17世紀の単針時計から着想を得た、世界三大腕時計ブランド「オーデマ ピゲ」の新作
比類なき技術力から、“奇跡の手”と称されるスイスの老舗「オーデマ ピゲ」は、世界三大腕時計ブランドの一角に数えられる。今回、横オーバル型のユニークなドレスウオッチシリーズ、「ミレネリー」から発表された新作は、17世紀の単針時計のデザインに着想を得たもので、実用的というよりも時を哲学的に解釈させるタイムピースといえる。
シングルハンドの名品の哲学を受け継ぐ
オーデマ ピゲが初代のフィロソフィークウオッチ(オーデマ ピゲの単針時計)を発表したのが、1982年のこと。まさに日本発の“クオーツショック”の真っ只中で、スイスの機械式時計は瀕死の状態に陥っていた。安価で正確な量産クオーツは大衆に受け入れられたが、急速にスピードを上げる時間の概念や精度ばかりを追求することを問うかのように、オーデマ ピゲはあえて手巻きのフィロソフィークウオッチを世に送り出したのである。
そんな1本針の時計は、主に18世紀初頭まで使われていたデザインであり、オーデマ ピゲはフィロソフィークウオッチを通して、哲学的あるいは感傷的に“本当の豊かさ(自由)とは何か?”を問いかけたかったのだろう。一方、独創的な「ミレネリー」は1995年に初登場。楕円型ケースや特殊文字盤、可視化してムーブメントの美しさを見せる仕掛けなど、時計愛好家からも広く支持されているコレクションとなっている。
新作「ミレネリー・フロステッドゴールド・フィロソフィーク」は、フィロソフィークウオッチの精神とミレネリーが持つ個性を持ち寄ることで成立したドレスウオッチである。そしてここに、フィレンツェのジュエリーデザイナー、キャロリーナ・ブッチによるオーデマ ピゲ独自の「フロステッドゴールド」の装飾美を加え、唯一無二の価値を生み出すことに成功した。
ホワイトゴールドケースには、サテン仕上げとフロステッドゴールド仕上げが交互に施されている。その精緻さから放たれる輝きは、職人が何時間もかけて鍛金加工することで実現する賜物。シングルハンドすなわち時針は、ハンマー仕上げのようなブルーダイアル上でも判読性が高まるようにと、ポリッシュとサンドブラストの仕上げを施す工夫がとられている。
新たに開発した自動巻きムーブメント、キャリバー3140を搭載しており、その姿はシースルーバックから鑑賞できる。ローターにはオーデマ ピゲ固有のあしらいや凹凸をつけ、芸術的なエレメントに仕立てている。これも超一流の職人が成せる業といえるだろう。上の写真は18Kピンクゴールドモデルの裏側。
問:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
https://www.audemarspiguet.com/ja/