日本を代表する“時計人”が仕掛けた新たなウオッチブランド3社を特集
セイコー、シチズン、カシオ、エプソンなど、日本には世界に誇るビッグウオッチブランドが存在する。しかし小規模ながらも日本らしいものづくり精神を宿し、先進のテクノロジーと掛け合わせることで秀逸な時計を輩出しているブランドがある。今回は、時計界でその名が知られている日本人が手掛けた、まだ生まれたてのブランドにフィーチャー。ものづくりを追求するスタンス、そしてクリエイターの顔が見える、ジャパン発ならではの魅力を掘り下げる。
ブランド1. CHRONO TOKYO(クロノトウキョウ)
辣腕独立時計師ならではのこだわり
独立時計師アカデミーのメンバーでもある浅岡肇氏が、機械式時計の“入門機”として2018年に立ち上げたブランド。“入門”と言いながら、浅岡氏自身が普段使いできることも意識した、こだわりが随所に見られる。3針に続き、クロノグラフの登場も待たれる。
【WATCHNAVI Salonからひと言】
独立時計師ならではの視点で、量産モデルを企画・設計。分かっている人が作るモデルは、凡百の量産モデルとは一線を画す。生産数が限られており、入手は困難。
細部へのこだわりが生む知的なスタイル
ダイアルを2トーンにアレンジした新作。ボンベ形状に合わせて曲げた針や植字インデックスに浅岡氏のこだわりが窺える。細身のラグやボックスサファイアが、外径37mmのステンレススチールケースの形状を印象的にしている。自動巻き。クロコダイルストラップ。3気圧防水。
クロノトウキョウの問い合わせ先:TiCTAC update 渋谷パルコ店
TEL.03-3464-9009
ブランド2. NH WATCH(NH ウォッチ)
時計への知識と情熱が生み出した成果
時計業界でも屈指の時計通とリスペクトされていた飛田直哉氏が2018年に設立。世界最高峰レベルの超高精度微細加工機メーカー碌々産業と、同社製機械を導入している業者とコラボレーションし、高精度加工を実現。通常のステンレススチール素材よりも耐食性の高い904Lスチールを採用するなど、1930~50年代のモデルに範を取りつつ、独自のこだわりを投入している。
【WATCHNAVI Salonからひと言】
時計プロデューサーとしての力量と情熱に脱帽。海外のコレクターも熱い視線を注ぐ。次回作が待たれる。
さすがのテクニックで理想の姿を具現化
最高峰素材である904Lスチールをケース素材に使い、Cal.7750を手巻きの3針仕様へカスタマイズ。飛田氏の理想とする巻き心地、質感、サイズ感を実現したこだわりの一本。青焼きの長短針を採用し、長針先端は手作業による曲げ加工を施す。直径37mm(厚さ9.8mm)。
NH ウォッチの問い合わせ先:NHウォッチ
www.naoyahidawatch.com
ブランド3. MIRCO(ミルコ)
海外からも注目、日本製機械式の新潮流
オリエント時計に長年在籍した平岡雅康氏と、時計バイヤーとしてキャリアを積んできた渡辺達也氏という高校の同級生が、さいたま市大宮で設立。“日本製機械式時計の未来と過去をつなぐ”がコンセプト。第一作『TYPE-02』は、ボリューム感ある70年代風ケースのツーカウンタークロノグラフ。2019年のバーゼルに出展し、海外からも注目を集めている。
【WATCHNAVI Salonからひと言】
日本のもの作りを継承しつつ、ヒトクセあるモデルが興味深い。王道に与せず、我が道を!!
技あり仕上げのレトロ調クロノグラフ
新興ブランドでありながら、どこか懐かしさを感じさせるデザインが魅力のクロノグラフ。仕上げの妙によりクッション型にも見える直径42mmのステンレススチールケースは、重厚感に溢れる。多彩な文字盤も特徴だ。自動巻き。10気圧防水。
ミルコの問い合わせ先:ミルコ
TEL.048-871-9948