日本のビジネスマンにこそ伝えたい! 高級時計に宿る職人の「手仕事」の価値
腕時計は、ビジネスマンにとって自分の趣味嗜好や人生のステージを示す数少ない装身具なので、とくに一生モノの高級品を選ぶときには吟味し尽くしたいところです。時計選びで後悔しないためには、時計職人の「手仕事」が伝わってくるものがオススメ。職人が自信を持って作り上げた仕立ての良い腕時計は、ビジネスシーンで相手に好印象を抱かせるばかりか、あなた自身を鼓舞させるタリスマン(=お守り)にもなるからです。
では、高級時計にはどのような「手仕事」があるのでしょうか。「時計職人の手仕事」をテーマに開催されている「2018小田急ワールドウォッチフェア」出展ブランドの最新作を例にみていきましょう。
高級時計製造の本場・スイスの伝統的な時計作りを知る
時計には、閏年にも対応するカレンダーや天体の正確な表示、暗闇でも時間が確認できる時打ち装置など、様々な機構があります。これらを作り出すために、かつての時計師は機械工学や数学、物理学、天文学などにも詳しくなければなりませんでした。手先の器用さに加え、博学でもあった時計師は古くから人々にとって特別な存在だったのです。
そしていまも時計師というのは、特別な存在です。時計製造の先進国であるスイスのトップブランドは、機械式時計の組み立てを担当する時計師に建物のなかで最も良い場所を用意します。最高の環境を得た時計師は、自分が使いやすく入念に手入れした精密ドライバーやピンセットなどの工具を使いながら、歯車やレバー、プレートなど形の異なる極小パーツを正確に組み上げ、精度を調整し、文字盤に針を取り付け、ケースに収めるのです。
こうした一連の作業は、完全に一人で担当することもあれば、それぞれの工程で担当者が代わることもありますが、いずれにしても出荷直前の検品に至るまで人の目や耳、そしてなにより手作業が不可欠。だからこそ、スイスで作られたわずか直径40mmほどの腕時計は、工業製品ではなく伝統工芸品として扱われるのです。
ただし、伝統工芸品といっても繊細なだけでは日常使いには不向きなので、あらゆるブランドが腕時計の耐久性を高める工夫をしてきました。堅牢性において現在、最も秀でたスペックを誇る時計といえば、オメガの新作「シーマスター ダイバー 300M マスター クロノメーター」が挙げられるでしょう。高精度、高防水、超高耐磁性能を備え、経年変化の起こりにくい素材を使った末永く使える一本です。
オメガの最新技術が詰まったこのモデルは10月に発売される予定ですが、「2018小田急ワールドウォッチフェア」ではいち早く手にとって全貌を見ることができます。
「2018小田急ワールドウォッチフェア」
場所:小田急百貨店 新宿店本館5階=時計売場
期間:8月29日(水)〜9月18日(火)
問い合わせ先:新宿店本館5階=時計売場/03-5325-2563(直通)
世界が注目! 独自の発展を遂げる日本の時計開発
日本の時計製造の基盤を作ったのは、セイコーでした。同社は、置き時計や懐中時計の製造を経て1913年に国産初の腕時計「ローレル」を発表。1969年に発表した世界初の量産型クオーツ腕時計「アストロン」は、時計業界の主流を機械式時計からクオーツ時計に変えるほどの大発明となりました。
クオーツ腕時計がグローバルスタンダードになると、光発電時計や電波受信型といった発展型が主にシチズンから登場。その一方で、クオーツ腕時計は異業種の参入も加速させました。
カシオ計算機はその社名の通り計算機の発明で知られたメーカーですが、1974年に「カシオトロン」で時計市場にデビュー。後発でありながら、1983年に発表した「落としても壊れない」世界初の耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」が1990年代に全国で空前のブームを巻き起こすこととなったのです。
