【ルイ・ヴィトン】スペインの時計師ラウル・パジェス氏が第一回目のウォッチ プライズを受賞

ラグジュアリーメゾン【ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)】は、時計界の発展と活性化を目的とするコンペティション「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」の受賞者にスペインの時計職人、ラウル・パジェス氏を選出したことを発表した。

1000通近い作品の中からファイナリストを選出

「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」は、スイスのジュネーヴに拠点を構えるルイ・ヴィトンのウオッチメイキングアトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」が主催するコンペティションだ。時計作りに従事する次世代への支援を目的とし、2022年12月に第一回目の開催を発表。2023年9月に1000通近い応募作品の中から20名のセミファイナリストを選出し、同年12月に「デザイン」、「クリエイティビティ」、「イノベーション」、「クラフツマンシップ」、「技術的複雑さ」という審査基準に基づいて、5名のファイナリストを決定した。アワーグラスのグループマネージングディレクターのマイケル・テイ氏、タグ・ホイヤーのムーブメントディレクターのキャロル・フォレスティエ-カザピ氏、有名なコレクターで作家のアウロ・モンタナーリ氏、独立系時計メーカーでアトリエ・アクリヴィアの設立者レジェップ・レジェピ氏、独立系ウオッチ専門ジャーナリスト兼SJXウォッチズの創業者ジアシャン・スー氏で構成される5名の専門家委員が最終審査を担当し、プロフェッショナル達の厳しい審査の結果、ラウル・パジェスが見事受賞となった。

スペインの時計職人、ラウル・パジェス氏

自ら独立系ブランドを率いるラウル・パジェス氏

スイスのヌーシャテル州にある小さな村を拠点とするラウル・パジェス氏は、ウオッチメイキングのマスターピースの修復師として活動後、2012年に独立系時計メーカーを立ち上げた。デザインや機構の開発から製造、組立て、仕上げまで、すべて手作業で行っており、年に4本ほどのタイムピースを製作。今回の受賞作となる「RP1-レギュラトゥール・ア・デタント」は、ステンレススチール製の手巻きモデルで、クラシカルな機構となるピボット・デテント脱進機搭載のムーブメントを装備。ブラックのフリンジを配したグレー文字盤の中央に分針、12時位置に12時間計、6時位置にスモールセコンドをレイアウトし、シンプルだがしっかりと個性のあるフェイスデザインを特徴とする。ラウル・パジェス氏は、「『ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ』の審査員団からこのような栄誉にあずかることは、独立系時計メーカーとしての自分の仕事に対する何にも勝る評価です」と今回の受賞についての喜びを語っている。

2024年2月6日、パリにて授賞式を開催

2024年2月6日、パリにあるブランドの美術館、フォンダシオン ルイ・ヴィトンにて授賞式およびカクテルレセプションが開かれ、この場でラウル・パジェス氏には、ムーブメントのテンプ上の部品からインスピレーションを得た螺旋状のシルバー製トロフィーが贈呈された。さらに助成金とプロジェクトのニーズに合わせた「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」の専任エキスパートチーム(時計師、エンジニア、職人)による1年間のインターシップも同氏には提供されることになる。

次回のウォッチ プライズは2026年開催

ラウル・パジェス氏の名は、日本ではそれほど知られていない。このようにまだ知名度は低いが、優れた技術や発想、そして時計作りに情熱に注げる時計師にスポットライトを当てることは、この賞の大きな使命であり、第一回目から見事にその役割を果たしたといえる。今後のラウル・パジェス氏の活動に大いに注目したいところだ。また、「ルイ・ヴィトン ウォッチ プライズ フォー インディペンデント クリエイティブズ」の次回の開催は2026年に予定されている。

 

問い合わせ先:ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL.0120-00-1854 https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/homepage

Text/三宅裕丈