【超速報!】A.ランゲ&ゾーネのブランドイメージを覆す、初めて尽くしのスチール製ニューモデル「オデュッセウス」
ついにこの日がやってきたか…
A.ランゲ&ゾーネの新ファミリーの全貌を
報道規制の解除前に先出し!
2019年は、A.ランゲ&ゾーネにとってブランド再興25周年のメモリアルイヤーである。そこでランゲは、1月にジュネーブで開かれたSIHHから周年にまつわる「ランゲ1」の限定新作ウオッチを毎月のように発表し続け、9月までに通算10作の“25thアニバーサリー”を披露してきた。
そして迎えた10月24日。ちょうど25年前にブランド再興の第一弾コレクションを発表したちょうどその日に、A.ランゲ&ゾーネは全く新しいファミリー「オデュッセウス」を全世界に向けて発信する。WATCHNAVI Salonは、世界的に報道規制が解除される4時間前に公開が特別に許された数少ないメディアのひとつとして、この超話題作の詳細をレポートする。近頃、海外メディアでよく見聞きする「BREAKING NEWS」というヤツだ。
「オデュッセウス」は何がスゴい!?
A.ランゲ&ゾーネは、一部の例外を除いてプラチナかゴールドのケースでコレクションを構成していた。一方、最新作となる「オデュッセウス」は、スタンダードモデルとして初めてステンレススチールをケースに採用。ランゲ曰く、「アクティブなシーンにも対応する」腕時計なのだという。このコンセプトだけでも、バッチリ決めたコーディネイトの仕上げに使うイメージのあった同社の既存コレクションと一線を画すものだとわかる。
では、「オデュッセウス」は一体なにが既存コレクションと違うのか。まず本機は、ファミリーといいながらステンレスケース&ブレスレットにブルーダイアルという、この1本しかラインナップされない。にもかかわらず、この時計が完成するまでには構想から実に10年以上の歳月がかかったそうだ。
美しく面取りが施されたケースは、ミドルケースとベゼルとケースバックの3ピース構造で、ブランドとして初めて12気圧防水を確保している。ケース同様に美しく面取りされた5連ブレスレットは、コマの裏側にあるプッシュピースを押すことでコマの調整ができる仕組みを採用。サイドにピンを通す穴がなく、細部までエレガントな仕上がりとなっている。ユニークな点はバックルにもあり、中央にあるロゴ入りのボタンを押すことでブレスレットの長さを最長7mmまで微調整できる。日々、微妙に変化する手首周りの太さに対応できるのは、まさしく普段使いを想定しての仕様といえるだろう。
ムーブメントも“アクティブ”仕様の新設計
ミドルケースのリューズ側に見られるクッションシェイプを想起させる形状はプッシュボタンになっており、日付と曜日の表示調整が可能。この大きな曜日表示もブランド初の仕様だ。
少しマニアックな説明になるが、アウトサイズデイデイトを備えるムーブメントは、「新型には新たなキャリバーを」を旨とするA.ランゲ&ゾーネの流儀にならい、新開発のCal.L155.1 DATOMATICを搭載。
プラチナ製分銅を備えた片方向巻き上げ式センターローターを持つこの機械は、毎時2万8800振動のハイビート仕様となっている。振動数を高めることで、外的要因に対する精度安定性を向上させているわけだ。同様のことは、フリースプラング式ひげゼンマイを備えたテンプが空気抵抗を最低限に抑える新設計になっている点と、それを2点支持するテンプ受けの構造からも見て取れる。すべては、A.ランゲ&ゾーネが耐衝撃性能に配慮した結果である。
ちなみにこのムーブメントは、シースルーバック越しに鑑賞可能。12気圧の防水性能を確保していても、特徴的なテンプ受けのハンドエングレービングやビス留めのゴールドシャトンが堪能できる。もちろん、このムーブメントも、A.ランゲ&ゾーネの品質へのこだわりを象徴する“二度組み”によって作られていることを付け加えておこう。
数多くの“お初”があっても、やっぱりランゲ
これまで見てきたように、「オデュッセウス」には数多くのブランド初仕様が与えられている。だが、アウトサイズデイトを備えた文字盤に、ハンドエングレービングが施されたテンプ受けと、表からも裏からも、どこからどう眺めてもやはりA.ランゲ&ゾーネの時計だとひと目でわかるデザインは、さすがである。
筆者は実際に手に取ってみたが(情報解禁前だったので写真はないです)、ステンレススチールという重厚な素材とは裏腹に腕に乗せたときのバランス感が秀逸で、ストレスになるような重みは感じなかった。コマが詰まったブレスレットは安定感があり、バックルのエクステンション装置によって自分好みのフィット感が得られるのも好印象。カレンダー調整ボタンのしっかりとした押し心地は、かえって12気圧防水の信頼性を高めるものだった。何より、薄型のラグジュアリースポーツウオッチが人気を集めるなかにあって、あえて10mm以下を狙わず11.1mmというほどよい厚みを選んだA.ランゲ&ゾーネの決断は、時計のコンセプトを伝えるうえでも大正解だと言える。
誤解を恐れずに言えば、これまでのA.ランゲ&ゾーネは時計エンスーが目指すハイエンドという存在であった。それも「オデュッセウス」の誕生によって、徐々に変わっていくことだろう。世界屈指のハイブランドであるA.ランゲ&ゾーネが10年以上の歳月をかけ、持てる技術を結集させた本機は、まさしく四半世紀の集大成に相応しい一本。時計に詳しくない人をも魅了する力を、この時計は秘めていると筆者は確信している。
問:A.ランゲ&ゾーネ TEL.03-4461-8080
https://www.alange-soehne.com/ja/