本物の銀貨を使用!「コインウオッチ」60周年を祝うコルムの限定モデルが日本上陸
スイスの高級時計ブランド【コルム(CORUM)】が、本物の硬貨を用いた「コインウオッチ」の誕生60周年を記念し、2024年に発表した「ヘリテージ コイン」の日本販売を発表した。本機は、700本のみ生産されるリミテッドモデル。価格は253万円(税込)。
1964年に誕生した世界初の「コインウオッチ」を讃えて
2024年、コルムが初めて「コインウオッチ」を世に送り出してから60年を迎えた。この記念すべき年を祝うために開発された「ヘリテージ コイン」の日本国内販売がいよいよ開始される。コルムは1964年、“Time is money”というメッセージとともに、本物の金貨を二分割し、その内部に超薄型ムーブメントを収めた「コインウオッチ」をリリースした。このユニークな時計は、リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュといった歴代アメリカ合衆国大統領のほか、ノーベル賞受賞者のヘンリー・キッシンジャー、ポップアートの巨匠と称されたアンディ・ウォーホルなど、多数の著名人に愛用され、アメリカにおける成功とステータスを象徴する存在となった。その誕生60周年を祝う「ヘリテージ コイン」は、1964年発表のオリジナルモデルとほぼ同時期となる1965年に鋳造された銀貨を用いたスペシャルエディションで、700本のみ生産されることとなっている。
ダンテの生誕700年を記念して鋳造されたイタリアの銀貨を使用
「ヘリテージ コイン」は、イタリアの500リラ銀貨を精密に薄くスライスし、その間に自動巻きの2針ムーブメントを組み込んだユニークな構造となっている。銀貨本来のデザイン要素を保持するため、秒針およびインデックスを排したミニマルなダイアルが特徴だ。ちなみに本機に使用されている銀貨は、イタリアの詩人、ダンテ・アリギエーリ(1265年~1321年)の生誕700年を記念して鋳造されたもの。ダンテは叙事詩「神曲(La Divina Commedia)」を教養人しか読むことのできなかったラテン語ではなく、当時の口語であるトスカーナ方言で著述したことにより、“イタリア語の父”としても讃えられている。
ケースバックには月桂樹の冠を戴いたダンテの肖像画
銀貨の表面となるケースバックは、月桂樹の冠を戴いたダンテの肖像画となっている。この画は、ヴァチカン宮殿のラファエロの間に描かれたフレスコ画「パルナッソス山」のダンテがモチーフとなり、下部にはコインをデザインした彫刻家、ヴェルジネッリとモナッシの署名が刻まれている。
一方の文字盤側には、「神曲」に描かれた3つの世界を象徴する要素があしらわれている。すなわち、燃え盛る炎(地獄)、立ち込める雲(煉獄)、天からの光と星々(天国)である。これらの描写とともに、“未来の扉を開ける鍵”という意味を持つコルムのブランドロゴが配されている。
薄型ケースのクラシカルなディテールの要素も魅力
直径36mmのステンレススチールケースは、自動巻きムーブメントを搭載しながら、わずか7.55mm厚という驚異的な薄さを実現している。ケースサイドには、硬貨の外縁に施されるギザギザとした彫金を模したコインエッジのデザインとなっており、クラシカルな印象を強調。ストラップも落ち着いたブラウンのアリゲーターレザーをセレクトした。
「ヘリテージ コイン」は、マニアックかつ希少価値の高いコレクターズアイテムだが、コルムの豊かな伝統や独自性を見事に体現する逸品ともいえる。日本国内への流通はわずかとのことで、争奪戦が勃発する可能性が高いだろう。
コルム「ヘリテージ コイン」 Ref.C082/04535 253万円/自動巻き(Cal.CO 082)、毎時2万8800振動、約42時間パワーリザーブ。ステンレススチールケース、アリゲーターレザーストラップ。直径36mm、厚さ7.55mm。1気圧防水。世界限定700本。
問い合わせ先:ジーエムインターナショナル TEL.03-5828-9080 https://corumwatch.jp/ ※価格は記事公開時点の税込価格です。限定モデルは完売の可能性があります。
Text/三宅裕丈