24時間かけて針が文字盤を一周するシングルハンドウオッチに純白のエナメルダイアルの超希少限定モデルが誕生

ユニークな時計作りで知られる【マイスタージンガー(MEISTERSINGER)】がニューモデルを発表した。エナメルダイアルを採用したシングルハンドモデル「24H エナメル エディション」は、世界限定25本の限定リリース。価格は99万円(税込み)。

マイスタージンガーの哲学を体現するタイムピース

 

マイスタージンガーは、1本の針だけで時刻を表現するシングルハンドウオッチのコレクションで知られ、時計業界において独自の存在感を示している。同ブランドが提唱するのは、分針や秒針が慌ただしく動き回る現代社会の時間の流れとは一線を画す、ゆったりとした時の捉え方。今回、その哲学を具現化するモデルとして「24H エナメル エディション」を発表した。本機は一般的な腕時計とは異なり、針が1日で1回転するユニークな24時間表示を備える。丁寧に青焼き処理が施されたニードル型の針が24時間かけてダイアルを一周し、大きな時間軸で一日の流れを伝えてくれる。

熟練の職人が手掛ける美しいエナメルダイアル

「24H エナメル エディション」の見どころは、伝統的な技法を駆使し、職人が一つひとつ手作業で生み出したエナメル製のダイアルだ。エナメル加工は複雑かつ精緻を極め、世界でも限られた職人のみが習得する技術。ダイアルは約800℃という極めて高温の炉で、複数回にわたり焼成され、そこには髪の毛一本ほどの誤差も許さぬ厳格な精度が求められる。さらに超微細なエナメル粉末が幾重にもコーティングされ、専用の炉で焼成後にゆっくりと冷却することで、完璧なまでに均一で深みのある艶感が生まれる。

また、ダイアルの安定性を確保するため、裏面にも抜かりなく特別な処理が施されている。製造の環境は、わずかなホコリすら許されない徹底した清浄さが不可欠で、途中で失敗作となるケースも少なくない。結果、最終的に時計として組み込まれるのは、ごく限られたダイアルのみとなる。

本機のエナメルダイアルは、歴史的な「3・6・5」スタイルに基づいて設計し、エレガントなローマン数字と繊細なタイポグラフィを特徴とする唯一無二の表情に。ホワイトの艶やかな輝きを湛えるエナメルダイアルと、ブラックを基調としたインデックスの組み合わせは古典的な美しさと卓越した視認性を両立させ、ブランドの美意識を感じ取ることができる。

スイス製の自動巻ムーブメント「キャリバー SW330」

そして「24H エナメル エディション」は、昼間にはコンパスとしても使用可能で、実用的な計器としての一面も持つ。ダイアル上の6時、12時、18時、24時の位置を見ると、控えめにレイアウトされた東(O)、南(S)、西(W)、北(N)の4つの方位表示が確認可能。本機を地面と平行になるように水平に置き、針を太陽の方向に向けるだけで印字された方位が正確な方角を表示する。デジタル時計では珍しくないが、機械式時計でありながら、コンパス機能を備えている点も本機の際立つ個性といえる。

そして、このタイムピースの心臓部には、約38時間のパワーリザーブを有するスイス製の自動巻ムーブメント、キャリバー SW330を搭載。ネジ留めされたガラス製のシースルーバックからは、丹念に仕上げられたムーブメントの精緻な動きを余すことなく鑑賞可能だ。

腕時計にオリジナリティや遊び心を求める愛好家に、提案したいタイムピースといえるだろう。世界25本の限定生産となるため、各個体にはエディションナンバーが刻印され、証明書も付属。この希少性も「24H エナメル エディション」の大きな魅力として伝えておきたい。

 

マイスタージンガー「24H エナメル エディション」 Ref.ED-PM99-24HE 99万円/自動巻き(Cal.SW330)、約38時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース(シースルーバック)、ナチュラルレザーストラップ。直径40mm。5気圧防水。世界限定25本。

 

問い合わせ先:サイプレストレーディング TEL.06-6459-4140 https://meistersinger-watches.jp/

※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。

Text/三宅裕丈