名門オーデマ ピゲの本気度の証――新時代創出を知らせる威信をかけた腕時計とは!?

オーデマ ピゲは今年、1993年のロイヤル オーク オフショア以来となる新シリーズ、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」を発表した。“11.59”とは新たな1日が始まる直前、すなわち11時59分から命名されたものである。世界三大腕時計ブランドの一角がこだわり抜いたという本作は、その名称が物語るように原点回帰的なものを感じさせると同時に、140年以上に渡る歴史で培ってきた技術と哲学が込められている。その魅力を、とくとご覧いただきたい。

次世代に連なる換骨奪胎の手法

技術的にも造形的にも時代の殻を打ち破るような挑戦を繰り返してきたオーデマ ピゲ。その最新コレクションとなる「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以下、コード11.59)は、新たなユーザー層の開拓を最大のミッションとした意欲作だ。

そのデザイン手法は、アーカイブのなかから“オーデマ ピゲらしさ”を抽出し、再解釈して組み合わせ、全く新しいスタンダードを生みだそうというもの。一見、シンプルに見えるラウンドシェイプのなかにも、様々な“コード”が隠されている。まず目に付くのは、ミドルケースを形づくる八角形のオクタゴナルシェイプだろう。

造形美のハイライトはサイドビューだ。中空仕上げのラグにロイヤル オークを思わせるアングラージュが施された八角形のミドルケースが収まる

サテナージュ(サテン仕上げ)とアングラージュ(面取り)を巧みに組み合わせた仕上げは、ロイヤル オークにも通じるものだ。また、ベゼル幅を絞り込んでダイアル開口部を大きく取るのは、現代的なウオッチデザインの常套手段だが、オーデマ ピゲではこれを1940年代から採り入れている。たとえば41〜43年にかけて製作されたクロノグラフや、45年頃のミニッツリピーターなど、この時代における同社製作のコンプリケーションモデルが使ったラウンドケースは、総じてベゼルが細く仕上げられている印象が強い。最新のコード11.59が、どこかオールドピースの風情を漂わせているのは、このあたりのバランス感覚に秘密がありそうだ。

1941~43年に製造されたクロノグラフ。12時位置のアワーマーカーとスリーカウンターのバランスは、コード11.59のダイアルにも継承されていると見られる

コード11.59のために試みられた新たな挑戦もある。筆頭はサファイアクリスタル製の風防だが、これが相当に凝っている。12時〜6時にかけてのラインは、アーチ状のカーブを描く二次曲面。しかし、ガラスの裏側はドーム状の三次曲面に仕上げられている。コード11.59のサファイアクリスタル風防を斜めから見ると、波紋のような映り込みが現れるが、視認性を担保しなくてはならない真正面からのアングルでは、非常にクリアに見えるのだ。このように、型破りと実用性を両立させる巧みな造形センスこそ、オーデマ ピゲの真骨頂なのだ。

8層にも塗られた、奥深い色味のラッカーダイアル。立体的に造形されたブランドロゴがアプライドされている
オーデマ ピゲ「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ」Ref.26393OR.OO.A321CR.01 489万5000円/自動巻き(Cal.4401)。毎時2万8800振動。約70時間パワーリザーブ。18KPGケース(シースルーバック)。アリゲーターストラップ。直径41mm、厚さ12.6mm。3気圧防水

これまでにオーデマ ピゲが生んできた数々の名作のデザインコードやエッセンスを随所に滲ませる通好みな手法で、王道のラウンドウオッチに挑戦した意欲作。マニュファクチュールムーブメントCal.4000系フライバッククロノグラフを搭載する。

 

問:オーデマ ピゲ ジャパン TEL.03-6830-0000
https://www.audemarspiguet.com/ja/