こうした日本の伝統技能と先進技術を組み合わせた3社のユニークな時計開発は、もちろんいまも続いています。以下の3本は、いずれもハイテク技術を伴った設計ですが、組み立て、針付け、外装仕上げなどはすべて職人の「手仕事」。オーナーの人生のステージが上がっても使い続けられる、最高峰の国産タイムピースとなっています。
このような多くの職人の技術を結集させて作られる腕時計がある一方、人類の時計作りの原点というべき「一人で時計を作る」ことを実践し、スイスで認められた日本人がいます。
たった一人で腕時計を作り上げる日本人独立時計師・菊野昌宏
世の中のほぼすべての腕時計は、専門メーカーから仕入れた様々なパーツを自前のデザインに組み上げる分業制で作られています。マニュファクチュール(=自社一貫製造)体制を敷くブランドも、やはり自社内とはいえ多くの設計士や技術者がパーツを作っているわけです。
このような多くの人の手作業から成り立つ企業的な時計作りに対し、個人で時計を作り出す人々のことを「独立時計師」と呼びます。彼らのなかには、ベースムーブメントに追加するモジュール製作を得意とする人もいれば、ごくわずかですが歯車ひとつから完全に個人で腕時計を作り出す人もいます。
そうした個人の技術力の優秀性を公認するのが、「スイス独立時計師協会」。時計の本場スイスを拠点にする時計師を中心とした集まりで、主要メンバーには現代の天才時計師フィリップ・デュフォー氏なども名を連ねます。
そして、このグループに日本人で初めて会員になった菊野昌宏氏は、世界でも数少ない「歯車ひとつから完全に個人で腕時計を作り出す」独立時計師なのです。
幼い頃から手先が器用だったという菊野氏は、自衛隊で銃器の整備担当を経て、腕時計製作の道を目指すことになったといいます。きっかけとなったのは、やはり独立時計師の存在。曰く、「腕時計がたった一人でも作れることを知り、世界が変わった」そうです。
時計学校を修了後も学校の設備などを使いながら自身の作品作りに励み、2011年には一つの時計のなかに、日本古来の不定時法と現代の定時法を同時に表示した「不定時法腕時計」を発表。日本人にしかつくりえないオリジナリティを持つこの時計で、菊野氏は日本人で初めて「スイス独立時計師協会」の準会員に、その後2013年には正会員入りを果たします。
いまも菊野氏はたった一人で腕時計を作り続けています。「1本作るのに1年近くかかることもありますが、それはご注文いただいた方にご理解いただいています。その代わりに時計を作り始める前にご要望を伺いますし、作業の進み具合などでご連絡のやりとりもします。注文したらあとは待つだけではなく、時計が出来上がっていくことを私と一緒に楽しんでいただけると嬉しいですね」
独立時計師が作り上げる完全ハンドメイドピースは、「手仕事」で作られる腕時計の究極。その細部に至るまでの妥協なき作り込みを、ぜひ「2018小田急ワールドウォッチフェア」でご覧ください。
菊野氏 トークショー&特別オーダー抽選会/9月2日(日)午後2時30分〜
「2018小田急ワールドウォッチフェア」で行われる菊野昌宏氏のトークショーでは、作品「朔望」の製作エピソードが明らかに。また、トークショーにあわせ、「朔望」の特別オーダー抽選会も開催! ※当日開催の抽選会で当選された1名様に限りご注文を承ります。お渡しはご注文から約1年後となります。
「2018小田急ワールドウォッチフェア」開催中
9月15日発売予定のシチズンの限定品「エコ・ドライブ ワン」や、10月に発売が予定されているオメガ「シーマスター ダイバー 300M マスター クロノメーター」は、2018小田急ワールドウォッチフェアでいち早く見ることができます。期間中は、ハミルトンのヒストリカルモデル展示&販売会や、時計の分解掃除が通常価格の10%OFFなど、見逃せない催しも!
場所:小田急百貨店 新宿店本館5階=時計売場
期間:8月29日(水)〜9月18日(火)
問い合わせ先:新宿店本館5階=時計売場/03-5325-2563(直通)