タカシマヤ ウオッチメゾン サマープレステージ ウオッチフェアで見るべき 10年飽きない”大人の仕事時計”5選

85ブランド以上を一挙に見られる驚異的な品揃えですっかり時計ファンに定着したタカシマヤ ウオッチメゾンでは、現在サマープレステージ ウオッチフェアを開催中。今回は、同店が居を構え、商いの街としてルーツを持つ日本橋にちなんで、10年飽きない“大人の仕事時計”というテーマにて、このフェアで見るべき時計をオススメしたいと思います。

まず、1本目をご紹介するとともに、選ぶルールについても触れていきましょう。ポイントとなるのは、”他者へ話題を提供できるか””自分の主張をサラリと潜ませられるか”の2点。ファーストウオッチを手にした頃よりも少しだけ大胆に、かつ仕事での武器になりうる”自分への投資”たる腕時計を選ぶべきでしょう。

ブライトリング
「アベンジャーⅡ ブルーインパルス リミテッド エディション」71万2800円/Ref.A339ABIPSS SSケース&ブレスレット 43mm径 自動巻き

アベンジャーⅡはブライトリングの定番クロノグラフとして人気のモデルですが、本機はその限定版。”プロのための計器”を標榜する同社にとって、高い親和性を持つブルーインパスルにオマージュを捧げた一本で、爽やかな白ダイアルとブルーのインダイアルとのコントラストが空へのロマンを感じさせます。

本機の密かな主張というと、ファン垂涎のライダータブベゼル。ブライトリング好きならばひと目でそれと分かるこの意匠は、スーツの袖口から覗くだけで同社のファンである意思表示のようなモノ。親しくなりたい取引先の担当が、幸いにもこのデザインに気づいたなら向こうから話題が振られることでしょう。

パネライ
「ルミノール ドゥエ スリーデイズ オートマティック チタニオ-45mm」132万8400円/Ref.PAM00729 チタンケース、アリゲーターストラップ 45mm径 自動巻き

さて、2本目は”デカ厚”の先駆者たるパネライが放つ、薄型かつエレガントなルミノールです。本機は”ドゥエ”の名が示すように、パネライの時計における第二の姿であり二面性の現れだと筆者は考えます。ルーツはミリタリーウオッチでも、薄く、エレガントになったのだからビジネスでも着けやすくて結構だ、そう捉えられるような懐の深い着け手にこそふさわしいでしょう。伝統のサンドイッチダイアルとクッションケース、何より大型のリューズガードはルミノールの証。そして、10.7mmの厚さは紛れもなくドレスウオッチと言えるサイズであり、小径・薄型の時計が主流の現代において、パネライが表現した最もモダンな時計と言えます。
そんな、ルミノールのアイコニックなデザインを気軽に纏えるようになったことは大きな価値であります。さらに本機は、チタンケースの採用により、耐傷性に優れるうえ軽量という仕事時計として最適な個性も持ち合わせているのです。

グランドセイコー
「キャリバー9S 20th アニバーサリー リミテッド エディション」167万4000円/Ref.SBGJ229 チタン×セラミックケース&ブレスレット 46.4mm径 自動巻き

3本目ともなると意外性に満ちた時計をセレクトしたくなります。このルックスで、本機はかのグランドセイコーなのです。9Sキャリバーの20周年を祝ったこの限定モデルは、GSロゴを幾何学的に配した特別な文字盤を備え、美しいGSブルー色のセラミックスを初めて採用。ハイテク素材を用いたスポーティなルックスでありながら、スーツと合わせても違和感のないエレガンスを持つのはこの特別なデザインならではと言えます。かつて、ここまでデザインに趣向を凝らした国産時計があったでしょうか? 本機は、”ラグジュアリースポーツ”モデルが一流ブランドの合言葉となっている現代の腕時計において、グランドセイコーが本気で挑んだ結果なのだと思います。GMT機能を持つ個性と合わせ、世界で戦うビジネスマンこそ、国産時計の最高峰たる本機を腕に巻くべきでしょう。

IWC
「ポルトギーゼ パーペチュアル カレンダー」640万9800円/Ref.IW503406 プラチナケース、アリゲーターストラップ 44.2mm径 自動巻き

さて、ここから2本は”仕事時計”と言えど、選ばれた人のみが手にできる一本となります。それは、これらが広い時計界において稀有な存在感を放つアイコンを備えているからです。本機が搭載するパーペチュアルカレンダーは、その機構自体が機械式時計における”3大機構”などと呼ばれています。IWCの功績は、そんな雲上機構のあり方に一石を投じたことにあります。

元来、パーペチュアルカレンダーは1つの設計をするのに多大な年月を必要とするものでした。しかしながら、IWCのリビング・レジェンドである時計師クルト・クラウス氏は、この機構をより汎用性の高い構成にリデザインし異なるサイズや形状のケースにも搭載することを可能にしたのです。これにより、現代では多彩な時計のサイズやデザインから着け手が自由に選べるようになりました。

“仕事”とは、いかなるジャンルにおいてもパイオニアによって最初の価値が生まれるもの。パーペチュアルカレンダーはIWCのものを手にすることが、それに値すると思うのです。

A.ランゲ&ゾーネ
「サクソニア・ムーンフェイズ」344万5200円/Ref.384.031 18KPGケース、アリゲーターストラップ 40mm径 自動巻き

大トリを飾るのは、タカシマヤ ウオッチメゾン・日本橋に新規加入したA.ランゲ&ゾーネの2018年目玉となる一本。年産で数千本という限られた数しか生産しない同社の時計は、それだけでも高い価値を持ちますが、精悍なブラック文字盤と美しいコントラストを醸すムーンディスクへのブランドのこだわりようを知れば、たちまちにこの時計の虜になるでしょう。同社のムーンフェイズというと、アイコンピースであるランゲ1に用いられるものが印象的。

しかしながら、このサクソニアに採用したムーンディスクは、今回のブラック文字盤の発色に合わせて新規に製作したものだといいます。文字盤の黒色に合わせてやや暗めの色に表現されたディスクには、852個の星が緻密にあしらわれています。生産の効率などよりも、個別の時計の美しさにこだわる姿勢は、一部の選ばれた仕事人が共鳴するポイントでしょう。本機は、月の満ち欠けとともに、日々の仕事へ向き合う姿勢をも示してくれる一本と言えるのです。

今回は個性の異なる5本の時計を、”仕事時計”の観点から紹介いたしました。そのいずれも、一般的なイメージで言う”ビジネスウオッチ”ではなかったと思います。しかし、このクラスの時計を手にすれば、実用性を超えて自分の仕事に与える影響を手にする事ができます。仕事は、自分の半生を捧げるものだけに、こうした特別なモノで彩り、より輝かせたいものです。

なお、タカシマヤ ウオッチメゾン 東京・日本橋では、フェア中、魅力的なイベントの数々も開催予定。本誌が推すのは、6/16(土)14時と16時から行われるローマン・ゴティエ氏による時計加工の実演です。彼は、独立時計師と呼ばれる自身の名を冠した時計を製造できる稀有な存在であり、なかでもパーツの装飾が美しいことで著名です。”面取り”という、パーツのエッジをより際立たせる緻密な作業によって、金属に煌きが与えられる様をぜひご覧ください。

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