スイスの老舗時計ブランドとフランスの最高級音響メーカーによる、“音”にこだわった合作時計

「ユリス・ナルダン」は1846年に時計師のユリス・ナルダンが23歳で創業し、高性能なマリン・クロノメーターで高い評価を得た、自社一貫生産体制を整えるスイスの時計ブランドである。同じく高級志向で高性能を追求するフランスのオーディオメーカー、「デビアレ」とのコラボレーションを実現。世界限定85本のストライキングウオッチ(音を鳴らすことで着用者に時刻を知らせる腕時計)「アワーストライカー ファントム」を発表した。価格は924万円(予価)。

デビアレのエンジニアなどが、ユリス・ナルダンの音専門の時計職人と緊密に協力し、ユリス・ナルダンのストライキング機構で生じるオーディオ・シグナル・チェーンの各ステップをチェック。機械式時計の最高記録を誇る、100mmで85dBを実現した

 

「アワーストライカー ファントム」は、ゴングのヒールがトーション(ねじれた)アームシステムで固定し、ゴングの振動によって生じた力の向きが変わる。また、ゴングによって生じた作用力が時計の外側に向かって移動し、その力が、トランスミッションアームによってケースバックにある薄いメンブレン(膜)に大きく伝わる。メンブレンは表面積が大きいため、大量の空気が動き、大きな音になるという仕組みだ。また、メンブレンの下には8つの開口部を設けており、このメンブレンを通してケース外へと音が伝わる。そしてポリッシュ仕上げを施した43mmのチタン製のケースも音を増幅させる効果をもたらし、85dBという他の時計では類を見ない大音量で音を響かせる。

自社製造の自動巻きムーブメント「キャリバーUN-610」を搭載するチタンケース。裏側に各種の刻印やメンブレンを備える

 

文字盤は、振動波の節を可視化したクラドニ図形からインスピレーションを得たという、デビアレのスピーカー「Phantom」のツイータードライバーを保護するカバーの模様を取り入れた。サテン仕上げが施された美しいアンスラサイト文字盤上に、最高級スピーカー由来の装飾を施しているのだ。ローズゴールドカラーの針は海軍のコンパスのようなデザインで、同色の2桁で表記されたアラビア数字インデックスを指し示す。3時位置の小さなローズゴールドカラーの丸窓は、ストライキング機構の作動/停止によって現れたり消えたりする。

ユリス・ナルダン「アワーストライカー ファントム」Ref.86103-132 924万円(予価)/自動巻き(Cal.UN-610)。約42時間パワーリザーブ。ポリッシュ仕上げのチタンケース。アリゲーターストラップ。直径43mm。ストライキングメカニズム(正時と30分に鳴る)。3気圧防水

問:ソーウインド ジャパン TEL.03-5211-1791
https://www.ulysse-nardin.com/jp