〈ウオッチナビ編集部が推すベスト バイ〉世界最大の時計見本市で見た「進化する定番時計」厳選2ブランド[タグ・ホイヤー][チューダー]

時計界最大の祭典である「ウオッチズ&ワンダーズ」を中心に、各ブランドの2025年新作について取材した。そこから見えてきたのは、「進化する定番」という時計の潮流。ウオッチナビ取材陣が推す、ベスト バイ ウオッチについて紹介する。

“進化する定番”が各社の個性を映し出す

2025年上半期のニューモデルからまず浮かび上がるのは、長年愛される定番モデルが素材・機構・ビジュアルで大胆に刷新を果たしつつ、アイデンティティを堅持する「進化する定番時計」だ。その手法はブランドごとに異なるが、機能と技術のモダナイズという点では、タグ・ホイヤーやチューダーの存在感が際立つ。時計としてのスペックやユーザビリティを適正に進化させ、定番モデルをより高レベルに引き上げている。

 

往年のフォーミュラ1がソーラーグラフでリバイバル


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ」
(ラバーストラップモデル左から)Ref.WBY1117.FT8087、Ref.WBY1162.FT8105、Ref.WBY1161.FT8086、Ref.WBY1160.FT8085 各26万9500円/(ブレスレットモデル)Ref.WBY1111.BA0042 28万6000円

前身のホイヤーがタグ・ホイヤーとして躍進を始めた1986年、斬新なデザインで人気を博したレーシングモデルがルーツ。カバードタイプのラグやゴツゴツしたベゼルなど、往年のスタイルを継承しつつ、サイズはオリジナルの35mm径から38mm径に拡大。そして一番の進化ポイントが、約40時間のフル充電で最大10か月駆動のソーラーグラフ「キャリバーTH50-00」の搭載だ。選ぶのが楽しくなる多彩なバリエーション展開も魅力のひとつ。

 

デザインとムーブメントが華麗にアップデート


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ デイデイト」 Ref.WDA2111.BD0001 126万5000円

モーターレーシングのヘリテージに深く根差した頂上コレクションの3針デイデイトウオッチが華麗にリニューアル。新作は薄く洗練されたベゼル、インデックス&指針と同色のアウトラインで囲まれたデイデイトなど、よりモダンなデザインに。適度にテーパーを効かせた新ブレスレットは装着感にも徹底してこだわった。特徴のあるグラスボックスのデザインから着想を得た立体的な表情を持ち、とりわけステンレススチール+18Kローズゴールドのコンビネーションモデルは控えめにしてエレガント。

 

問い合わせ先:LVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー TEL.03-5635-7030 https://www.tagheuer.com/jp/ja/

 

「ペラゴス」史上最強の1000m防水とマスター クロノメーター認定


チューダー「ぺラゴス ウルトラ」 Ref.M2543C1A7NU-0001 87万3400円

チューダーで唯一ヘリウム排出バルブを備え、軍用ダイバーズの雰囲気を残すプロ仕様コレクションがさらに進化した。43mm径の大型チタン製ケース&ブレスレットは新設計で、飽和潜水対応の1000m防水を実現。セラミックトップの逆回転防止ベゼルやケースバックも同様にチタン製だ。搭載する約65時間パワーリザーブの「キャリバーMT5612-U」は、1万5000ガウスに耐えるマスター クロノメーター認定と、まさに全身がオーバースペック! しかも交換用ラバーストラップが付属する。

 

問い合わせ先:日本ロレックス / チューダー TEL.0120-929-570 https://www.tudorwatch.com/ja

 

ウオッチズ&ワンダーズとは?

「WATCHES & WONDERS GENEVA」は、毎年春にスイスのジュネーブで開催される世界最大の新作時計ショー。2025年は過去最大となる名門60ブランドが参加。来客者5万5000人、取材者1600人、リテーラー6000人が集結した。

 

◎本記事は『ウオッチナビ 2025 Summer Vol.98』より抜粋・編集しています。価格は記事公開時点の税込価格です。

Text/WATCHNAVI編集部