東京の街に似合う1本「ブルガリのオクト フィニッシモ スケルトン」――TOKYO タイムピース Part1
2019/4/28 7:00
見栄えを意識しつつも先鋭的。だから東京には、スケルトンウオッチが良く似合います。魅惑のスケルトンウオッチから街の風景を見透かしたときに生まれる「街と時計」のストーリーに、耳を傾けてみましょう。
歴史の重みを感じる意匠超薄のムーブメントが卓越した職人技を物語る「ブルガリのオクト フィニッシモ スケルトン」
時計で思い出す映画が2011年に公開された『ヒューゴの不思議な発明』。監督は名匠マーチン・ スコセッシ。
1930年代のパリを舞台にモンパルナスの駅の時計台に住む孤児ヒューゴが、父親が残した機械仕掛けの人形に隠された秘密を探るという物語です。
時計台が舞台ということもあり、時計の内部の機構やギアやパーツなどが何度も登場し、駅の様子や蒸気機関車などが見事に再現しています。
本編は3Dで製作され、第84回アカデミー賞では美術賞や視覚効果賞も獲得。3Dの大画面で観なかったことが悔やまれます。
劇中、時計を見たヒューゴが「機械に不要な部品はない」と言いますが、 時計内部の部品とその動きを手元で見られるのがスケルトンタイプの時計の大きな特長でしょう。
「ブルガリ」がデザインした「オクトフィニッシモ スケルトン」は、いままでの慣例を打ち破った円と八角形を融合した幾何学的なフォルムを持つ〝オクト〞のケースに、2.35 ㎜厚の薄型ムーブメント〝フィニッシモ〞を搭載。ケースは5.37㎜という超薄型のモデルです。加えてムーブメントは前述のスケルトン加工が施され、ベゼルとリューズにはピンクゴールドが配されています。
まさに宝飾ブランドとして培った職人芸と、時計ブランドとしての実力を感じるブルガリの傑作ではないでしょうか。ちなみに映画に登場した時計台もスケルトンの構造でした。
文/小暮昌弘 撮影/シバサキフミト スタイリング/石川英治(TRS)