「ランゲ1」アニバーサリーの最後を飾る限定モデルは、本当に特別な“トゥールビヨン”搭載機だった
世界最高峰のウオッチメーカーと名高いA.ランゲ&ゾーネが、2019年1月から毎月のように発表してきた「ランゲ1」の“25th アニバーサリー”エディション。その最後を飾る第10弾モデルが、遂に発表された。ベースになったのは、現行コレクションにはない「ランゲ1・トゥールビヨン」。価格は2011万9000円で、2019年11月以降の発売予定。限定本数は、世界限定25本となる。
25周年を締めくくるのは、複雑機構の代名詞「トゥールビヨン」
1845年からの歴史を持つA.ランゲ&ゾーネは、ドイツ・ザクセンが発祥。ドレスデン宮廷時計師からの流れを汲む時計製造は、その高度な技術力と徹底した品質の追求が大きな魅力となっている。
同社は、20世紀に混迷を極めたドイツの国内情勢に翻弄され、一時ブランドが消滅。その後、1990年に創業者のひ孫にあたるウォルター・ランゲがブランドの再興に乗り出し、1994年10月24日に「ランゲ1」を含む4つの復活第一弾コレクションを発表するに至った。
こうした歴史的な復活劇から四半世紀という大きな節目を迎え、現代のA.ランゲ&ゾーネが1月に行われた新作見本市「ジュネーブサロン」で打ち出したのが、「ランゲ1」の“25th アニバーサリー”エディションというわけだ。
これまで発表されてきた9作は、ベーシックな「ランゲ1」にはじまり、「グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ」「リトル・ランゲ1 」「ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー」「ランゲ1・タイムゾーン」「ランゲ1・ムーンフェイズ」「グランド・ランゲ1」「ランゲ1・デイマティック」「リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ」というラインナップ。今回発表された「ランゲ1・トゥールビヨン “25th アニバーサリー”」が10作目となり、これをもって“25th アニバーサリー”エディションが完結することになる。
アニバーサリーイヤーを記念した限定モデルのファイナルを飾る「ランゲ1・トゥールビヨン “25th アニバーサリー”」の特徴は、なんといっても現行コレクションにないモデルをベースにしている点だ。このランゲ1・トゥールビヨンは、2000年に世界で初めてアウトサイズデイトとトゥールビヨン、そして3日間パワーリザーブを実現して登場。
2010年の創業165周年に創業者へのオマージュモデルとして発表された特別なモデルでもあり、機械式時計における複雑機構の象徴であるトゥールビヨンをランゲ1特有のアシンメトリーデザインに落とし込んだデザインは、ひと目でA.ランゲ&ゾーネのハイエンドモデルであることを主張する。
2019年の“25th アニバーサリー”エディションでは、過去9作と同じくシルバーとブルーのツートーンでダイアルをデザイン。ケースは直径38.5mmのホワイトゴールド製となっている。1分間で1回転するトゥールビヨンのキャリッジの軸の上下には2つのダイヤモンドの受け石をセット。トゥールビヨンと中間車の受け板にはアウトサイズデイトをモチーフにした限定シリーズ共通のハンドエングレービングが施されている。
なかなか目にすることさえ難しいリミテッドエディションではあるものの、これを世にある1点ものの名画と同じように考えれば、世界最高峰の品質で作られた世界限定25本の複雑時計はむしろ多いといえるだろう。
問:A.ランゲ&ゾーネ TEL.03-4461-8080
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