2021 小田急 WWF出展ブランドガイド「グランドセイコー編」〜世界に比肩するメイド イン ジャパンの最高峰〜

創業者の精神を継ぐ世界最高峰の高精度品

SEIKO(セイコー)」の創業者は、1881年に服部時計店を創業し、のちに「東洋の時計王」とも称された服部金太郎である。1892年に精工舎を設立して掛け時計の製造に着手すると、1913年には国産初の腕時計の製造も開始。1934年に永眠するまで日本の時計産業の近代化を牽引してきた偉人は、「常に時代の一歩先を行く」を信条に数々の困難を乗り越え、邁進し続けた。

GRAND SEIKO(グランドセイコー)は、そんな創業者の精神を受け継ぐ腕時計と言える。部品精度、組み立て技術などのすべてが注ぎ込まれた初代は、1960年12月18日に発売された。発売価格は2万5000円。当時の上級国家公務員の初任給は1万2000円だった時代である。その腕時計は、当時の世界最高の精度基準と同一の社内検定を行い、その後さらに厳しい独自規格「グランドセイコー規格」を制定するに至る。

続くマイルストーンプロダクツは、1967年に誕生した「44GS」。手巻き時計として当時の最高精度を誇る名作は、デザイン面でも功績を残した。「44GS」に求められたのは、「三次曲面は原則として採り入れない」「平面部の面積を多くする」「鏡面からは極力歪みをなくす」(いずれも一部を抜粋)というデザイン方針。これらのデザイン文法は“セイコースタイル”として継承されている。

こうした発展と同時進行で、セイコーはスイス天文台コンクールで海外勢を凌ぐ成績を収めるようになっていた。その優れた調整技術を生かし、1969年には月差精度を誇る超高精度モデル「V.F.A.」を発表。誕生から10年を待たず日本の最高峰、世界水準の高級時計となり、歴史にその名を刻んだのである。

現在は、セイコーが生んだ「クオーツ」「スプリングドライブ」を加えた3つの駆動方式から、様々な製品を展開。そのいずれも高精度に調整され、“セイコースタイル”のデザインに通じる。その燦然と輝く凛々しい様は、グローバルブランドとなった今改めて世界から高評価を得ている。

ブランドが誇る3つの駆動方式で唯一無二の正統派スタイルを築く

誕生60周年を迎えた2020年に披露された「グランドセイコースタジオ 雫石」(岩手県/設計・隈 研吾)のクリーンルーム。木造建築であり ながら、現代最高の内装技術を用いて時計製造に適したレベルの環境を作り上げた。

【メカニカル】世界を凌駕する品質と性能

世界最高峰の腕時計を作るという信念のもとで作られたグランドセイコーの機械式時計は、1960年から製造が始まり10年ほどでスイス勢に比肩する高精度を獲得した。現在も独自の「GS規格」の精度基準である日差-3秒~ +5秒(静的精度)の範囲内に収まる正確さをメンズモデルのすべてで保証(レディスは別規格)。徹底した仕上げでパーツの美観も一級品だ。

Cal.9S86:高速回転するコマが安定するのと同じく、機械式時計もテンプと呼ばれるパーツの往復回転の速度が速いほど安定性を増す。GMT機能を備えたこのムーブメントは毎時3万6000振動のハイビートを誇る。

【スプリングドライブ】セイコー独自の革新メカニズム

セイコーが独自開発に成功したスプリングドライブは、機械式時計の構造で電力を作り出して電子回路を駆動させ、クオーツ同等の精度を得る「第三の駆動方式」。2004年にグランドセイコーに初搭載されると、その流れるような秒針の「スイープ運針」の様子から海外メディアが、「サイレントレボリューション」と評して絶賛した。

Cal.9R65:GSスプリングドライブのスタンダードキャリバー。自動巻で72時間パワーリザーブを確保し、耐久性能にも優れる。この駆動方式の誕生の地である信州の山々の連なりを想起させる構造・仕上げも大きな見どころとなっている。

【クオーツ】年差精度を誇る究極のクオーツ

手作業で組み上げられるグランドセイコーのクオーツは、一般的に機械式よりもトルクが弱いとされるクオーツ式でありながら高い駆動力と省エネルギー化を両立し、特有の「太く、厚い」針の運針を実現。1993年の誕生時より「究極のクオーツ」を目指して開発された年差精度のメカニズムは、基本設計を変えずに現代に至る。

Cal.9F86:セイコーはICや水晶振動子も自社開発し、1969年に世界初のクオーツ腕時計を発表した。9Fクオーツに使われる水晶振動子は、長期間のエイジングを経て性能が安定した個体のみ選別。本機は、初めてGMT機能が追加された最新型だ。

MECHANICAL/SPRING DRIVE

左/「ヘリテージコレクション SBGA211」68万2000円 スプリングドライブ自動巻き。ブライトチタンケース&ブレスレット。直径41mm。10気圧防水。
右/「エレガンスコレクション SBGK007」82万5000円 手巻き。ステンレススチールケース。直径39mm。クロコダイルストラップ。日常生活防水。

左/メリハリのあるケースに卓越の研磨職人が鏡面仕上げを施した、秀麗な手巻ウォッチ。ドーム型サファイアガラスによって際立つその輝きは、まるで宝珠のよう。ボンベダイヤルに沿うよう手作業で先端をカーブさせた針も、デザインの調和に貢献している。右/時計愛好家に「雪白」の愛称で親しまれる純白のダイヤルを持つスプリングドライブモデル。外装にはSSに比べて約30%軽く、さらに耐傷性・耐食性にも優れたブライトチタンを採用。着け心地は軽快だ。

QUARTZ/MECHANICAL

右/「スポーツコレクションSBGN005」36万3000円 クオーツ。SSケース&ブレスレット。直径39mm。10気圧防水。
左/「スポーツコレクション SBGJ239」77万円 自動巻き。SSケース。直径44.2mm。クロコダイルストラップ。20気圧防水。

右/グランドセイコーのクオーツモデルで初めて第2時間帯表示用のGMT針を備え、好評を博す一本。上下で色分けされたダイヤルリングは、24時間で1周するGMT針の昼夜判別用。時計を止めずに時針が単独調整でき、時差調整時でも年差±10秒の高精度を保つ。左/精度安定性を高める毎時3万6000振動のハイビートムーブメントにGMT機能を付加したキャリバー9S86搭載モデル。昼夜で色分けされた回転ベゼルは、表面をサファイアリングで覆っている。グリーンダイヤルとの組み合わせが個性を主張する。

LADIES QUARTZ

右/「エレガンスコレクション STGF349」80万3000円 クオーツ。ステンレススチールケース&ブレスレット。直径27.4mm。10気圧防水。
左/「エレガンスコレクション STGF287」33万円 クオーツ。ステンレススチールケース。直径26mm。クロコダイルストラップ。10気圧防水。

右/瞳や水滴など、自然が生み出す歪みのないカーブフォルムをケース左右に架かるアーチやベゼルレスデザインで表現。外装にあしらわれた合計32個のダイヤモンドに加え、淡藤色の文字盤12時位置にもワンポイントダイヤが輝く。左/白蝶貝ダイヤルの8 ヵ所にダイヤモンドをセットした、さりげなくも気品ある一本。グレージングで光沢感を出したストラップが彩りを添える。カレンダー表示を備えた年差精度キャリバーを搭載する。

GRAND SEIKO(グランドセイコー  )」について

(セイコー)
創業年:1881年
創業者:服部金太郎
創業地:日本/東京