高性能なドイツウオッチ「ジン」の希少限定モデルを一気に3本解説。ウオッチナビ注目はヴィンテージ加工ダイアルの逸品だ!!
ドイツのウオッチブランド「ジン(SINN)」は機械式時計を中心に、プロフェッショナルスペックのコレクションを数多くラインナップしている。そのような背景もあって本格派を好む男性に支持を集めており、最新作も実用性に富んだ顔ぶれが揃った。中でも希少な限定モデル3本を紹介しよう。
〈日本限定100本〉パイロットウオッチ「EZM3.F.V」
スクラッチ加工による一点モノのダイアルをセット
ミッションタイマー、EZMシリーズでも人気の高い「EZM3.F」をベースに、経年変化したような特殊な文字盤をセットしているのが「EZM3.F.V」。瞬間的に時刻を読み取れる明瞭なデザイン、「マグネチック・フィールド・プロテクション」の採用による8万A/mの耐磁性、特殊オイル「66-228」で-45℃~+80℃の環境下でも精度を保証するなど、通常の機械式時計にはない高機能を備えているのが特徴だ。
ちなみにリューズが9時側にある理由は、重火器などを装備した際にひっかからないよう安全性を求めたアイデア。こうしたディテールの配慮こそ、ジンのこだわりのひとつといえる。
そして「EZM3.F.V」の個性的な文字盤は、一点ずつスクラッチ加工を行うことでヴィンテージルックに仕上げている。その加工後に夜光付きのインデックスを加えているため、優れた視認性が確保されている点も見逃せない。
またケースは直径41mm、厚さ11.7mmという比較的に扱いやすいサイズになっており、フィット感も良好。ラグの長さも最適化されているため、腕が細めの人であっても装着しやすいだろう。クラシックデザインのカウレザーストラップは肌触りがよく、しなやかな風合いで実用的でもある。
質実剛健なジンのイメージを脱却する“個性派”として、今回紹介している中でWATCHNAVI編集部がもっとも熱視線を送る一本だ。
〈各色日米限定200本〉パイロットウオッチ「104.ST.SA.I.RS」
スタンダードな機能と手頃なプライスの注目機
プロユースというジンの基本コンセプトに忠実なパイロットクロノグラフ103シリーズを、3針式に変換したモデルが104シリーズである。ブラックに塗装されたカウントダウンタイプの両方向回転式ベゼルや、クラシカルな航空時計に散見される長短針、操作しやすい大型のリューズなど、実際に航空分野で使われることを想定した意匠が特徴といえる。この104をベースに、ブラックダイアルまたはホワイトダイアルに赤針(秒針)を組み合わせたのが、新作の限定バージョンである。
本機もジン独自の技術として外れない仕組みになっている特殊結合方式のパイロットベゼルを装備しているほか、太陽光下でも判読性を失わない無反射処理したサファイアクリスタルの風防、日常使用に十分な20気圧防水、搭載する自動巻きムーブメントのメカニズムを鑑賞できるシースルーバック(サファイアクリスタル製)などを採用。ローターには、“EINE von 200(200本のうちの1本)”というドイツ語が刻印されている。
3モデル中もっともシンプルなデザインで薄型設計(厚さ11.5mm)、さらに日付に加えて曜日の表示も付いていることから、ビジネスウオッチにも適する腕時計となっている。
〈日米限定150本〉ダイバーズウオッチ「U2.W」
PVDやテギメントの処理でハイレベルな耐傷性能を獲得
ジンの機械式ダイバーズウオッチで、最高の防水性能2000mを誇るU2をベースに、あえて第2時間帯表示を外してシンプルな構造にしたうえで、コントラストとなるブラックケースとホワイトダイアルを融合した一本。屈強なタフダイバーズとは一線を画した、そのスタイリッシュな外観が話題を呼びそうである。
こちらは日本とアメリカのみで展開される150本のリミテッドモデル(日本では50本販売予定)として発表された。
44mm径のビッグケースは、ドイツの屈強な潜水艦Uボートの外装に使われている素材、Uボート・スチールを採用。このケースと特殊結合方式の逆回転防止ベゼルは、ブラックPVD加工+テギメント加工が施され、引っかき傷に強いハードコーティングを獲得している。
また特殊オイル「66-228」が使われており、-45℃~+80℃の環境下での精度を保証。リューズは手の甲に当たらないよう、4時位置にセッティングされている。そのほか、「Arドライテクノロジー」を実現するドライカプセルを文字盤6時位置に1個と、ムーブメント内部に2個の合計3個を搭載。急激な温度変化でもサファイアクリスタル風防が曇ってしまうことはない。まさにプロフェッショナルダイバーズ!!
問い合わせ先:ホッタ TEL.03-6226-4715 https://sinn-japan.jp/
Text/WATCHNAVI編集部