【SIHH2018先行発表】A.ランゲ&ゾーネ復興の祖に捧げる1815リミテッドエディション

2018年1月にスイス・ジュネーブで開催されるSIHH(通称ジュネーブサロン)での発表を前に、同イベントに出展する各社が新作を先行発表しています。今回紹介するのは、ドイツ・グラスヒュッテ随一のハイブランドA.ランゲ&ゾーネの新作。前回のSIHH会期中に、復興の祖ウォルター・ランゲ氏が逝去するというニュースがありましたが、新作は同氏への敬意を表したモデルとなっています。

 

ジャンピングセコンドを備えた

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”

ブランドの再興に尽力したウォルター・ランゲ氏は、創業者フェルディナント・アドルフ・ランゲの一族でもあります。この創業者が150年前に発明し、ウォルター氏も好んでいたジャンピングセコンドを備えたモデルが、最新作となる「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」です。

↑ウォルター・ランゲ氏

この時計の最大の特徴は、二つの秒針を持っていることでしょう。6時位置のカウンターはスモールセコンドになっており、毎時2万1600振動するテンプの動きに合わせて正確な1/6秒刻みで時間の経過を示し続けます。

一方、センターにセットされた細い秒針では、1秒単位の「ジャンピングセコンド」運針を行います。この針は、2時位置のボタンを押すことで停止させたり、再び動かしたりできます。

ムーブメントには、ウォルター・ランゲ氏の祖父であるエミール・ランゲ氏が実用化したジャンピングセコンドの制御機構が取り入れられています。

 

1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”のジャンピングセコンドの制御に、祖父が作ったマスターピースに倣い、スラップアームと星形歯車の原理を取り入れました。1秒経過するごとに、星形歯車の6個の突起の一つが、ピンと張ったアームを解放します。この時、アームがピシっと放たれるように動くことから、時計師たちはこれを「スラップアーム」と呼んでいます。スラップアームが解放されると、歯車が一気に360°回転し、次の突起がスラップアームを受け止めます。この一連の動きにより、秒針が次のインデックスにジャンプします。4分の3プレート上に配置されている角穴車は、二つの役割を担っています。一つは、ステップ運針に必要な動力を蓄えること、もう一つは、センターセコンドの針を静止させることです

(A.ランゲ&ゾーネの資料より引用)

 

創業者である曽祖父が発明し、祖父が実用化を果たした機構を備えたムーブメントのキャリバー番号はL1927となっています。これはもちろん、ウォルター・ランゲ氏の生誕年。製品には145本限定のホワイトゴールド(WG)、90本限定のピンクゴールド(PG)、27本限定のイエローゴールド(YG)の3型と、ユニークピースとなるスティールのモデルがあり、それぞれ限定本数にも特別な意味があります。

フェルディナント・アドルフ・ランゲが工房を設立したのは1845年12月7日です。そして、ウォルター・ランゲがランゲ・ウーレンGmbHを商業登記したのは1990年12月7日 ̶ 初設立の日からちょうど145年後のことでした。そして、会社再興の日から、私たちがウォルター・ランゲへの敬意を表するために開発した新モデルを発表する2017年12月7日まで、まさに27年の歳月が流れています。

↑A.ランゲ&ゾーネ「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」参考予価 各47000ユーロ(※ドイツVAT税込)、2018年9月以降発売予定。手巻き。直径40.5mm、厚さ11.0mm。
↑スティールモデル

そして、スティールが世界1本である理由は、一人の偉人に捧げられたモデルだからにほかなりません。このユニークピースは2018年内に開催されるオークションに出品され、収益金が慈善活動の支援のために寄付されることになっており、常に公共の福祉に貢献することを考えていたウォルター・ランゲ氏の遺志がブランドへ受け継がれていることがわかります。

クオリティにこだわり続け、A.ランゲ&ゾーネを唯一無二の高級時計ブランドへと発展させた偉人の功績は、とても語り尽くせるものではありません。まるでクラシック音楽のような製品名が付けられた最新作「1815“ウォルター・ランゲへのオマージュ”」は、ウォルター・ランゲ氏へのオマージュであると同時にレクイエムでもあるといえるでしょう。

 

A.ランゲ&ゾーネ https://www.alange-soehne.com/