ジュネーブ随一の老舗が生み出した極薄な珠玉の1本――TOKYOタイムピース(ヴァシュロン・コンスタンタン)
「トゥールビヨン」の製造には極めて高度な技術が必要で、限られたブランドにしかラインナップがない。そのためステータスウオッチの象徴とも表現されている。そんな時計界の頂点に立つトゥールビヨンと、世界中の人々を魅了する東京は、親和性が高いのではないか。連載『TOKYOタイムピース』の今回は、東京に似合うトゥールビヨンを搭載するヴァシュロン・コンスタンタンの渾身の一本を紹介。
構成/ウオッチナビ編集部 文/小暮昌弘
撮影/シバサキフミト スタイリング/石川英治(TRS)
複雑なグランドコンプリケーションをスリムな設計で実現
世界最古の時計メーカーとして知られるヴァシュロン・コンスタンタン。ジャン=マルク・ヴァシュロンがスイスのジュネーブでブランドを創業したのは1755年のこと。以来、一度も経営を第三者に譲ることなく、260年を超える歴史を刻んできた老舗中の老舗だ。
フィフティーシックス・トゥールビヨンは、1956年に発表された同社のアイコニックなモデル「リファレンス6073」に敬意を表してデザインされたモデルだ。シンボルマークであるマルタ十字の4枝から着想を得たラグ(ベルト・ブレスの固定部分)が特徴的で、ひと目でブランドが判別できる。
「リファレンス6073」が生まれた56年は、時計以外にもモダンな家具、新しいプロダクツやファッションが次々と世界中で生まれた、いわばデザインの黄金時代。時計の場合も美しいモデルが盛んに制作された黄金期といわれ、このモデルにも当時の魅力が現代に蘇ったような味わいがある。「トゥールビヨン」の場合、その複雑な構造からボリュームある厚さのモデルが多いが、これは22Kゴールドのペリフェラルローターを装備して、ムーブメントが厚さ6mmを切るという 驚くべき薄さに仕上がっている。
エレガントなその佇まいに、老舗の創造力と比類なき実力が感じ取ることができる。
問:ヴァシュロン・コンスタンタン TEL.0120-63-1755
https://www.vacheron-constantin.com/jp/home.html