXの構造に美しく絡みつき、まるでムーブメントの奥底から姿を現しているかのように演出。ドラゴンの前方には、フライングトゥールビヨンのケージ上で5つの鋭い爪に囲まれた神秘的な真珠が配され、優雅な輝きを放つ。帝政王朝の時代において、5本の爪を持つドラゴンは最高権威の象徴という意味があったことから、この5本の爪のディテールは採用されている。
最新の3D技術を用いて、ドラゴンを制作
今から12年前となる2012年の辰年、ユリス・ナルダンはエナメルの装飾芸術で美しいドラゴンのアートワークを描いた限定88本の「クラシコ エナメル シャンルヴェ ドラゴン」を発表した。本機では最新の3D技術を用いて、時計の針の下や歯車列とX構造の平面の隙間を滑るようにドラゴンを制作。非常に精密にモデリングし、波打つ尾の鱗から輝くヒゲ、爪の一つ一つのディテールに至るまで見事に表現した。
手作業で行われたエングレービングとマイクロペイントが施された18Kローズゴールドの龍は、エングレービングには3日間、赤、オレンジ、黄色のグラデーションの色調を塗るのには丸1日がかけられている。また、ユニークな文字盤のデザイン、ケースとベゼル、クリスタルガラスボックスの設計には特注の調整が施され、2年以上にわたる開発プロセスを経て、個性あふれる意匠を実現している。
トゥールビヨンムーブ、キャリバーUN-172を搭載
「ブラスト トゥールビヨン ドラゴン」は、45mm径の18Kローズゴールド製ケースにDLCブラック仕上げのチタン製ベゼルとミドルケースをセット。迫力ある文字盤とケースに相応しく18KローズゴールドとブラックPVDチタン製フォールディングクラスプ付きで、存在感のある一体型ブラックアリゲーターストラップを採用する。時計の心臓部には、2020年に発表されたユリス・ナルダン初の自動巻きスケルトン・トゥールビヨンムーブメント、キャリバーUN-172を搭載。12時位置に配されたプラチナ製マイクロローターは、小さいながらも最大3日間のパワーリザーブを実現し、さらにメゾンの先駆的なシリコン加工技術をガンギ車、アンクル、ヒゲゼンマイに使用することで耐磁性能も大幅に向上。非常に実用性の高いムーブメントとなっている。
機械式時計のファンなら一度は目にしたい一本
本機の価格は1000万オーバーと雲上設定だが、18Kローズゴールド製の精巧なドラゴンや自社製の高性能ムーブメントの搭載など作り込みを見れば納得とも言える。手に入れることは難しいかもしれないが、機械式時計のファンであれば一度は目にしたい至高の一本といえるだろう。
ユリス・ナルダン「ブラスト トゥールビヨン ドラゴン」 Ref.1725-400-2A/1A 1486万1000円/自動巻き(Cal.UN-172)。毎時1万8000振動。72時間パワーリザーブ。18Kローズゴールドケース、レザー+ラバーストラップ。直径45mm。5気圧防水。
問い合わせ先:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791 https://www.ulysse-nardin.com/jp_jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。
Text/三宅裕丈