《新作時計》ハミルトンが50年前に開発した世界初のLED式デジタルウオッチを復刻

コストパフォーマンスに優れるスイスウオッチとして知られる「HAMILTON(ハミルトン)」は、これまでに数々のユニークピースを手掛けてきた。そのシンボリックな存在が、エルヴィス・プレスリーが愛用した世界初の電池式腕時計「ベンチュラ」(1957年)と、LED式デジタルウオッチとしてこちらも世界初の快挙となった「パルサー」(1970年)である。2020年、後者は誕生50周年を迎えるにあたってアニバーサリーモデル「ハミルトン PSR」として復刻されることが発表された。個性的なデザインを忠実に再現したという注目のニューモデルについて、オリジナル機との比較写真も交えながら解説する。

イエローゴールドPVDバージョン(左)は1970本の限定モデル。ノーマルタイプはレギュラーラインナップに加わる

いまとなっては見慣れたLEDデジタル表示の腕時計は「パルサー」から始まった

LED(Light Emitting Diode=発光ダイオード)は、現在では様々な分野で使われている。1962年にハミルトンの生まれ故郷でもあるアメリカで発明されたこの技術は、当初発光色は赤のみだったものの劇的に世の中を変え、腕時計への採用も研究された。そこでハミルトンはいち早く「パルサー P1」の開発に成功し、性能をさらに高めた2代目「P2」も間もなく完成。時の大統領ジェラルド・R・フォードやジャック・ニコルソンらセレブに愛用されたほか、1973年公開の映画『007 死ぬのは奴らだ』では、ロジャー・ムーア扮する主人公ジェームズ・ボンドが某ダイバーズの修理時に貸出用として登場するなど、世界中に認知されていった。

左が2020年新作「ハミルトン PSR」。右が2代目「パルサー P2」※参考品

 

今回の復刻モデルはこの「P2」をモチーフとしており、クッション型ケースのサイズやフォルムはまったくの同一である。これは「P2」の3Dスキャンデータを基にしているからこそ実現したもので、台形型の風防は硬質かつ耐久性の高いサファイアクリスタル製になっており、日常使用に安心な10気圧防水へとスペックアップを果たしている。

ディスプレイには、判読性を高めるために反射型LCD(液晶ディスプレイ)と発光するOLED(有機発光ダイオード)のテクノロジーを組み合わせたハイブリッド方式を採用。ケース右側のボタンを押すと、7セグメントのアラビア数字が数秒間レッドで浮かび上がって現在時刻を表示する。また、以前よりも省エネルギー化されたことも特筆すべき点だ。

 

P1時代に発売された幻のイエローゴールドモデルにインスパイア

「ハミルトン PSR リミテッドエディション」Ref.H52424130 13万2000円/クオーツ。ステンレススチールケース&ブレスレット(イエローゴールドPVD加工)。反射防止加工を施したサファイアクリスタル風防。縦34.7×横40.8mm。10気圧防水。6月発売予定。世界限定1970本

 

パルサー復刻に併せて限定版もリリースされる。こちらはファーストモデル「P1」が発売された当初、400本しか製造されなかったという18Kイエローゴールドモデルへのトリビュートとして製作。当時の1本はエルヴィス・プレスリーが所有したというエピソードを持つレアピースを、ケースとブレスレットのステンレススチールにイエローゴールドPVDコーティングすることで再現し、パルサー誕生年にちなんだ1970本のみのリミテッドエディションに設定された。こちらには特別な専用ボックスが付属する。

「ハミルトン PSR」Ref.H52414130 9万9000円/クオーツ。ステンレススチールケース&ブレスレット。反射防止加工を施したサファイアクリスタル風防。縦34.7×横40.8mm。10気圧防水。6月発売予定

 

1970年代初頭のアメリカは『イージー・ライダー』(1970年公開)、『時計じかけのオレンジ』(1971年公開)、『ゴッドファーザー』(1972年公開)といった、映画だけ見てもワクワクするような雰囲気があった。刺激的なデザインやファッションも続々登場したこの時代に、ハミルトンの「パルサー」も生み出されたのである。そんな良きアメリカンカルチャーを味わえるパルサーの復刻「ハミルトン PSR」は、コレクターのみならず当時の時計を知る者にとって吉報といえる。

 

問:ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7371
https://www.hamiltonwatch.com/ja-jp/